おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

ニッポンの海外旅行-若者と観光メディアの50年史

2010-12-26 08:20:15 | 読んだもの
 今月は延々と顔見世のことばかり書いておりましたが、さすがにそのネタも尽きましたので、久しぶりに本の話題です。

 山口誠さんの「ニッポンの海外旅行-若者と観光メディアの50年史」を読みました。内容紹介です。
「最近の若者は海外旅行に行かなくなった」といわれて久しい。二十代の出国者数は一九九六年にピークを迎え、十年あまりで半減した。それを若者の変化だけで問題化するのは正しくない。海外旅行の形も、大きく変わってきたのである。本著は『何でも見てやろう』、「地球の歩き方」、『深夜特急』、「猿岩石」など、時代を象徴するメディアとそれらが生まれた社会状況を分析し、日本の若者が海外をどう旅してきたのかを振り返る。そして現在の海外旅行が孕む問題の本質を、鮮やかな社会学的アプローチで明らかにする。

 新聞の書評で見て、最近の若者は海外旅行をしなくなったそうで(そう言われてみれば、最近はバックパックで欧州一周貧乏旅行というような話を聞かなくなった)、前の前の職場が旅行会社だったこともあり、何となくお買い上げです。“前の前の職場”と言っても20年近く前に退職しているし、そもそも在職中からそれほど旅行に詳しい社員ではなかったので「今さら・・・」な感はありますが。

 とても読みやすい本でした。スルスルと読めます。副題が若者だけでなく「50年史」というのもあるので、海外旅行の歴史みたいなことも書いてありました。さすがに私は黎明期は存じ上げませんが、なかなかお大変だったことは聞いています。外貨の両替も日銀まで行かないといけなかったそうで、それもすべて旅行会社がアテンドしていたそうです。というか一人のお客さんにパスポート取得から見送りまでフルアテンドしていたようで、それだけ海外旅行が少ない時代だったんですね。

 と、ちょっと若ぶっていますが、私が入社した頃の海外渡航者数は年間500万人もなく、運輸省が「テンミリオン計画」を打ち出し、海外旅行へ行く人の数を倍にしようと躍起になっていた時期でした。ちょうどバブルと重なり、私が在職中に年間1000万人を突破したように記憶しています。現在は1500万人をちょっと超えたあたりで推移しているようです。

 「地球の歩き方」は本当によく売れていましたよね。今の旅行社がどんなんだか知らないんですが、私の頃は表立って“格安航空券”は売ってなくて、あくまでジャルパックのようなパッケージツアーをオススメするのが主流でした。「地球の歩き方」はそういうパッケージツアーを否定するところから始まっているので、旅行社から見れば“敵”でした。ただ、当時の「地球の歩き方」は読者投稿から成り立っている本で、その情報が文字通り玉石混交で、お客さんに「あまり信用しないほうがいいですよ」と言ったような気がします。今から思えば私がその情報を確かめたわけでもなく、「地球の歩き方」に一矢を報いたかっただけかもしれません。

 それにしても最近の海外旅行は安いですよね。若い頃は海外でお安くお買い物をするのが楽しみで海外志向が強かったけれど、最近はお財布事情が厳しいせいもあるけれど、あまり海外へ行きたいと思わなくなりました。内容はどうなのか知らないけれど(何となく「安かろう、悪かろう」のイメージがあるけれど)、とりあえず東京へ行くよりも安い・・・。まあ、昔でも、JRよりAirのほうが安いことは多々あったので、旅行業界って案外変わっていないのかもしれません。←あくまで私のイメージです。

 
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