横浜映画サークル

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映画『凶悪』残虐性は「人間が持つ普遍的な暗部」と描く。だが最新科学は先天的障害であるとする(その1)

2014-03-31 13:30:56 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

映画『凶悪』2013年度作品では、残虐性は「人間が持つ普遍的な暗部」と描き出す。だが最新の犯罪心理学は、この残虐性は普遍的なものではなく脳に障害がある先天的な疾患(サイコパス)であることを明らかにしている。

別冊日経サイエンス2013/4/18号、心の迷宮、脳の神秘を探る。サイコパスの脳を覗く(ニューメキシコ大K.A.キール他)、以下「日経サイエンス」)では、「サイコパスは脳の傍辺縁部位が顕著に薄く、発達していないことが分かっている」(p11)と述べている。ロンドン大学でサイコパスの研究を行うジェームス・ブレアらは「サイコパス、冷淡な脳」(2009年、星和書店。以下J.ブレア)で脳の傍辺縁系を構成する扁桃体の生まれながらの機能不全を起点として、成長するに従って関連する傍辺縁系などが発達障害を起こすと推測している(J.ブレアp189他)。犯罪者精神鑑定医の権威マイケル・ストーンはカリフォルニア刑務所の凶悪殺人犯300人の脳をfMRI(脳内状況を磁気を使い把握する装置)で調べ、感情を豊かにする扁桃体が一般の人と異なる反応することを確認している(「殺人犯の心理学」スカパー,ディスカバリーチャンネル)。サイコパスの理解は、fMRIなどの脳検査機器が発達した21世紀に入り大きく前進している。映画『凶悪』の原作を読むと、“先生”と呼ばれた三上は動物虐待飼っている鳩やニワトリを蹴り上げたり、首を絞めて殺したり(原作p162映画には表現されていない)」しているなど、サイコパス特性の強い人物である。死刑囚の告発者須藤(原作では後藤)は凶暴で反社会性人格障害であるが、サイコパス特性は弱い。

映画『凶悪』のプログラムのintroductionに「人間が内に秘める心の闇に切り込んだ」とある。同じプログラムの中で根本敬氏は「人間が持つ普遍的な暗部」と言う。映画『凶悪』は「身の毛もよだつような残虐性は誰でも内に秘めている」という考え方で作られている。ほんとにそうだろうか?最新の犯罪心理学はそうではないことを示している今後もこのような「弱い者に対してや性による虐待・残虐行為は人間の内的な本質」とする刺激的な映画が繰り返し出てくると思うので、そうではないことを最新の犯罪心理学に基づき以下の通り、まとめた。長くなったので、ブログの文字数限度で、「その1」~「その7」と分け、映画『凶悪』の狙いや原作との違いや私なら映画「凶悪」をどのような構成にするかを「その5」「その6」「その7」項に記した。全体は大変に長いので、下記の目次で興味の有る項目を選んで読んで頂ければと思う。

サイコパスは「精神病質者」と訳され、素人に分かり易い対応する言葉はないので、このままサイコパスを使う。精神障害者のほとんどはサイコパスのような犯罪を行うような人ではありません。精神障害者には純真で、素直な人や立派な人がたくさんいますので、精神障害者全体をサイコパスのように見ることのないように、はじめに強調しておきます。サイコパスが残虐な犯罪を繰り返すので、表現に気持ち悪い言葉やぞっとする言葉が含まれますので、ご了承ください。また、嫌だなと思ったらその部分は気持ち悪くなることがあるかもしれませんので、すばやくパスするようにしてください。書いているほうも気持ち悪いのですが現実ですので止むを得ません。著作権で問題ないと思われる写真を掲載し、出典を明示していますが、もし問題が生じた場合は削除します。

目次

その1

1.サイコパスとは(映画『凶悪』を評価するのに重要なことなので最近の情報を基礎からまとめている)

