ふぶきの部屋

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スカーレットピンパーネル

2017-05-28 10:25:00 | 宝塚コラム

土曜日に見に行きました。

日比谷は宝塚ファンとジャニファンで大層な人出。ここにあの巨大なビルが出来たらもっと人が増えるのよねーー

道路は狭いからすごい事になりそうで。

 スカーレット・ピンパーネル 

やっぱり大劇場では紅ゆずるの体調があまりよくなかったんだなあと思います。

それというのも、紅の声の伸びが違う事と、フィナーレのダンスの1回リフトがちゃんとしてたという点が新しかったからです。

全体的に大劇場よりパワーアップしています。

「マダム・ギロチン」のパワーアップ度が半端なく、星組生一丸となって頑張ってます!みたいな感じがよく出ていました。

一言でいうと冒険活劇。大昔見たスポ根アニメのような出来栄えです。

わかりやすくて感情移入しやすいの。

「私がスカーレットピンパーネルだからだ!」のシーンでは思わず場内が割れんばかりの拍手で、ああ、これって時代劇などの見せ場によく似ているなあと思ってみてました。

つまりそういうノリなんだと思います。

 

例の「星組はダメでした~もう星はみません」ブログの人いわく、あんなのミュージカルじゃないっていう部分は共感しますね。

歌が全てのミュージカル作品において、たしかにみんな歌が下手だし。

でも、これを「宝塚歌劇」としてみたらどうでしょうか?

ミュージカルと宝塚歌劇というのはまた別物なんです。

私達、海外ミュージカルの上演に慣れていて、歌ありきの作品が全てと思いがちですが、宝塚歌劇というのは「芝居」重視です。

歌も大事だけど、そこに至るまでのセリフや感情に重点をおいているのです。

かつて雪組初演の完璧ウイーンミュージカル「エリザベート」を見た人は、星組の「エリザベート」は全然受け入れられないという人もいました。

「あれはミュージカルとして失敗だった」とすら言う人もいたと思います。

歴代エリザベートの中で、今でも星組版っていうのはかなり異端な存在に見えます。

雪組育ちの安蘭けいが演じた「スカーレット・ピンパーネル」はミュージカル作品としては完璧。まるで教科書のようでした。

次の月組も同じパターンでしたが、こちらは霧矢以外、大して歌える人がいなかったからある意味不完全?

で、今回の紅版に関しては、やっぱり星組伝統の「宝塚歌劇」として見るのが妥当ではないかと思います。

 宝塚歌劇というのは大衆演劇なのであり、高尚なミュージカルとは一線を画した存在です。

だからガラコンに麻路さきが出演しても立派なトート閣下になるわけですよね。

 

歌唱力が全てと言われたら、今の星組は太刀打ちできないものがあります。

しかしながら見ている私達が紅パーシーに思い切り感情移入して泣いたり笑ったりできればそれで成功ではないでしょうか?少なくとも初演ではそういう事なかったし。

 

大劇場と東京を通して、やっぱり一番泣けたのはルイ・シャルルと会うシーンです。

可愛いシャルルが「僕は殿下なんかじゃない」と膝をかかえてうずくまる。

それに対してパーシーが「殿下・・・おいたわしい」と声を詰まらせる。ここで私達はぐっと着てしまいます。紅は本当に泣いているんですね。

そして「ひとかけらの勇気」を教えるシーンが引き立つ事で2幕のマルグリットの歌がより鮮明になってくるのです。

思えばパーシー達はルイ・シャルルを救い出す為に活動しているわけで、過去の2作、そこらへんはあまり大事にされてなかったという印象が。

そしてもう一つ、ロベスピエールの凋落が描かれる「栄光の日々」

ギロチンの前に立っているロベスピエールが最初は理想に輝いた顔をしているのに、一瞬で絶望になり、やがてギロチンの後ろに消える・・・・まさにこれこぞ革命が失敗に終わった事の象徴です。

