
インドネシアといえば、「kopi Luwak(コピルワク、コピルアク)」。ジャコウネコの排泄物から取り出した、例の珍しいコーヒー豆です。
ジャカルタ市内の「Pasar Senen」、Senen市場を探索していた時、向かいのショッピングモール「Plaza Atrium」に立ち寄りました。市場の騒々しさに圧倒され少々疲れ気味だったのでどこかで一休みをしたいと思っていましたが、そんな時に目に入ったのが、「コピルワク」という文字。インドネシアに来たからには、入るしかありません。店内もちゃんとしたカフェ的な感じで、ディスプレイとして豆も飾ってあります。

席について、メニューを開きます。最初のページにコピルワクがありました。お店の名前がその名前になっているだけあります。値段は75000ルピア。日本円で750円ぐらいです。他のコーヒーもあり、たとえばトラジャが17500ルピア(175円)なのと比べると、やはり破格です。あまりに他のコーヒーと値段が違いすぎるため、躊躇しました。そこで改めてゆっくりメニューを見てみると、「コピルワクゴールドブレンド」というのがありました。これは18500ルピアで、手頃です。しかしブレンドなので、どのようなブレンドなのか気になります。再びメニューをよーく見ると、説明がありました。「コピルワク2%使用」。2%って…思わずため息が出そうになりました。
やはりここは本物を頼むしかありません。店員さんを呼んで、オーダーします。「satu kopi luwak」。すると店員さん、驚いて「コピルワクはこれで、この値段だけれどいい?」メニューを指して聞き返します。やはりコーヒー一杯の値段にしては破格なのです。

注文を終えて、ほっと一息。お店の中を見渡すと、おみやげ用のコピルワクもガラスケースに入って置いてありました。935000ルピア(9350円)。お店でも使われている高級そうなカップとコーヒーがセットになっているようですが、こちらは円感覚から言っても本当の破格です。お店の人にどうですか?と勧められましたが、さすがにこれには手が出ません。

再び席について、コーヒーが来るのを待ちます。そこで新たな心配が。さて、コピルワクをどうやって淹れるのでしょうか?
お店のカウンターの方を見てみてもエスプレッソマシンはありませんし、もちろんサイフォンやネルのような器具も見られません。それらは店の奥のキッチンにあるのかもしれませんが、何よりコーヒーの香りがあまりしないことが不安を大きくします。前回の「miko coffee」のこともあります。
ほどなくして店員さんが現れ、その謎は解決しました。店員さんのトレーには、カップとルワクと水筒が乗っています。これらを見たときにはますます頭の中が???になったのですが、すぐに納得。店員さんがその場で淹れてくれるのです。でも、「またインスタント!」と訝ったのですが、少しだけ違いました。少しだけ。

まず、袋に入っているルワクの粉をカップにあけます。次に例の水筒のお湯をカップに注ぎます。それをスプーンでかきまぜて、最後にカップにふたをして2分待ちます。店員さんもあまり淹れることがないのか、同封の説明の紙を見ながら作ってくれました。
これならエスプレッソマシンもサイフォンもいりません。器具を使う場合は、おいしく淹れられる代わりにある程度のスキルが必要です。このトルココーヒー式の淹れ方だと、お湯の量さえ間違えなければ誰でも確実に淹れられます。ある意味では品質を保つための適当なやり方です。品質という意味では、もう一つ。コピルワクの袋にはちゃんとシリアルナンバーまで入っていました。それをお客さんの前で開封するので、確実にコピルワクを淹れているという証明になります。

さて2分ぐらい経ってふたを開け、口に含みます。淹れ方が淹れ方なので、正直に言って期待は全然していませんでした。しかしその割にはおいしい。さすがにボディーはありませんが、アロマがきいていて、すっきり飲みやすい。薄いという感じもなく、日本人好みの味です。「あー、残念…」という感じはまったくありません。さらに飲み進めると、底には粉が沈殿しているため少しずつ味が濃くなっていきます。冷めてきても、弱いながらも香り、味がちゃんと残っており、最後まで楽しめました。

そもそもコピルワク自体がそれほど強いキャラクターがあるわけではないので、このトルココーヒー式ルワクも十分合格です。
このお店はチェーン店で他の高級ショッピングモールなどにも入っているようです。スーパーのコーヒーコーナーにもコピルワクはありました。ただし、純粋なコピルワクはとても高価で、やはり2%ブレンドのものは安価でした。日常的に飲むものではないでしょうが、さすがインドネシア!