1.1 サイコパスの全体像

(1)「日経サイエンス」でのニューメキシコ大学のK.A.キールの説明

(2)「何が彼を殺人者にしたのか」(マイケル.ストーン、2011、イースト・プレス、以下M.ストーン)でのM.ストーンの説明

(3)「サイコパス、冷淡な脳」でのJ.ブレアの説明

1.2 サイコパスは他の人と共感することができない。表情や声や身振りから人の感情を把握できない。

1.3児童虐待の例とサイコパスの虐待の特徴 

その2

1.4 サイコパスは罰から行動を是正すことができない罰を無視し、罪悪感が無く、再犯率が高い。

1.5 共感する能力はサルやネズミでも見られる根源的能力であるがサイコパスはそこに障害がある。

1.6 扁桃体を破壊した動物実験でも見られるサイコパスの特徴行動:K.B.症候群

1.7 サイコパスは見た目や会話では分からない

1.8 サイコパスと反社会性人格障害やその他の犯罪の違い

1.9 子供のいじめとサイコパス発見方法

1.10 傍辺縁系の一部が損傷し扁桃体は正常な場合の例

その3

1.11 サイコパスの統計的特徴

(1)サイコパスの割合

(2)日本の『犯罪白書』からの反社会性人格障害者割合の推定:結果は米国と同様

1.12 ごみのリサイクルの非協力者割合は反社会性人格障害割合に近似する。

1.13 サイコパスの高い再犯率と暴力性割合

1.14 サイコパスは犯罪者更生プログラムの集団療法が逆効果で再犯率は上昇する。

1.15 サイコパスの年齢や社会的経済的地位などとの関係

(1)サイコパスと年齢の関係

(2)サイコパスと社会的経済的地位の関係

(3)サイコパスと知能指数(IQ)、教育状況の関係

(4)サイコパスと他の精神障害との関係

1)統合失調症

2)注意欠陥多動障害(ADHD)

3)不安障害(過度の不安から生じるパニック障害やPTSDなど)および気分障害(大うつ病など)

4)サイコパスと自閉症(この項は2014/11/18追記)

(5)サイコパスと薬物の関係

(6)サイコパスの遺伝要素と環境要素(例:幼児・少年期の虐待の影響)

その4

1.16 サイコパスの存在は、人種、民族、文化、時代の違いは無い。

1.17 扁桃体の位置と具体的機能とサイコパス

1.18サイコパスが邪悪で暴力的である根本原因

(1)基本的な考え方

(2)日本の比較的情報量が多い酒鬼薔薇聖斗事件の例で説明する。

(3)2つの誤った見解

1.19サイコパスの更生の可能性

1.20健常者のサイコパス化の危険

1.21戦争、内乱、政治的テロでのサイコパス。

その5

2.映画『凶悪』は、誰もがサイコパス特性を持っているとするために、原作に手を加えたり削除したり、構成を変えたりしている。

(1)原作に付け加えた内容

   1)記者の家庭の痴呆症になった母親

   2)記者の逮捕

   3)会社に黙って記者が単独行動

  4)告発者Gをサイコパスと作り上げるために付加および削除した場面

 (2)原作から削除した重要な内容

  1)藤田幸夫の存在と自殺の削除

  2)“先生”のサイコパス特性の削除

その6

3.実際(原作)と映画『凶悪』の違いまとめ

 (1) “先生” の実際と映画『凶悪』の違い

(2)“先生”がカーテン屋に拷問を加える時に浮かべた「愉悦の表情」の違い

(3)“先生”がカーテン屋の頭を坊主にし、体中に油性マジックで落書きした場面の違い

(4)告発者Gの実際と映画『凶悪』の違い

(5)Gの“先生”を告発した理由の違い

(6)M.ストーン邪悪度等級での実際と映画『凶悪』の違い

その7

4.私なら原作「凶悪」をどのような映画にするか。

(1)「反社会性人格障害者 対 サイコパスの闘い」として描く。

(2)観客に、5つの魅力を提供する。

(3)「推理展開の痛快さ」の魅力となる原作のポイント

あとがき


以下本編です。 

1.サイコパスとは(映画『凶悪』を評価するのに重要なことなので最近の情報を基礎からまとめている)

