スウェーデンの今
スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員
 



ヨーテボリ地域の地方交通 (Västtrafik) が新型バスを導入する。なんと3両編成のバスだ。Volvoが特別に製造したこのバスは、全長24m、定員も165人とかなり大型。しかも低床。現在ヨーテボリのあちこちを走っている2両編成バス(全長18m)に比べて6mも長いが、曲がりきることができるカーブの半径は、現行の2両編成と変わらないのらしい。なんでも、3両目についている車軸の傾きが制御可能で、内輪差を一定に保つことができるかららしい。

“スウェーデンで一番長いバスがやってくる”

ヨーテボリのどこにそんな長いバスが必要なのか? 乗客が多いなら、運行時間の間隔を狭めて、本数を多くすれば済むのじゃないか、と思われるかもしれない。

このバスが投入されるのは市バス16番線で、通称「Stombuss(幹線バス)」と呼ばれる路線だ。私の住むHögsbohöjdから市内を抜けて、運河を渡り、運河北岸に沿って西のEketrägårdenまで走る。この運河北岸はかつては造船業が盛んだった地域で、造船業が廃れた後は、工科大学のキャンパスにしたり、オフィス街にしたり、新しい住宅街に生まれ変わってきた。バスの乗客が多いのは、中央駅からこの運河北岸にかけての区間。今でも、朝夕のラッシュ時には、2両編成のバスを3分間隔で運行するものの、それでも立ち客がでる状況なのらしい。これ以上、運行本数を増やすことができないとすれば、最後の手は、一便あたりの輸送力を上げるしかない、ということらしい。

残念ながら、この3両編成が走るのは、中央駅から北のこの区間のみらしく、Högsbohöjdまでは乗り入れないらしいから、私はあまり乗るチャンスがなさそう。それにしても、3両、最大165人の乗客を一人の運転手で(ワンマン)でうまく管理ができるのだろうか・・・?


「Stombuss(幹線バス)」という路線は、80年代以降の再開発で新たな住宅街やオフィス街が造成され、人々の行き来が盛んになっている区間を走っている。本来は、路面電車を敷いて、円滑に通勤客を輸送していきたいのだけれど、路面電車の新設にはお金がかかるし、道路事情の都合で、それが簡単にはできない。その代わりに、大きなバスをその区間に投入して「幹線」にしようというアイデアらしい。

何年か前にドイツのHamburgで開かれた公共交通の国際会議で、ヨーテボリ市の交通局長がこの“超長い(extralång)”バスのアイデアを思いついたのらしい。そのアイデアを元に、Volvoのバス部門と協力。それと前後して、Volvoはブラジル・サンパウロの地域交通の要請で似たようなプロジェクトに取り掛かっていた。その結果、スウェーデン側で実現化したのがこの3両編成のバスだ。ブラジルでは、さらに長い26.8m(定員300人)バスをVolvoが作成し、実用化されつつある。

私としては、この「幹線バス」区間もゆくゆくは路面電車にしてほしいけれど。なんといっても乗り心地がぜんぜん違う。路面電車は静かだし、あまり揺れないけれど、バスはかなり揺れる。現在走っている2両編成のバスですら、振動が激しいし、あまりつかまるところがなくて、カーブで振り落とされそうになる乗客もいる。(おまけに、運転手の運転が乱暴だし、かなりスピードを出す)

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