そしてもう一つ、「栄光の日々」の民衆たちも過去2作品に比べて、革命を自分達の出来事として深くとらえ、何とかしようという意気込みが見えるようになりました。

パーシーは外国人ですから、本来はフランスがどうなろうとあまり知ったこっちゃない立場なのです。

安蘭けいはそこらへんは一歩ひいていたと思うんですが、紅になるとフランス人に同化しているなーーという印象が。

だからこそより「正義の味方」度アップなんでしょうね。

今回は脇役の小芝居も目立ちました。そこらへんも「やりすぎ」と思う人もいるでしょうが、個人的にこれは大いにありです。

スカーレットピンパーネル団がそれぞれ恋人を持ちつつ、その出会いから完結まできちんと考えつつ芝居をしているのがわかりますし、

我が家の姫はアンドリューが披露宴でシュザンヌに一直線にダンスを申し込みにいい、その後、母親と踊る事で外堀を埋めていくシーンにうなっておりましたし、「我が家」のでれでれシーンに胸をときめかせ、舞踏会ではシュザンヌを守っている姿にうっとりしておりました

そうそう、プリンスの演じ方もまるっきり過去2作品とは違い、東京では大劇場より、はっきりと「私はスカーレット・ピンパーネルを知っているし、彼の味方だ」がアピールされていました。思えば王族のプリンスがショーブランに共感する事などありえないのですよね。

 

また、絵を描いているシーンでのパーシーと女性達の粋な語らいは、イギリス貴族の王道を見るようで、一体何を話しているのかなと毎回気になります。

 

ショーブランの部下の兵隊から民衆までとにかく一丸となっていますよね。

 出演者について 

紅ゆずる・・・東京より断然歌が上手になってて嬉しいです。いつも思いますけど綺咲愛里を 見る時のくしゃっとした笑顔がいいなあと。その場その場で色々考えている風は相変わらずですが、それが幸運にも当たっているって感じですかね。

綺咲愛里・・・・若いなりに頑張っているし、パーシーへの愛があふれているので歌が少々危なかったけどよしとします。ドレスがもっとも似合っていたし、そこにキュートさも加わってやっぱり可愛いんだなあと実感。ここまで可愛いからショーブランとパーシーに同時に愛されてもしょうがないかと。

礼真琴・・・「ボンソワール マダム・ブレイクニー」の低い声がやたら耳に残るストーカー・ショーブラン。ショーブランってかなるドジな男で、そういう滑稽さもきちんと表現されている部分がよかったかなと。

七海ひろき・・・・ロベスピエール。七海のよさはやっぱり素顔の綺麗さとモデルのような表情ではないかと思います。毎回、演技をしたり歌ったりするととたんに存在感が薄れてしまうという問題があります。なんでそうなのかはわかりません。素顔が美しすぎるからなのかなあ。

天寿光希・・・初演では涼紫央が演じたアンドリュー。今回は恋人の為にも頑張るという主体性を持ったアンドリューで、しかもあくまでもパーシーの味方として存在する事で壱城あずさ演じるデュ・ハーストと対照的に演じていました。初演のデュハーストは立樹遥で個人的にはこっちが好きですけどね。

瀬央ゆりや・・・アルマン。抜擢です。口が軽いアルマンです。でも背が高いし、それなりに存在感があるなあと思いました。

星蘭ひとみ・・・歴代のルイ・シャルルの中で最も可愛い。っていうか、思わず助けたくなるシャルルです。

 

今の星組は綺咲愛里・小桜ほのか・星蘭ひとみという3人のめちゃ可愛い娘役を有しています。音波みのりという綺麗なお姉さまを加えると4人。

過去に映美くららや陽月華をよそに取られた経緯がありますので、紅時代はぜひこの可愛い娘役達が動きませんようにとお願いします。

 


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10 コメント

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目からウロコ (春花)
2017-05-28 12:17:44
日曜日なのに記事のアップありがとうございま
ーす
エッ。スカーレットピンパーネルを観劇されたのですね
いつも感じているんですがふぶき様の演劇評は
的確なので読みやすいです
宝塚に関しては誰がごひいきなのか
それもよく知っています(笑)
でも、だからといって何でもよかった・よかったとベタぼめしない辛口(一刀両断?)的な点が
好きです

(宝塚というのは大衆演劇なのであり高尚なミュージカルとは一線を画した存在)
歌劇団を名のりながら歌えない生徒が多い
そんな不満を持っていた私にとって、この言葉は衝撃でした
私も今回の星組版好きです (アルバトロス)
2017-05-28 13:18:08
初めてコメントしますが、ブログは何年も拝見させて頂いており、いつもお世話になっております。