1.1 サイコパスの全体像:サイコパス (psychopath)の全体像を示す特徴は以下の3者の説明の通り。3者は世界的に有名なサイコパスや犯罪心理の研究者。

(1)「日経サイエンス」でのニューメキシコ大学のK.A.キール(Kent A. Kiehl)の説明

「サイコパスの最も際立つ特徴:他者に対して共感をもてないこと。最も普遍的な社会的責任を単なる虚飾と切り捨てる。嘘をつき、ごまかし、良心の呵責を感じたり悔いたりすることがない。何事についても深く受け止めることが全くない」p6。

(2)「何が彼を殺人者にしたのか」(マイケル.ストーン(Michael H.Stone)2011、イースト・プレス、以下M.ストーン)でのM.ストーンの説明、人格特性と行動特性の2面から説明をしている。

人格特性:人に共感することができない。自己中心的・自己愛的病的な嘘つき。良心の呵責や罪悪感がない他人の権利や感情に非常なまでに無関心口達者で愛想が良い。大げさ、狡猾他人を操作する。

行動特性:行動をコントロールできない。性的乱交を好む。衝動的。寄生的ライフスタイルを送る(他者の収入などを奪う形で生活をする)。邪悪と呼べる行動を取る人は、極端に自己愛的。特に、ずる賢く冷淡で無慈悲この資質を備えた人はどんな残忍なことでも平気でできるp36。

(3)「サイコパス、冷淡な脳」でのJ.ブレアJames Blair)の説明

「サイコパスは、情動面、対人関係面、行動面においてそれぞれスペクトラム(成分に従って配列した全体)をなす複合的な成分から構成される障害である」p11。サイコパスの特徴を把握するため353組の男性双生児を調査したブロニゲンらのサイコパス指標を紹介している、「目的のためには手段を選ばない利己主義恐怖心の欠如冷酷さ、衝動的な社会的逸脱責任転載、ストレス脆弱性、無責任で計画のない行動、社会的権力欲求」p40。1941年の古典的な11の特徴説明を紹介している、「表面的な魅力、不安の欠如罪悪感の欠如信頼できないこと不誠実自己中心的、親しい関係を継続して作れない、罪から学ばないこと、情動の乏しさ、自分の行動が他人に及ぼす影響を鑑みることができないこと、将来の計画が立てられないこと」p10。  

以上の3者の特徴説明のすべては扁桃体の機能不全と関連する傍辺縁系などの発達障害で説明がつく。扁桃体及び傍辺縁系は生理的欲求や安全・秩序欲求や認知欲求などの人間・動物の基礎的な生命活動を確立する機能を持っており、そこが損傷しているので、健常者には予想がつかないような極めて異常な奇妙な犯罪を行う。その奇妙さのためにマスコミを賑わす事になる。

健常者でも、厳しい特殊な状況に追い込まれれば正当防衛的に殺人や人肉を食べることが生じるかもしれない。だがサイコパスはそのような状況にならなくても積極的に行動する。サイコパスの犯罪は、健常者が状況によれば自分もやるかもしれないという理解の範囲を遥かに超えた犯罪で、奇怪な猟奇的な内容になる。サイコパスの奇怪さ、猟奇的な度合いを、M.ストーンは邪悪度(悪の等級尺度、凶悪度)としている。以下に出てくるM.ストーンの具体的犯罪者の説明は、主に犯罪者精神鑑定医として犯罪調書と犯罪者に面接した情報による。邪悪度は、M.ストーンが裁判で陪審員が量刑を判断する時の参考のために作成したもので、22段階に分けている。扁桃体や関連する部位の機能不全の度合いによって、サイコパスの邪悪の内容や邪悪度が違ってくると考えられる。

1.2 サイコパスは他の人と共感することができない。表情や声や身振りから人の感情を把握できない。

読者は自分がサイコパス的であるかどうか、次の写真で調べることができる。

下の3枚の写真それぞれをじっとしばらく見て、健常者は楽しそうだなと感じるが、扁桃体と関連する部位の機能不全の度合いの激しいサイコパスは何も感じない。感じたふりをすることはある。

    

