アモス日記

聖書の預言者精神で社会事情を批判し、正しい聖書のビジョンを示す「カナ共同体」代表・安田由久のエッセイと活動日記。

塚本虎二著作集

2007年11月28日 00時02分09秒 | Weblog
塚本虎二著作集

塚本虎二をYahooで検索するとブログで書かれたユニークな批評がいくつかある。私は塚本虎二というイメージは、笑いの天才の神学者だという評価をしている。本来、塚本の略歴を見れば東京帝国大学を主席で卒業し、農務省に入省して8年間勤務、食糧問題を担当し、退官して内村鑑三の助手になり、独立伝道者となり、無教会神学を打ち立てた戦闘の人ということになる。このように激しく戦った無教会二代目の指導者であったが、私は青年たち向けの信仰入門書が好きである。読んでいても疲れないし、思わず噴出すような面白い文章が多いのである。ゆえに私は頭の体操にと短編のユニークな文章を時々、読むことにしている。また、いつも私の手の届くところにおいてあるのは、塚本が始めて翻訳した、口語訳の福音書である。福音書を読むときになぜか、この翻訳を手にしてしまうほどユニークな訳で日本聖書教会の訳ではどうしても物足りないとき塚本訳を読むと生き生きした福音書の輪郭が手に取るように分かるのだから不思議な訳である。
(塚本のユニークな文章例)
「あと100年生きると思うて仕事をしたまえ。しかし、同時に今夜死ぬかもしれないと覚悟したまえ。きつと一番緊張した、しかもゆとりのある生活が出来るよ」
「人生が50年ぐらいで済むのは、神様の特別のお情けだよ。こんな人間が100年も1000年もいきなければならないのなら、それこそやりきれないよ」
(塚本虎二ならではの福音書の訳)
マタイ5:3
「踏みつけられてじつとがまんしている人は幸いである」
内村鑑三の無教会主義と塚本虎二の無教会主義は明らかに違う。この点は今回、論じないでおきたい。ただ、塚本著作集は、聖書関連著作集より、上記のようなユーモア集を拾い集めることから読むと面白いし、岩波書店の塚本訳・福音書をまずお読みになることをおすすめしたい。

このイエスを、神はよみがえらせた。そして、わたしたちは皆その証人なのである。(使徒2:32)



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