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しきしま(PHL31)しきしま型巡視船

2016-11-15 08:45:56 | 艦艇(自衛隊・保安庁・その他)

しきしま(PHL31)は、しきしま型巡視船(英語: Shikishima-class patrol vessels)で、海上保安庁が保有する最大の巡視船である。その大きさは海上自衛隊のイージス艦こんごう型護衛艦にも迫るサイズで、はたかぜ型護衛艦とほぼ同じである。公称船型はヘリコプター2機搭載型。船名は日本全体の美称に由来する。ネームシップの「しきしま」は敷島型戦艦「敷島」に続き日本の艦船としては二代目。

しきしまは、1992年に予定されていたイギリス・フランスから日本までのプルトニウム運搬船護衛用として1990年度予算で開発された。
しきしまの開発自体は比較的スムーズであったが、開発前に護衛に海上保安庁の巡視船を使用すべきか、海上自衛隊の護衛艦を使用すべきかで議論となった。
当初から、国内の政治情勢や法的な問題から護衛船には海上保安庁の巡視船使用が予定されていたが、一部の議員[誰?]や世論から巡視船では攻撃力不足であるため、万が一のことを考えて海上自衛隊の護衛艦を使用するべきという意見が出てきた。巡視船が理想か、護衛艦が理想かはマスメディアでも騒がれ、更に日本国内だけにとどまらずアメリカなどでも話題となったが、最終的にはアメリカ軍から偵察衛星による航海の安全を守るための情報支援が得られることになったことと、巡視船で対応出来ない攻撃を受ける事態は想定されないとされ、総理大臣も護衛艦の使用は検討していないと明言したため、予定通り巡視船を新規で開発し、それを使用することとなった。
1992年に護衛任務を行う予定であったため、しきしまの建造は急ピッチで進められ、1992年4月18日に就役した。2009年6月18日の国会質疑によると、しきしまの建造費は約350億円。

ネームシップのしきしまは主にプルトニウム運搬船護衛用に建造された巡視船であり、他の巡視船とは異なる点が多い。プルトニウム運搬船は、その性質上テロリストに襲撃される可能性が他の船舶に比べきわめて高く、高純度のプルトニウムを略奪され核テロに使用された場合の被害も計り知れない。そのため、護衛用の艦船には根本的に襲撃される危険性を下げるために、途中どこにも寄港しない長い航続距離と、万が一襲撃された際にもプルトニウム運搬船を守れるだけの高い攻撃能力が必要とされた。

しきしま型の航続距離は20,000海里以上と非常に長く、ヨーロッパから日本までオーストラリア南部回りで寄港無しで航海することが出来る。船体が非常に大型で、構造も海上保安庁所属の巡視船では唯一の軍艦構造で多数の水密区画に分けられており、携帯用のミサイルやロケット砲(RPG-7等)で攻撃を受けても即座には航行能力や戦闘能力を失わないようになっている。

しきしまの兵装は35mm連装機銃2基(陸上自衛隊の87式自走高射機関砲の搭載システムと同系機)と高性能20mm機銃2基(九州南西海域工作船事件で活躍したJM61-RFS Mk.2の原型機)を装備する。当時の巡視船としては強力な兵装であったが、これでも軍艦に比べて武装が軽すぎるという批判があった。
あきつしまでは、35mm連装機銃を高速高機能大型巡視船と同型のボフォースMk.3 40mm単装機銃に強化し、射撃指揮装置が導入されている。また、高性能20mm機銃のマウントが船橋と一体になっており、船橋が大型化している。
しきしまは巡視船では唯一、海上自衛隊のはつゆき型護衛艦などでも現役で使用されているOPS-14二次元対空レーダーも備えている。レーダーによる優れた索敵能力、赤外線センサーのRFS射撃指揮装置による精密射撃能力を備えており、全天候型の対テロ戦闘能力を具備している。あきつしまはプルトニウム輸送を考慮しなくなったことで、軍用のOPS-14レーダーは搭載していない。

