陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

SNSには魔物が棲んでいる

2017-11-12 | 芸術・文化・趣味・歴史
17世紀フランスの哲学者ブレーズ・パスカルは、こんな言葉を残しています。
「すべてのことは知ることができない。だから、すべてのことを少しずつ知ることだ」。「人間は考える葦である」というフレーズで有名なこの思想家は、大航海時代や市民革命の萌芽が見られた時代を生きています。キリスト教に根差す価値観が覆されんとし、科学が発達し人間の万能さが拡大しつつあったそのとき、彼が人間理性について疑問符を投げかけたのは哲学者として当然といえましょう。

はい。ここから毒舌スタートです。
覚悟はよろしいですか? 日曜日に嫌な気分になりたくない方は避けてくださいね。

ネットをつかっていると、自分が体験したことのない出来事や知識、いろいろな嗜好を知ることができます。e-ラーニングでのスキルアップも流行っていますし、総務省が推奨する教育クラウド・プラットフォームも整備されています。ITに疎い私からすると信じられない事態です。それほど、生活の中にネットがあたりまえのように存在し、情報の格差が生まれています。しかし、多くを知ること、たくさんの情報を集めていることは、「人間を賢く、知性的にする」のでしょうか?

2009年から2015年ごろまで、わりと熱心にツイッターをやっていました。
現在、アカウントを持っていますが精力的でないのは、仕事の勉強や資格取得の時間管理に支障が出はじめためです。いまは、気になるニュースや購入したい本のチェックリストとして使用し、交流には使っていません。ツイッターで営業するような業種でもないですし。

自分が使用していて身に沁みたのは、ツイッターには中毒性があります。
他のフォロワーの日常呟きが目に付くので、いろいろ考えてしまって、頭の中に得体のしれない他人が棲んでいるような気分になります。自分の家にいるけれど、しょっちゅう、よそのお宅の私生活が丸見え丸聞こえって、気持ち悪くありませんか? 

恥ずかしながら、私は趣味でブログ上だけの二次創作をやっています。
二次創作者のなかには、ピクシブやツイッターでの交流や評価にうんざりして疲れてしまい、昔ながらのファンサイトが良かったとこぼす人もいるらしいです。ブログでもコメント交流が煩わしいので閉鎖したという方もいますよね。評価なんてどうでもいいので、ひたすら、載せるだけ。嫌な人は逃げてね、スタイル。気楽です、とても。私からしたら、この絵はすごくいいのに、なんで評価されないんだろう、と不思議に思うことがありますから。もちろん、他者から評価されることをモチベーションアップにするという方針を否定するつもりはありません。SNSで話題にしてくれたおかげで、原作物の販促になっているケースもありますから。でも、評価を貰うことだけが先行して、日常に支障をきたしていては本末転倒です。10代、20代の時間は貴重です。

先月、ショッキングな事件がありましたよね。
被害者はほとんどが十代から二十代の若い女性。一人だけ恋人を探して殺された青年。加害者も三十歳近い無職の男。お金に困って強盗目的で女性を誘い出し、最後には殺人自体が快楽になってしまったという。肝が冷える事件です。彼らは生まれながらに、ネットが身近にあり、そして学校でもパソコンになじんだ世代。

共通趣味装い中高生接近=「SNSの友人」態度一変―絶えぬ被害、専門家警鐘・座間(gooニュース 2017年11月11日)


この加害者は被害者たちの趣味の理解者を装い、友人となって近づき、犯行に及んでいます。
亡くなった方のなかには、アニメや漫画が好きという女の子もいました。私はブログで特殊なアニメについて語っていますけれど、たまに恐ろしくなることがあります。「百合アニメが好きな女性」を装っている男性、もしくはモラルの低い女性が相手だったら…と。

