陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「美少女戦士セーラームーン Crystal」最終回

2015-11-12 | テレビドラマ・アニメ
去年もそうだったような気がするけど、今年も台風の当たり年なのか。
梅雨明けになったのかならないのか知らない間に、豪雨だったり、曇って蒸し暑かったり、かと思えば晴れているが強風だったり。とりあえず、避難させた鉢植えたちは動かせそうにありません。人的な被害が身近にはなくて、なにより。

さて、こちらもひさびさのレビューですね。
アニメ「美少女戦士セーラームーン Crystal」、すでに第二期のブラックムーン編に突入してましたが、このたび、最終回を迎えました。ちなみに「Crystal」は今年の四月から地上波放映中らしいです。

はじまったのが昨年の七月ですので、ちょうど一年。
原作に忠実な筋書きなのだけど、遊びがなさすぎたというか、どうも旧作のおちゃらけ演出を知っている年代からすると、比較してしまいますよね。原作の透明感のある繊細な絵柄も、アニメに起こしてみると、なにかこう、濃ゆすぎる顔になるというか。中学生のうさぎたちや、小学生のちびうさの、リップ塗ってるような顔って、妙になまめかして…。作画スタッフの調整がよくなかったのか、動きが止まっているようなシーンもありましたね。

いろいろ言い出したら切りがないですけど、とくに第二期は、セーラー戦士がのっけから誘拐されて退場していったので、見せ場がなかったのが辛いかも。あと、またしても洗脳されてるタキ様とか、しかも親子で捕まってるとか。旧版だと、敵側の幹部たちのキャラクターもおもしろかったんですよね。妖かしの四姉妹とか、改心しちゃって味方になるし。

ひとつ、今回のアニメ化で成果があったことといったら、三石琴乃さんが、ダークキングダム編の最終回を演じられたことですよね。旧版では急病のため、主役が臨時降板されてしまって、しかもそのときの代役が、のちのちびうさを演じる、という奇遇な巡り合わせ。声に違和感がなかったわけではないですが、三石セーラームーンの再生には感慨深いものがありましたね。

最後の画面のフランス語「à bientôt」が気になりますね。おしまいって意味なのか、また今度、って匂わせてるのか、どっちなんだろう。全26話と決定されていたので、これ以上はやらないんでしょうが。
三期のデスバスターズ編は、個人的には観たくない派ですね。原作だと、天王星の人(今でいうなら、トランスジェンダーだったんだろうけど)、女装(?)してて雰囲気が違いますし。あの二人のコンビは、アニメのほうで伝説的につくりこまれ過ぎた感がありますし。声優も変わったら惜しいと思うので。

…と思ってたんですが。
第三期どころか、第五期までしっかり映像化が予定されているそうな(ウィキペディア情報)。


それと毎回気になっていたけれど、ももいろクローバーZの歌うOP。
「女の子にも譲れぬ矜持がある それは王子様に運命投げず自ら戦う意思」というフレーズ。少女革命ウテナの受け売りなのかもしれないけれど、最近、このテの闘争的なフェミニズムっぽい台詞を聞くと、なぜか萎えるんですよね。アタシたちが活躍するためには邪魔だてするオトコなんて要らないのよ!って言ってる女性、もしくは、それをいいことに、オンナが頑張ればいいじゃん、オトコのほうが護られたいよ、と思ってる情けない男性の本音とが混じりあってるような気がして。

なんか、最近の、戦ってるのが女の子だらけなアニメの走りだったのがこの作品なのですが、これを子どもの頃に観ていた世代の現状を眺めると、素直に喜べなくなってきてるんですよね。アニメに出てくる十代のしっかりした女の子、あれはあくまで幻像。やっぱり、男も女もバランスよく見せ場があって、それなりに助けあって、活躍するお話がいいなあと思った次第。


(2015年7月19日)

【美少女戦士セーラームーンシリーズ レヴュー一覧】

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