大型のAS332ヘリコプター、あきつしまでは、その発展型のユーロコプター EC 225を2機搭載しており、それにより輸送及び周辺海域の哨戒を行なうことが出来る。しきしま所属のヘリは武装こそないものの、操縦席が防弾仕様になっている。また、格納庫の両舷に放水銃を装備している。

しきしま型は襲撃されても戦えるだけの武装を有しているが、国内法により海賊船・テロ容疑船舶に対して先制攻撃することが厳しく制限されていることから、漁船を偽装した不審船や海賊船の急襲を受けた場合、大きな損害を受ける恐れがある。これに備えて、襲撃に対する備えが徹底されている。まず、襲撃される可能性を最小限にするため、プルトニウム運搬船護衛任務の場合、途中寄港することはなく、細かい航路や日程は一切機密である。また、万が一襲撃され、敵が内部に乗り込んできた場合でも船をシージャックされることがないよう、内部構造は国会議員と乗組員以外には完全に非公開で、内部構造を把握されることを防いでいる。さらに、しきしまが就役した当初は、総トン数と全長以外の性能諸元は一切発表されなかった(現在は幾つかのデータが公表されている)。
更には、小銃などで武装している特別警備隊を乗船させて不測の事態に備え、他国のスパイが乗員に接触して内部構造の情報を漏洩されることを防ぐため、本級の乗員の名前は、船長ら数名の主要乗組員を除いては海上保安庁職員名簿にも掲載されず、人事異動のリストにも掲載されない。

しきしまは、就役直後の1992年11月に最初にして最後の護衛任務を行った。護衛任務を実施した際、フランスでプルトニウムを受領した直後にグリーンピースの漁船から抗議と称する体当たり攻撃を受けて軽微な損傷を受けたが、任務遂行に支障はなかった。それ以降の輸送は、英国原子力公社警察隊の武装保安員がパシフィック社の輸送船に警乗して実施されたため、しきしまは護衛任務に就かなかった。
護衛任務から外れてからは、航行性を生かして、中国や台湾との緊張が強まっている尖閣諸島や沖ノ鳥島の周辺海域を定期的に巡回して、警戒・監視活動を行っている。また、日本の治安機関を代表して東南アジア諸国に毎年のように赴き、シンガポールやインドネシアなどと合同での海賊対策訓練などを行なっている。
2015年(平成27年)4月には、天皇皇后夫妻のパラオ訪問にあきつしまが宿泊施設として用いられると発表された。パラオ国際空港と訪問先のペリリュー島が離れすぎることや、移動にヘリコプターが用いることによる選定で、天皇の外国訪問に巡視船が使われるのは初めてのことである。これに合わせて、あきつしまには船内設備のバリアフリー化や、温水洗浄便座の設置などの小改装が行われた。

性能諸元
総トン数 7,175トン
排水量 基準:6,500トン
満載:9,350トン
全長 150.0 メートル (492.1 ft)
全幅 16.5メートル (54 ft)
吃水 7.0メートル (23.0 ft)
深さ 9.0メートル (29.5 ft)
機関 IHI-SEMT 16PC2-5 V400
ディーゼルエンジン 2基
スクリュープロペラ 2軸
機関出力 20,800馬力
速力 25 ノット (46 km/h)
航続距離 20,000海里 (18ノット巡航時)
乗員 110名+航空要員30名[1]
兵装 エリコン 35mm連装機銃
(PLH-31) 2基
ボフォースMk.3 40mm単装機銃
(PLH-32)
JM61-RFS 20mm機銃 2基
搭載機 AS.332L1ヘリコプター 2機
EC.225LPヘリコプター
GFCS 40mm機銃用FCS ※PLH-32のみ
20mm機銃用RFS
レーダー OPS-14 対空捜索用
※PLH-31のみ 1基
JMA-8303 対水上捜索用 1基
JMA-3000 ヘリコプター誘導用 1基
JMS-1596 航海用 1基

 


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