私も星初演、月、星再演を見て今回の紅パーシーが一番好きです。何といっても幸福感が一番ありますし、心配した歌もスキルが豊富じゃないから素直に歌っているのが功を奏して、すっと訴えかけるものになっていたと思います。

ふぶきさんが仰る通り、ルイ・シャルルの場面が秀逸だと感じました。大袈裟に言えば安蘭、霧矢は多少事務的というかにさらっと口に出ている“おいたわしい”なのに対し、紅さんは少年ルイ・シャルルの境遇に心が寄り添っている感じがしてその一言がずーっと心に残ります。
今後再演されることがあっても、この場面の解釈は紅流になっていくような気がしますね。

あーちゃんは意外!にも芯のある大人の女性が似合っていて、今後もっと大きく化けていきそうな予感がします。

琴は悪くないけど、もう少し経験を積んだ後だったらもっとインパクトを残せたかもしれないとも思いました。なぜか背も歴代で最も小さく見えましたし。
ショーブランはまさおが私的ベストです。癖のある歌い方が吉と出る役ですし、キラキラな目でダークサイドとか萌える要素もあったので。
そうだったんですね! (ゆうこ)
2017-05-28 15:29:23
金曜日の時点で見た限りは、紅さんは体調不良に見えました
特に舞台での姿勢の維持に苦労されている様な?高いブーツやシークレットシューズの類はやめた方がいいと思った
娘役の方が大きいのでバランスを取って居るのでしょうが、体幹が弱くリフトも一回だけでさっと離れたときに、きっと腰が痛いか?肩が痛いか?とかんじました

紅さんは歌は本人比で大変うまくなって居ました・・問題はないと思います

舞台初演との印象が違うのは、やはりショーブランの違いかな?圧倒的に柚希礼音は良かったと思う
上手いとか下手とか通り越していました・・光輝いていた(ダークな役なのに)
マルグリットが捨てたんじゃなくて、ショーブランがマルグリットに飽きたから捨てたかも?と感じさせるくらいの迫力がありました・・
再演は難しいけど私は今回はこれでいいと思います

有紗瞳もすぐに馴染んでいます
大きな娘役に育ってほしいです
ほぼ同じ感想です。 (かおる)
2017-05-28 19:19:23
日比谷でスカピン見てきました。礼さんの歌は異次元でした。本格ミュージカルの域だったと思います。
紅さんは紅さんで及第点だったと思います。
歌、芝居いずれも荒削りなのはいまさら言うまでもないですが、心に届いてくるものはあったと思います。
ちょっと気になったのは、紅さん、アドリブやりすぎなんじゃないかと、、、
不思議に同意 (まりんこ)
2017-05-28 21:04:48
見なければいいのに、2ch見ては、ため息つく私。ボロカスに言ってるのはスルーしてるんですが、澱のように嫌な気持ちがたまります。
そんなに歌歌言うなら四季や他のミュージカルに行けばいいのに…って思います。私は、紅のなりふり構わない演技が好きです。真っ直ぐな歌もです。時々四季も他のも見ますが、自分の中で満足しません。圧倒的に美しさが足りないのです。芸術的には上かもしれませんが。歌がどうでもいい訳ではなく、トータルで良いことが大切だと思うだけです。因みに以前はおさファンでした。おさトートは、マリコトートの歌を良くして、線を細くした感じで、それまでキレイで華奢としか思わなかったおさに嵌まりました。紅批判する方は、自分の物差し以外持っていないのかな、それとも、本当は、宝塚嫌いで批判できそうな所を突くのが好きなだけなのかなって思ってしまいます。
東京宝塚劇場 (しまこ)
2017-05-28 23:20:19
東京ではさらにパワーアップしているようですね。
大劇場だけの観劇ですが、今回の星組スカーレットピンパーネルは、宝塚歌劇としてとても楽しめました。

私は、基本的にトップスターは当然として、主要メンバーは歌える人であって欲しい派ですけれども、歌だけでもないんですよね。他の劇団とは異質な宝塚、その独自の作品として魅力的であることが一番大切では?

