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メルボルンカップ回顧

2006-11-08 00:57:01 | 大レース回顧集

1861年にスタート。オーストラリア国内においては、「The Race That Stop a Nation」(国の活動を止めてしまうレース)と言われ、このレースのために祝日となってしまうくらい、数多ある豪州G1レースの中でも歴史と権威を誇り、そして国民的行事であるメルボルンカップ

南半球最大のレースに日本から、2・デルタブルースと12・ポップロックの2頭が参戦して行われた。

1番人気は、前走のコウフィールドカップ及び、前々走のザ・メトロポリタンとG1を連覇している4・トウキートと、コウフィールドカップで不利を受けて途中レースにならなかったと見られたポップロックが並ぶ(6.0倍)。

しかし今年はアイルランドから「未完の大器」と目される馬が出走。

エイダン・オブライエン&キーレン・ファロンのコンビで挑む1・イエーツが登場。今年はアスコットゴールドカップを勝ち、その後はこのレース一本にほとんど照準を合わせてきた。僅差の3番人気(6.5倍)。

だが、2年前の菊花賞馬で、コウフィールドカップも3着に入ったデルタブルースは意外と人気薄(18倍)。しかしそのデルタブルースがスタートから先頭に踊り出るというレースで始まった。

1周目のホームスタンド前ではどの馬も前に出たがらないような形となり、押し出されるようにして17・ザビートが先頭。デルタブルースは2番手に落ち着き、イエーツも早めの3~4番手。ポップロックは中団よりもやや後ろ。トウキートは後方か。

流れは淡々と進み、2周目の3角あたりまではあまり隊列に変動はなかったが、3角でイエーツが勝負に出て前2頭を交わして先頭に。デルタブルースはすかさずマークをイエーツに付け替え、4角ではイエーツに並びかける。

直線に入ってデルタはイエーツを交わしてついに先頭。そして、満を持して直線勝負にかけていたポップロックが23・メイビースターと、13・ズイッピングを直線半ばで交わしてデルタを追撃。最後は2頭のきわどい勝負となったがわずかにデルタがポップを頭差退け、アジア勢として初の同レース優勝を果たした。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2006/11/08/01.html

思い起こせば2年前の菊花賞で、後に海外国際G1を制することになるハーツクライとコスモバルクを撃破して、当時はまだ兵庫の騎手だった岩田康誠に、地方所属騎手としては初のJRAクラシックレース勝利をもたらしたデルタブルース。

菊花賞におけるレース振りが鮮烈だったことから以後も期待されたが、大型馬なゆえに馬体減りしにくい体質が災いして末を欠くレースが目立ち、また、本来ならば得意とすべき距離であるはずの有馬記念や春の天皇賞でも惨敗が相次いだ。

そして、春の天皇賞の惨敗を受けて、秋にはこの馬が得意とする長距離レースが国内ではないことから豪州遠征を決意。最大の目標を今回のメルボルンカップに置いた。

豪州緒戦のコウフィールドカップはトップハンデを背負いながらも僅差の3着。しかしながら今回は同じ日本調教馬のポップロックには期待が集まったものの、逆にコウフィールドカップにおけるメンバーで勝ちきれなかったと判断されたデルタブルースは低評価に甘んじる形となった。

しかし今回はスタートからポンと飛び出して先頭を伺うという気合いの入ったレースぶりで終始レースをコントロール。そして、イエーツを逆に誘い出すようなレースを行い、イエーツに行き足がなくなった時点で一気に交わして先頭に立ち、そのまま押し切った。

前回はロウィラ騎手だったが、今回は満を持して岩田騎手にバトンタッチ。そして岩田も落ち着いた鞍上ぶりを見せ勝利に導いた。

確かに実力的には、欧州のG1レースと比較すると幾分落ちるようにも感じられるが、何せこのレースは地元豪州勢が圧倒的に強く、過去に欧州勢もことごとく蹴散らされたという、外国勢にとっては「難攻不落」のメルボルンカップを制覇したということは快挙といっていいし、また賞賛されるべきものであろう。

ポップロックも、デルタブルースをきわどく追い詰めての2着だからほとんど勝ったも同然のレース。しかし今回はデルタの出来があまりにもよすぎた。

しかしながらこの馬は国内でもまだ2回しか重賞を走っていないし(内一回は目黒記念勝ち)、それでいて国際G1のこのレースにおいて人気を背負うところまで成長したというのは、今後も非常に楽しみ。当然陣営は、来年のメルボルンカップを見据えていることだろう。

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4 コメント

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日本の長距離GⅠは守るべき (江戸川事件)
2006-11-08 02:00:57
欧州の3000米以上のレース、例えばアスコットゴールドCとかは、完全に選手権距離(2400米)に出走する馬とは、カテゴリーが違いますよね。
対して、メルボルンCはそうではないように思います。前哨戦ともいえるコーフィールドCが2400ですし。どちらかといえば、日本の天皇賞(春)や菊花賞に近いと感じます。
菊花賞・天皇賞(春)距離短縮論者に、一石を投じる結果になったといえるでしょう。
長距離王国 (Bank of Dream)
2006-11-08 10:35:47
豪州にはメルボルンカップの他に、コックスプレートという2000Mで行われる大きなレースがあるんですが、ステータスからいえばメルボルンカップのほうが上ですね。

私は春の天皇賞は2400Mに短縮すべきとの考え(菊花賞はクラシックレースにつき、3000Mのまま)なんですが、逆に阪神大賞典あたりをG1に格上げしてやってもいいような気がします。

というか、日本の競馬って、マイル戦が多すぎて、本来ならば一番面白いとされる中長距離のG1レースが少ないように思います。

まぁ、G1レースが多すぎるという話が出ている中でまたG1レースか、という話も出てくるでしょうが、少なくとも長距離のG1レースは必要です。

必要なレースはどんどん格上げしてやるべきだと思いますね。
ディープの事件を払拭… (A.Inaba)
2006-11-08 21:29:42
できるほどの快挙でしたね。

デルタブルースについては、ほぼ理想的な流れ・位置取りで、満を持して追い出した時には、後ろはもう手応えが無かった。
でもまさか追いかけてきたのが、ポップロックとは思いませんでした。

角居厩舎はどうしても調整が手緩いところがあるので、仕上がるのに時間が掛かって、肝心なところで結果が残せないレースが続いていましたが、これでひとまずは安心出来たのでは?

ただ、ディープ・ハーツには劣ると思っているので、有馬記念は厳しいと思います。春先で勝負付けはついたと思っているので。

ポップロックは来年も目指すべきでしょうね。
よく頑張りました (Bank of Dream)
2006-11-08 22:06:31
人気を背負ったトウキートが全く見せ場がなく、イエーツも直線に入ってからが案外の動きだったこともあったとはいえ、このメルボルンカップというレースを勝った馬は、豪州国内では「英雄扱い」ですから、それが日本馬ということだけでも賞賛されるべきもの。よく頑張ったと思います。

おっしゃるとおり、ディープやハーツ、さらにサムソンクラスの馬たちには分が悪いでしょうね。次を狙うんだったら、私は香港ヴァーズ(香港国際レース)がいいと思うんですが。

ポップロックはまだオープンクラスとそんなに対戦経験がないということはまだそれほど底を見せていないと思います。

とはいっても、春の天皇賞となるとサムソン、ドリームら、今年の強力3歳勢が控えているのでこちらも分が悪いでしょうね。

となると、この馬は春も海外G1を狙わせたほうがいいかも。ゴールドカップあたりを狙ってみて、あわよくばエリザベス女王から表彰を受けられるようならばなおのこと、「快挙」。

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