下の4枚の写真それぞれをじっとしばらく見て、健常者は悲しそうだな、どうしたのだろう、「大丈夫」と声を掛けたくなるような感じを持つ。サイコパスは何も感じない。感じたふりをすることはある。右下のモノクロ写真はJ.ブレアが共感しているかどうかを調べるため、サイコパスの脳の反応をfMRIで観察する時に使用する写真の1つである。J.ブレアの「サイコパス、冷淡な脳」のp75の写真を私がコピーしたもので鮮明でない。

  

下の左の写真をしばらくじっと見ていると健常者は、不安そうだな、どうしたのだろう、「心配いらないよ」と声を掛けたくなるような感じを持つ。右の写真の左から右への少女の表情変化から、健常者は悲しいことが起こったことを読み取るが、サイコパスは顔の形が変わった以上の何も読み取らない。読み取ったふりをすることはある。

  

以上は視覚による感情認識であるが、サイコパスは声や手振りからも感情を認識することは無い。女性の恐怖で叫ぶ声、助けてという悲鳴悲しく泣いている声からサイコパスは感情を読み取ることができず、騒音でしかない。同様に、身振り手振りから、サイコパスは感情を読み取ることができない。読み取ったふりをすることはある。特にサイコパスは相手の恐怖の表情や声が他の感情表現より読み取りが困難であることが指摘されている(J.ブレア)。

下の写真を見ると、健常者は、少女に何か悪いことが起こっているかもしれない、どうしたのだろう、何かしてあげられないだろうかと感じる。サイコパスは叫び声を上げて泣く少女の表情や声で感情を動かすことはない。感情そのものが無いといっていい。サイコパスにとって少女の叫び声はうるさい騒音でしかない。あるいは、後で述べるような、失われた感情機能を一瞬呼び戻す麻薬のような快感のものになっている。

 

サイコパスは情動(感情に基づく行動)中枢である扁桃体とともにミラーニューロンと呼ばれる、他の人の感情を鏡のように映し出す機能が損傷している。M.ストーンはカリフォルニア刑務所の凶悪殺人犯300人の脳をfMRIで調べ、感情を豊かにする扁桃体が一般の人と異なる反応すると共に、ミラーニューロンが反応せず、あたかも存在しないかのようであることを確認している(「殺人犯の心理学」スカパー,ディスカバリーチャンネル)。サイコパスは人の気持ちを共感する領域が機能不全である。そのために相手の恐怖の表情や声から何も感じずに殺害することができる。

 サイコパスが共感しているふりをすることは、たとえば左足に障害がある場合に健全な右足が左足をかばうように、左足の負担を軽減するように振舞うのと同様に、脳の機能不全の部位を他の部位がかばうように働くと考えられる。この働きは機能不全の代替をするのでなく、機能不全が分からないように取り繕うように働く。サイコパス本人が意図的に「ふりをしている」というより、自然に行っていると考えられる。このことはサイコパスを健常者と誤認しやすい理由のひとつである(J.ブレア)。

写真の出典

笑顔の写真左、笑う少年:Is Laughter Contagious?(笑いは伝染するか)By PAUL JAMES CASSANOより

http://www.personal.psu.edu/afr3/blogs/siowfa13/2013/12/is-laughter-contagious.html

笑顔の写真中、笑う赤ん坊:Make Baby Laugh. By China Creative Technology Corporation

https://itunes.apple.com/ms/app/make-baby-laugh/id512169350?mt=8

笑顔の写真右、笑う少女二人:Wikipedia Humor (positive psychology)

http://en.wikipedia.org/wiki/Humor_(positive_psychology)

悲しい写真左上:Warner Sale Brings Sadness

http://www.waynerosso.com/2011/05/11/warner-sale-brings-sadness/

悲しい写真右上、帽子の少女:Carta de um bebe、CARTA DE UM BEBÊ

http://amadobebezinho.blogspot.jp/2013_03_01_archive.html

悲しい写真左下:Family Counseling Center

http://familycounselingcenterutah.com/personal-and-family-crisis/

悲しい写真右下:「サイコパス」(J.ブレア他、星和書店、2009年、p75、図4-1)