あなたの趣味・嗜好を理解してくれる人=いい人とは限らないですよね。
それはただ話題をリサーチして、おもしろい情報を示してくれたり、お話に付き合ってくれたりしただけ。うんうんと頷き、悩めるあなたを突き放さない。仕入れた情報を右から左に流すだけの簡単なお仕事です。この男はオンナ心をくすぐるのがうまい、一見マメなタイプですね。歌舞伎町で働いていたからでしょう。典型的な詐欺師のやり口です。女なんてちょろいもんでしょ、と思っている。

何年か前ですが、50歳近くの男がアニメ好きを餌に、女子児童を監禁した事件がありましたよね。
世間を知らないと、ちょっと優しい感じのよさそうなおじさん、おばさんは、とてもいい人に見えますよね。でも、そこでちょっと警戒してほしいのです。なぜ、そのおじさんやおばさんは若い子を相手にしかしないのだろう、か…と。JKビジネスやアイドル声優にかまける人もそうですが、自分の言いなりになる相手、極端に年の差がある相手をものにしようとする人は、同世代のまともな人間に相手にされないからです。ある女性漫画家が女性専属の風俗にいったルポ本が話題になっていましたけれど、なんでカネで買われた風俗嬢に友だちや恋人みたいな親近感を抱くんでしょうか? コミュニケーションを性的快楽で済まそうとする、自己の内的感情の満足度だけを追求する思考回路の持ち主は、労働に対する価値観がゆがんでいて、その生活能力にかなり問題があります。あなたがまともな社会人になりたければ、異性同性問わず、絶対に近づかない方がいいです。そういう人の本を読んで、自分もこの人みたいに楽をして稼いで生きてみたいと願ってはいけません。一生涯、自分の恥部を晒し続けながら、他人から見下されて生きていくことになります。そして、行き着く先は、太宰治の『斜陽』に出てくる放蕩息子のような末路です。

私はあるマイナー作品の愛好者ですけれど、けっして、あなたがたにとって優しいことは言いません。あなたに辛口のこと、耳に痛い小うるさいことを言ってくる家族や先生は、あなたの身を案じてそう言っていることもあるんです。高校時代の美術や国語の先生にほめられて道を間違ったばかりに、まともな会社員になれずに、遊んでいる大人はいっぱいいますよね。あなたに厳しいことをいう大人も、大切にしてくださいね。なぜ、相手がそんな批判をするのだろうか、という背景を考える癖をつけましょう。

ツイッターでたまに好きな作品を語り合ったり、オススメを推薦しあったりしていて、ほほ笑ましいけれど、なかには小学生らしき子がいてびっくりします。深夜アニメなのに、なんで知っているの?!って、ぎょっとします。ということは、オトナが読むような艶っぽいサイトなんかも平気で覗いて、けっこう際どい発言していたりする。誰もそれを咎めない。日本の青少年の倫理観、だいじょうぶか、と言いたくなります。子どもだけじゃなくて、いい大人(私も含めて(笑))もそうなんですが…。

若い皆さん(とくに女性)に言いたいです。
ツイッターなどでふだんから頻繁に話しかけてくるような人は、(あきらかに有名人である場合を除き)、おそらくろくな仕事をしていません。会社経営者とか自由業で時間を持て余してSNSに入り浸っている人はいますが、本業をおろそかにしていますし、だいたい一般人にうかつに話しかけないんじゃないでしょうか。

人間はおそろしいもので、残酷な映画や漫画などを見続けて麻痺してくると、恐怖を感じなくなるんですね。話題になったアニメや漫画などを見ると、なぜか女子高生や女子中学生(もしくは少年)が平気で飛び降りたり、性被害に遭ったり、惨殺されたりするシーンがあるんですけれど、あれを描いている男性(もしくは女性)がなぜそんなシーンを描くか考えたことありますか? 音楽とか、演劇とか、アニメとか、小説とか、とにかく非現実的な世界に行けるような趣味が好きな人間が、いったい、どういうタイプか考えたことありますか? それが、SNSで話題になって「首チョンパ!」とか笑われていますけれど、自分の首が晒されたらどうなるかって、想像したことありますか? 想像したら怖いでしょ。

