陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

神無月の勇者・大神ソウマの秘め力(一)

2017-11-26 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空
神無月の巫女キャラクター考察シリーズを復活します。
復活したといいましても、全キャラ扱うわけではないのですが。
ちなみに第一回は姫宮千歌音、第二回は来栖川姫子、そして第三回めは早乙女真琴でした。あれ、大神ソウマがあったのでは? たしかにありましたが、おふざけ回(蒼天の勇者・大神ソウマの尽力)でしたので、いまいちど、おまじめに考察してみようかと。

姫子と千歌音、という居並ぶ百合作品史上最強のカップリングこそが「神無月の巫女」の代名詞。このふたりのドラマこそが核心。たしかに一面そうなのですが、実はこの作品は、第三の主人公である大神ソウマのドラマという側面も持っています。

ネット界ではしばしば、大神ソウマは「アニメ史上もっとも不幸な人物」という批評を耳にします。ほんとうにそうなのだろうか、というのが今回の疑義。ご意見いろいろあるかと思いますが、まずは私論にて。

大神ソウマが可哀想論の背景にあるのは、彼が好きな女の子を命がけで守り切ったのに、実の兄を裏切ってまでそうしたのに、まったくその行為が報われなかったことですね。自分が好意を寄せた女の子が自分になびいてくれない、もしくは一度は恋仲になりかけたのに離れてしまう。プレイボーイ男子だったらさっさと次のターゲットを探すでしょうが、ソウマくんのような純情男子の場合、たしかに御愁傷様です。一歩間違ったらストーカー化してもおかしくないくらいです。そして、百合好きさんがたからは、その存在すらジャマだとも言われてしまうくらいです。正直、彼なかりせば、この名作はストーリーとして成立しないのですが、えらく酷い言われようです。実際、主役の姫子と千歌音が泣かせる立場担当なので、彼は一生懸命ながらもそれが空回りしてしまうところが、妙に笑いを誘ってしまうような、ひじょうに損な役どころでした。

しかし、私はDVDを観なおすたびに思うのです。
本作アニメ中でいちばん美しく描かれているのは、やはり大神ソウマこの人ではないだろうか、と。姫宮千歌音のアップ顔もずいぶんと美麗に、丹念に描きこまれているのですが、たまに作画によって崩れたものもあります。ところが、ソウマくんのそれにはほとんど崩れが見当たらないのです。これは作画監督の藤井まきさんが美少年作画がお得意ということもあるのでしょうが。よく女性漫画家の描く作品ですと、ヒロインの顔がいまいち(というか中性的)なのに、男子がやたらと美形すぎるか、理想的なマッチョか、ということがありますよね。『神無月の巫女原画集』にも記されていたように、やはり彼が作中人物のうちではかなりのことスタッフに愛されていたキャラクターであることがわかります。

作中、どのような手ひどい扱いを受けようとも、報われない結果が待っていようとも、いかほど愚かに描かれてはいても、やはり創作者に愛された人物というのは、なんとなく爽やかで気持ちのいい手応えを残すものです。(ちなみに原画集によれば、「仮面ライダーソウマ」などと徒名がつき親しまれていたらしい。いっぽう真主人公である来栖川姫子は脚本家の植竹氏いわく、なにをやっても残念な子のお墨付きらしい…。)


神無月の勇者・大神ソウマの秘め力(目次)
神無月の巫女考察シリーズ第三弾。絶対にやってはいけない(?)大神ソウマの視点から、アニメを解釈してみよう!

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