不安の顔:Body Language Experts

http://www.bl-expert.com/tag/eyebrows/

泣き叫ぶ少女:Tackling ‘Terrible Twos’ by Caitlin Vinner - Leave a Comment

http://my10online.com/2011/10/tackling-the-terrible-twos/

表情の変化の写真:出所不明

1.3児童虐待の例とサイコパスの虐待の特徴

死に至らしめるほどの児童虐待はサイコパス傾向の強い人の行為である。健常者はどんなに経済的に苦しくても、複雑な恋愛状況が係わっていても、子供の表情や声などから苦痛を共感し、たとえ叩く程度のことはあっても激しい虐待に至る事は無い。骨が折れるほど、内臓破裂が生じるほどの暴力を毎日のように繰り返すことやじわじわと餓死させることや80度以上の熱湯風呂に入れるようなことは、健常者にとっては自分の感情をどのように解きほぐしても、その片鱗さへ見る事ができない。健常者には自分の延長上でサイコパスを理解することができない。全く別の領域がサイコパスの世界である。それはサイコパスが重篤な扁桃体と関連部位の機能不全の病気のために生じているからである。下記は極めてサイコパスの程度の強い児童虐待事件の3例、要点のみ。

秦野市小学1年生女児虐待死事件2013(日経新聞など):殴る蹴るの暴行。夜に外へ締め出す。風呂場の水に顔をつけ、シャワーを顔に息ができないほど掛け、苦しがっていた。蹴り上げた時に、頭を強打し死亡。遺体は雑木林に遺棄。小学校へは一度も行くことは無かった。

西淀川区小学4年生女児虐待死事件2009(ウイキペディア):木刀などによる連日の殴打と食事や水が制限され、冬にベランダで薄着のまま寝ることが強要され、衰弱死。女児には喘息の病気があったが薬は与えられることがなかった。

尼崎市小学1年生男児虐待死事件2001(ウイキペディア):ゴルフクラブで殴打、両鎖骨骨折。食事を十分与えられず、深夜にトイレ前に正座をさせられ、生の素面を口に突っ込まれた。両親が外出時には紐で縛り声を出さないよう口に粘着テープ。頭への回し蹴りで脳内出血死亡。遺体はごみ袋に入れ川に捨てられた。                                                                           

サイコパスには相手の恐怖の表情・声や止めてほしいという身振り表現の意味が認知できない。泣いて、「やめて」と叫ぶ子供の声は、騒音でしかない。「うるさい音を出すな」とさらに激しい暴力になる。遺体遺棄は、遺体となった相手との共感が存在しないので、罪悪感なく行うことができる。上記3例の赤字部分は、サイコパスの特に特徴的な行為。相手がどうなるだろうかと調べているかのような行動、認知行動を取る。この異常な認知欲求がサイコパスの行動の特徴の1である。これは、扁桃体が生物欲求の根源的な部位を占めていることから生じているが、これについては後で述べる項目「1.6 扁桃体を破壊した動物実験でも見られるサイコパスの特徴行動」の「K・B症候群」の項目(2)に相当する。サイコパスが並外れて凶暴である、より重要な理由は後の項目「1.18サイコパスが邪悪で暴力的である根本原因」で述べる。 

(以下は2014/11/18に追記)他者の表情から感情を読み取れないことは、サイコパスだけでなく、反社会性人格障害や自閉症の人にも見られる症状ですので注意してください。それらはサイコパスとは全く別の障害です。反社会性人格障害は、本シリーズの『その2』「1.8 サイコパスと反社会性人格障害やその他の犯罪の違い」、『その3』「1.11 サイコパスの統計的特徴」を、自閉症は本シリーズの『その3』「1.15(4)サイコパスと他の精神障害の関係4)サイコパスと自閉症」を参照してください。映画「凶悪」はサイコパスと反社会性人格障害との違いが混同されており、この違いを表現できればより深い、重厚な作品になったと思いますが、できていません。また原作はそのために必要な素材を十分に含んでいます。

以下(その2)へ続く。テッシーでした。

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