鑑往知来

かんおうちらい:過去のことをよく参考にして、将来を展望し、見通しを立てること

自分の脳を自分で育てる

2005年02月27日 | 本・雑誌
自分の脳を自分で育てる―たくましい脳をつくり、じょうずに使う くもんジュニアサイエンス
川島 隆太,くもん出版,¥1,260(税込),2001年,ISBN:4774304484

 東北大学の川島教授の行っているブレインイメージング研究の成果を小学生や中学生に分かるように説明している本です。ブレインイメージング法とは、脳の活動している部分を調べるための方法であり、TVゲームをしている時、単純な計算を行っている時、声を出して本を読んでいる時などの脳の活動調べた結果が示されています。

 これらの研究結果から、100マス計算のような単純な計算や音読と呼ばれる声を出して日本語を読むことが脳の発達に効果的であり、TVゲームを行っているときはあまり脳が活動していないことが示されています。
 これらの結果は、陰山先生の実践されている100マス計算や音読(本当の学力をつける本―学校でできること 家庭でできること「読み・書き・計算」で学力再生)、斉藤孝先生の「声に出して読みたい日本語」、神戸新聞の記事「読書力で学力アップ」などにつながるのではないでしょうか。

 また、繰り返し勉強するなどして、脳を活発に働かせることによって、脳の中にある細胞と細胞の間に情報を流す一番近い道筋を作り出す。さらに繰り返すことにより、その道筋を太くてしっかりとした道にすることが出来る。つまり、良い脳を作るためには、毎日しっかりと勉強して、脳を活発に働かせ、鍛えることが大切である。

 脳の中で一番重要な前頭前野では、20歳くらいまでは鍛えれば鍛えるだけ発達します。つまり、小中高の間にたくさん勉強し、いろいろと経験することによりどんどん発達します。自分で考えながら、本を読んだり、計算したり、勉強したりすることによって前頭前野の細胞が発達します。例えば、あまり頭を使わないでテレビを見ていたり、TVゲームをしたり、単に授業を聞いているだけでは脳は働きません。常に「なぜだろう?」「本当かな?」「どうすればいいのか?」など自分で考えることが大切です。

 この本は、講談社+α文庫より「川島隆太の自分の脳を自分で育てる―朝5分の音読・単純計算(¥680(税込))」としても出版されています。

 川島先生のホームページにも様々な情報が公開されています。


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