ネット上の向こう側にいる優しい人がどんな人なのか、想像してみることは、ネットを正しく使う上で大事なことです。ネット上で承認欲求を満たすのはやめましょう。ツイッターでいいね!欲しさに絵を描くよりも、その絵の腕前をどう活かすかを考えて、もっと戦略を練った方がいいです。他人をポチ押し応援していいことした気分になっているよりも、朝早起きして家の周りを掃除したり、ジョギングして近所の人とあいさつしたりしたほうが、よほど気持ちがいいです。そうではありませんか? 

いいね!というボタンを押すのは、とてもレヴェルの低いコミュニケーションスキルです。頭使わなくていいですよね? 毒舌家なので、ほとんどもらったことありませんが、もしもらっていたら増長してSNS沼から抜け出せなくなっていたでしょうね。 余談ですけれど、私はツイッターでいいね!ボタンを押すときは、あなたの考え素敵だね、という意味ではほとんど押していません。大絶賛、そうそう!もありますが、「へぇ、そうなんだ」「はぁ…?」「デッサン狂ってるけど、ま、ピン止めしとくか」程度の意味です。すごい、えげつないでしょ。私も自分のブログの相当うざい記事に対して、そう思ってますから。

でも、これってね、オトナの会話じゃあたりまえのことなんですよ。
相手を否定しないように、事を荒立てない様にしているだけ。相手さんの意見を「受けとめる」のと「受け入れる」のは違いますよね? でも、SNSに浸り過ぎると距離感を忘れてしまいがちになりますよね。相手が言葉で語ったことを字義通りにうけとって、相手がどんな顔つきやニュアンスで言ったのかわからないんです。年季の入ったビジネスマンには、こんな下級の会話術では通用しません。

子どもにリスクマネジメントを説くのは難しいです。
自動車が行き交っている道路を平気で渡ろうとする子、いますよね。自分がまさか轢かれるなんて思っていなんです。そんな向こう見ずな勇気はいりません。ネット界でもそうです。SNSには魔物が棲んでいる。知らない相手でもそうですし、知っている友人でも、たとえ家族でも本性がむき出しになります。LINEでしか話ができない夫婦がいるらしいけれど、会話術が退化しているんでしょう。

ネットって、見られているという自覚がありませんから、人間の醜さやえげつなさが満載のところなんです。スマホやPCを覗いているときの顔、鏡で見てみたらわかります。最近、愛想のない人多いですけれど、たぶん、ネットのやり過ぎで感情が渇いてしまったんです。

もういちど、いいますね。
10代、20代の時間は貴重です。若い頃に出会った人物によって、未来が変わることはありえます。あなたの人生を変えたかったら、あなた自身が考え方を変えて、付き合う人を変えてしまわねばなりません。あなたの周りにいる人は、あなたの人生を豊かにしてくれる人ですか? あなたは他人の地位や財産めあてに近づいて、自分が努力せずになにかを得られると勘違いしていませんか? あなたの心がまえが良くなければ、あなたを引き上げてくれるひとは目の前には現れません。

私は家庭が困窮していましたが、10代に出会った恩師、20代に助けていただいた企業家、それからのちの多くの方によって、いまの自分が成り立っていると思っています。趣味語りの作品の原作者の方も、私の恩人といってもいい。けれど、出会った人の考えのすべてがすべて正しいとは限りません。大衆作家として名を成した吉川英治は、「われ以外みなわが師」という名言を残しています。人生のいいことも、悪いことも、他人から学べばいいのです。

繰り返して言いますね。
ネット上で顔も知らない相手を信用するのは、ほどほどにしましょう。これからの未来ある若い皆さん、ネット上で自己肯定感を高めるのはやめましょう。さもないと、思いだにしない絶望の世界へ連れていかれます。


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趣味なんだから、睡眠時間削ったり、健康害してまでする必要はありませんよね…。


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