ネイバーニュースの検索で調べた限り、日本社会に比べ、韓国社会の方が、微妙に
ベトナム文化に関する造詣が深いと言えそうだ。
特に、ベトナムが、漢字を使う国であることを知っている人の存在は、日本社会よりも
多いと見てよい。
例えば、まずベトナムの漢字による表記である「越南」についてである。
(ベトナムの漢字による表記は「共和社会主義越南」)
越南をベトナム語読みした「베트남(ベトゥナム)」に比べると、圧倒的に少ない
ものの、越南の韓国語読みである「월남(ウォルラム)」も無視できないくらいの頻度で
使用されていることが確認できる。
大ざっぱな話で言えば、ベトゥナムと越南の登場頻度の比率はベトゥナム100に
対し越南が3.8。
次にホーチミンの表記に関してだ。
ベトナム建国の父として都市名にもなっているホーチミンについては、ごく少数とは
言え、漢字(胡志明)が併記されていたり、胡志明の韓国語読みである「호지명」
(ホチミョン)の表記が使用されている例が確認できる。
もちろん、最近の流れは現地音尊重なので、圧倒的に多いのは、호치민(ホーチミン)
や호찌민(ホッチミン)だ。
それでも、ホーチミンの漢字表記や韓国式漢字音による表記がゼロでないことの
意味は、それなりにあると考えてよい。
特に日本との比較において言えば、通常、日本のメディアがホーチミンを漢字表記
したり、ホーチミンの日本式漢字音(こしめい)を使うことは、まず100%あり得ない
からだ。
最後に、ベトナムの首都ハノイの漢字表記が「河内」であることに触れた記事も、
ネイバーニュースの検索では、ごくごく少数ひっかかる。
なお、「河内」の韓国語読みは「하내(ハネ)」。
これを日本のメディアと比較することは難しいが、例えば、Googleのニュース検索
機能を使い、実際に「ハノイ(河内)」を検索にかけた印象で言えば、やはり、
ハノイと漢字を結びつける発想は、日本の報道メディアには、ほぼない、とは
言えそうだ。
ちなみに、ハノイの旧称は「トンキン」。漢字で書けば「東京」。日本の「東京」の
大先輩だ。
(終わり)
■[사진] 입춘대길(立春大吉)
[フォト] 立春大吉
(中央日報 2月3日)
입춘(立春)을 이틀 앞둔 2일 부산 해운대구 중1동 주민자치회는
해운대구청 광장에서 입춘대길(立春大吉)·건양다경(建陽多慶)
등 입춘방을 시민들에게 무료로 나눠줬다.
立春を2日後にひかえた2日、プサン市海雲台区中1洞の住民自治会が、
海雲台区役所広場で「立春大吉」、「建陽多慶」などの漢字が書かれた
お札(「立春榜」)を市民に無料で配布している。
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中国の24節季は実によくできている。
立春を翌日に控えた2月3日(節分)の今日、「ヲタク」の暮らす北部
九州は、まさに春の訪れを告げるような陽気に包まれた。
△プサン影島病院で無料配布される立春のお札(ニューシス)
それにしても、韓国と日本、ついでに言えばベトナム(越南)を
加えた中国周辺の3か国における中国文化の受容と根付き方の違いは、
そのまま3か国の文化の個性の違いとして現れており、非常に興味深い。
中国文字(漢字)と中国文字からつくったひらがな・カタカナを
自国語の表記法として、当たり前のように使っている日本。
漢字語を多用する自国語の表記法をローマ字主体に切り替え、表面上、
中国文字を使わなくなった越南(Việt Nam=ベトナム)。
同じく、漢字語(特に近代日本的な漢字使用法)を多用する自国語の
表記法を、パスパ文字を参考に創出したと考えられる民族文字(ハングル)
主体に切り替え、表面上、中国文字を使わなくなった韓国。
さらに言えば、韓国(かんこく)のことはハングクと呼ばずに韓国と
呼んでいるのに、ベトナムについては、交流の少なさ故か、同じく漢字
文化圏に属する国であるにもかかわらず、越南(えつなん)とは呼ばずに
ベトナムと呼ぶ日本・・・。
「ヲタク」は、日本のことを知るためにも、もっともっと韓国や中国、
そしてベトナムについて学びたいと考えている。
(終わり)