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つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

アクロス福岡は13階分のひな壇状の屋上緑化で、天神中央公園に続く小山のようだ

2016年12月08日 | 旅行

2005 アクロス福岡 /2005.10

 福岡県庁舎の跡地活用として福岡県国際会館(仮称)コンペが行われ、1991年、第一生命グループの案が採用された。
 ACROSはasian crossroad over the sea Fukuoka の略で、国際・文化・情報の交流拠点として総合的な文化・情報の交流ネットワークを推進し、福岡県における文化の振興ならびに文化に関する情報の提供および交流の促進を図り、県民の文化の向上と地域社会の活性化に寄与することを目的にしている。

 福岡の繁華街といえば、中州・天神がよく知られている。中州はかつて福岡藩が福岡と博多をつなぐため那珂川に土砂を運び込んだ人工的な島で、明治時代には劇場や映画館が作られ、大正以降は盛り場として栄え、歓楽街として今日に至っている。

 アクロス福岡は中州の西、那珂川の支流となる薬院新川に面して建つ。北面は幹線道路の明治通りで(右写真、通りの下を地下鉄が通る、ホームページ参照)、こちら側は周辺の事務所建築にあわせたガラスカーテンウオールの壁面が立ち上がる。

 対して南面は薬院新川に沿った天神中央公園があり、公園に向かって段々に下るひな壇状の屋上緑化が施されている(下写真、天神中央公園から見た屋上緑化、ホームページ参照)。
 緑化には何種類もの木が所狭しと植え込まれていて、天神中央公園の平地から続く小さな山のようになり、居心地のよい自然緑地を作り出している。


 明治通りと天神中央公園をつなぐ南北軸は地下2階から最上階(13階)までのアトリウムとして開放空間をつくり出している(写真、ホームページ参照)。明治通り、天神中央公園のどちらからアクセスしてもこのアトリウムになるので、動線的にも明快である。

 しかし、ひな壇上の森のような屋上緑化は確かにヒートアイランド解決のための画期的な試みとしても評価されなければならないが、自由に散策できる通路と内部空間とは非常時以外は遮断されている。
 つまり、屋上緑化を楽しむためには、13階分を徒歩で上り下りしなくてはならない。日ごろの運動不足を補うためにせっせと13階分の階段を上ると、天神中央公園の素晴らしい風景が目に入る(写真、ホームページ参照)。設計者は感動を狙って13階分の屋上緑化をつくったのだろうか?。


 内部からみると、開口は小さく、屋上緑化が迫っているため、やや閉鎖的であり、屋上緑化を楽しむことができにくい。

 管理のためと思えるが、ところどころを内部とつなぎ、国際・文化・情報のために集まっている人やここで働く人の憩いの場として開放し、あわせてお年寄り、子ども、障害者でも屋上緑化に出て天神中央公園を眺めることができるようにし、開口部前の空きをもっととり、内部からも緑化が楽しめるような工夫があると、この試みがさらに市民に広く浸透したのではないだろうか。

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