おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

アンジェイ・ワイダさんの「ナスターシャ」のこと

2016-10-10 23:43:58 | 訃報
 映画監督のアンジェイ・ワイダさんが9日お亡くなりになりました。90歳でした。

 拙ブログでも何度か書いておりますが、私は映画をまず見ません。見るとしてもシネマ歌舞伎ですが、それすら毎回ちゃんと見ているわけではありません(シネマ歌舞伎は上映期間が短い上に、上映開始時間が午前中のことが多いので見たくても見られないっていうのもありますが)。当然?のことながら「地下水道」も「灰とダイヤモンド」も「鉄の男」も何も見ておりません。

 そんな映画見ない人がなぜワイダ監督を?と不思議に思われるかもしれませんが、玉ちゃんつながりです。玉ちゃん主演の舞台「ナスターシャ」の脚本・演出を手がけられています。今朝、NHKのニュースでワイダ監督の訃報が流れ、その「ナスターシャ」のことをいつ言うのかと待ち構えていたのですが一言も触れませんでした。その後ネットニュースをチェックしても「ナスターシャ」が全然出てこないので、それならば、オッホン! ワタクシが書きましょう!

 って大きく出ましたが、たぶん、中身は何も無いと思います。先にお断りしておきます。

 「ナスターシャ」のお舞台、ワタクシ拝見しております。1993年3月12日~25日の大阪公演です。初演は1989年に東京のベニサン・ピットでした。160人しか収容できない会場で2ヶ月興行だったそうです。大阪もそれくらいの人数だったと思います。場所は茶屋町の毎日放送の中のギャラクシーホールでした。演じる場所の両側に客席がありました。舞台と客席が同じ高さ、境目もありません。今、パンフレットを見ながら、この記事を書いていますが、そこに舞台装置のスケッチもありますが、「昔のロシアの家の大きなサロン」とあって、サロンに招かれてお芝居を見たような記憶があります。一列目のお客さんは手を伸ばせば玉ちゃんに触れられそうな、そんな近さでした(残念ながら私は一列目ではありませんでした)。

 玉ちゃんがナスターシャとムイシュキン公爵の二役、永島敏行さんがラゴージンのお役でした。玉ちゃんは女形と立役を同時になさるんですが、決して早替りではなく、白いシャツと白いスーツが基本スタイルで、これに丸い眼鏡をかけるとムイシュキン公爵、眼鏡をはずしてイヤリングをつけ白いショールを纏うとナスターシャになります。たったそれだけで演じ分けるんです。演技力もさることながら、それ以上の見せる力、表現する力を感じました。パンフレットを読むと、そういう玉ちゃんにワイダさんご夫妻が惚れこんで「ナスターシャ」の舞台化が実現したようです。

 20年以上前のことなので、「行った」ことは覚えているんですが、「見た」ことは完全に飛んでいて、パンフレットを見ながら、そういえば…、えーーーっと、あれ? こうやったけ?とエエ加減なんですけど。その頃にブログをやってれば、ちゃんと残せたと思うのですが。PCも何もまだない時代ですからね。このチケットも電話予約ではなく、はがきを出して抽選で「購入の権利」が当たるというものでした。友人と二人で10枚はがきを出して、1枚当たりました。料金も当時としては破格の15000円でした。(普通のお芝居は5000円~7000円ぐらいの頃です)今から思うとよー当たったし、よーそれだけのお金を持ってたんやねぇと我ながらちょっとビックリです。

 「ナスターシャ」の原作はドストエフスキーの「白痴」です。ワタシ、この舞台を見て「白痴」を読みました。先に映像?があれば読みやすいかしらと安易な気持からでしたが、実はこの「ナスターシャ」は「白痴」の中の最後の章を取り上げたもので、読み始めても全然知ってる場面が出てこず、何か「騙された」気分で読み進んだのを覚えています。一応、読了はしました。まあ、でも、こんなことでもない限りドストエフスキーを読もうかということにはならないので、よかったです。

《オマケ》
 パンフレットの写真です。↑上の写真もパンフレットからです。20年以上前なのでお若いです。(本当はやっちゃいけないことかと思いますが)
 
 玉ちゃん、ワイダさん、永島さん

 
 玉ちゃんのナスターシャとムイシュキン公爵

 あ、スミマセン、全然ワイダさんの「追悼」になってないですね。「ナスターシャ」見に行った!自慢ですね。ワイダさんが日本でこういうお仕事もなさっていたということで…、ご容赦ください。

 ワイダ監督のご冥福をお祈りいたします。 
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2 コメント

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信念 (まるこ)
2016-10-16 10:14:33
小物ひとつで世界が変わる。世界を変える。
これが、いつも私たちを惑わせてくださる玉三郎さんです。

そういう人に目をつけてくださったワイダさん(お知り合いではないけれど)に感謝です。そして、亡くなられたのは残念です。
あちらの世界でも、信念のある映画が撮れるようお祈りいたします。
魅せる (おとら)
2016-10-17 00:13:06
最近は歌舞伎しかおやりになりませんが、洋物もやっていただきたいですね。

さっきまで三田寛子の追っかけ番組を見ていましたが、歌舞伎座の顔寄せで玉さまがチラッと映りました。こういう他人様の番組でも、すぐ発見できるのが、すごいところです。

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