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つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

2004「風土と文化を読む」を分担執筆=環境と共生した真の豊かさの享受へ

2017年07月11日 | studywork

 2004年に、日本建築学会編・シリーズ地球環境建築・専門編 1「地域環境デザインと継承」が彰国社から出版された。
 地域環境を考慮した環境デザインと、まちづくり、コミュニティとの関わりを重視したデザイン、またそれを持続し、継承していくための手法、事例を紹介する内容で、
第I部 地域・自然・地域環境から学ぶ
 第1章 地球・自然のデザインから学ぶ
 第2章 都市・地域の環境を読む
 第3章 都市・地域の地球環境問題
第II部 環境のエコロジカルデザイン
 第4章 エコロジカルデザインの系譜
 第5章 都市と地域の自然環境デザイン
 第6章 都市の熱環境・エネルギーシステムデザイン
 第7章 都市のエコロジカルデザイン
 第8章 田園のエコロジカルデザイン
 第9章 エココミュニティのデザイン
第III部 継承のデザイン
 第10章 建築文化の継承
 第11章 まちづくりの継承
 第12章 次世代への継承
 第13章 環境教育と継承の方法 の構成である。

 私は第2章2.2「風土・文化を読む」を分担執筆した。
書き出しは、
 風土は、文字通りに読めば風と土である。風は、目に見えにくい環境状態を意味し、一般には日照、雨、風、暑い寒いなどの気候条件と考えればよく、土は、生活の展開する舞台に相当した環境条件の意味で、海沿い、平野、傾斜地などの地勢条件と考えればよい。それぞれの土地は、その土地に固有の気候条件と地勢条件が組み合わさり、ほかにはない固有の風土条件をつくりだしている。
 その土地に暮らす人々は、気候なり地勢なり、その土地の風土条件のもとで生活を堆積し、工夫と失敗を積み重ね、固有の生活スタイルを導いてきた。・・略・・ 風土条件の違いが生活スタイルを左右している。とりわけ自然と密接に結びついた生業を営む農山漁村では、風土条件と生活スタイルの関係はさらに直接的である。
 風土条件に適合した生活スタイルは、時代の発展に応じた改良を加えながらもその適合性のゆえに次代に伝承されていった。・・略・・ それは技術の発展や異文化交流の影響を受けながら改良が加えられ、より洗練された生活スタイルに発展し、次の時代へと伝承されていく。これが地域文化である。
 ・・略・・ ある生活スタイルはその土地に固有の地域文化として伝承されていく。地域文化はまさに風土によって生み出されたと言ってよい。つまり、風土は字義通りにはその土地に固有の環境条件をさすが、環境という様態にとどまらず、人々の積み重ねてきた文化をも内包したことばとして理解すべきである。和辻哲郎の「風土」はいまでも示唆に富んだ名著である。
・・本文・略・・
まとめは
 ・・いずれの事例からもうかがえることは、それぞれの土地ではその土地に固有の風土条件を的確に読み取り、その土地ならではの合理的な環境技術を構築しているということ、そのことが、環境と共生した豊かな生活を創出しているということである。そして、豊かな生活であるからこそ、環境技術と生活スタイルは地域文化として受け入れられ、次代に伝承されていくのである。都市は、その土地に固有の風土を切り捨て、代わりに機械の力によって発展を続けた。都市といえども、その土地に固有の風土を読みとり、合理的な環境技術を構築したうえで、機械の力と組み合わせるならば、環境と共生した真の豊かさを享受することができるはずである。その手本はまだ世界各地に健在である。

 関心のある方は「地域環境デザインと継承」を参照されたい。

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