鑑往知来

かんおうちらい:過去のことをよく参考にして、将来を展望し、見通しを立てること

本当の学力をつける本―学校でできること 家庭でできること

2004年10月25日 | 本・雑誌
 この本の著者は、100マス計算で有名な陰山先生です。

  本当の学力をつける本
  陰山 英男,文芸春秋,2002年,¥1,300(税込),ISBN:4163583203

 読み書き計算の反復練習の重要性とその効果について、ご自身の実践から述べられていて、大変参考になります。複雑な計算をしているときの脳の活動場所が、文章題を説く場所と同じだとありました。たしかに計算能力が弱い子供は、文章題も苦手なことが多いように思います。やはり単純な計算問題や声を出して文を読む習慣の大切さを思い知らされたように思います。
 後半の文科省の進めてきた学習指導要領の解説を読むと、日本国民総おバカ化計画を推進しているのかと思ってしまいました。今は、分数の計算ができない大学生ですが、そのうち九九の出来ない大学生が出てきそうな気がしました。

 自分自身も、基本の上に応用があるのが当然だと思っています。しかし、コンピュータを使った学習や耳触りが良いものばかりがもてはやされ、地道なトレーニングがかっこ悪く、しんどいことをやりたがらない傾向に拍車をかける事になっているような気がします。
 実社会では、自分のやりたいことではなくすべきことをやらなければいけません。そのことを理解せずに大人になっている学生が増えている気がして、日本の将来に不安を覚えました。
 しかし、新しい実践により基礎力の充実や社会の充実が進めばいいと思える本でした。


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