星組は観劇する機会が少ないので、紅さんのようなトップが新鮮に感じます。
それと綺咲愛里はコスチュームプレイがすごく似合いますね。特に横顔の美しいこと!
ふぶき様が、くらっち(有沙瞳)も星組の可愛い娘役の中に入れてくれたら嬉しいな。。可愛いタイプとはちょっと違うのかもしれませんが、今後の星組娘の貴重な存在だと思います。
96期 (梔子)
2017-05-29 11:12:29
主に皇室の話題で、いつもふぶきさんのブログで勉強させていただき、大変お世話になっており、ありがとうございます。
宝塚には全く疎く、ふぶきさんの宝塚関連エントリーで、ぽつぽつ演目やジェンヌさんの名前を検索したりして、興味を持ち始めたところです。
ただ、検索の端々で96期訴訟の記事を見かけ、知るほどに音楽学校の闇に暗い気持ちになりました。
ヅカファンの方々には忘れたい事件なんでしょうかね。
ふぶきさんが、この件についてブログで触れたことがあったか定かではないのですが、
綺咲愛里さんの活躍を肯定的に書いているように思われ、ちょっと不思議に思いました。
お答えにはなりませんけど (ゆうこ)
2017-05-30 08:30:08
96期 (梔子)・・さま

96期問題はほんとに悲しいお話でした
あの裁判で沢山の人が傷ついたし、音楽学校のフック校長の考えさらに宝塚歌劇団その物にも腹がたったのも事実です
こちらのブログでも長い事皆さん討論されましたよ


しかし時間の流れの中で、裁判に勝った生徒さんが、アダルドビデオに出演されてしまった・・・この事実はどう整合性をとって良いのか、裁判を応援した人をがっかりさせました

結局宝塚が手を回したのか急遽発売は中止になりましたが、AVの表紙とかは今も見ることができます

悪く言うと・・例として加計学園の前川さんのように出会い系のバーに週3日は通っていたそうで、いくら女性の貧困の実態を知りたい~からって小遣いはあげないでしょう?
それと同じく初めから劇団にお金を出させるお先棒(その筋)を担いだなら、もう誰も擁護しません
前川さんの出会い系バーは在日(北朝鮮系)の方が営業し飲み食いは無料だったようです
そうでなくちゃ通いきれませんねものね

同じように裁判で勝ったにもかかわらず生徒さんは自らの進退を汚してしまった事になります・・
決してAVがいけ無いのではなくて・・・ひょっとして学校側にお金を脅し取るのが目的なら・・・彼女はダークさんです
ネットで『宝塚・裁判・AV出演』で検索すると沢山出てきます
Unknown (はるこ)
2017-05-31 07:49:42
ゆうこさま

私は彼女のAV出演を知り、なおのこといたましく感じました。

確か、演劇科のある大学に行かれ、舞台にも出られていたと記憶しています。
表舞台になかなか出てこられない状況に、焦りや閉塞感を感じていたところで、悪い大人に騙されてあんなことになってしまったのだろうと。自暴自棄にもなっていたかもしれません。

一人の人の人生を大きく狂わせてしまった96期事件。学校の罪は大変重いと思っています。


綺咲さんについてはあまりなんとも思ってないです。
ビンタ写真の花乃さんのように、いじめにかかわっていた噂もありませんので。
美しさに実力がともなうよう、稽古に励んでほしいと思うばかりです。
そうですね・・ (ゆうこ)
2017-05-31 17:49:02
宝塚は真琴つばさがいみじくも言ってました
『この事は墓場まで黙って居よう』という話がどっさりあるそうです(笑)

96期も色々読んでみるとメンバーはすごいですね
我が家の近所の善光寺の脇寺の若麻績(善光寺の本尊は麻績村の千曲川に捨てられていた・・らしいので皆さま若麻績という苗字です)のお嬢様から始まって・・本星といわれる生徒さんは社台ファームの娘なんですね(サンデーサイレンスの牧場主ですね)
きっと宙組の麻生あくらが嫁いだから興味を持ったんでしょうね(宙組和央ようか主演ベルばらの新人公演を見て・・)

というようにいくら才能が有っても最初からトップにする生徒は残念だけど決まって居ます
たぶん虐めた方は疑心暗鬼何でしょうね・・そんな事考えなくてもいいのにね
世の中に正しいとか正しくないとか以外の世界もあることが多分彼女はシミジミ今感じて居るでしょうね
でも恨んではいけません・・地味だけど頑張って居れば必ず見てくれる人はいます(自分の体験から)今は花咲かなくても絶対花咲く日が来ることを信じて頑張ってほしいです
彼女に取って一番良い選択は芸能の道に進まないことです・・ほんとはね

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