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蒲蒲線は実現しない! のまとめ その3

2017年04月17日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

蒲蒲線は実現しない! のまとめ その2」の続きです。無謀にも金の計算をしてみます。

 

第一期の工事費1260億円を金利ゼロ(なんて、ありえないが)で30年かけて支払うとすると、年間42億円返済する必要がある。運賃収入を適当な仮定を置いて計算します。

(総額の1/3とか1/2の補助金が出れば、もっと少ない支払いで済む)

 

私の試算

 

年間:365日

一日の運行時間:朝5時から深夜1時までの20時間

一時間の運行本数:15分おきの4本(単線ならこんなもん)

電車:10両連結(メトロからの直通)

1両の乗車人員:50人(座席が埋まっている感じ)

両蒲田駅間の運賃:200円(バスとおなじくらい)

そうすると

1日の乗客数は

50人×10両×4本×20時間=40,000人

逆方向にも同数乗るとして乗降客数は80,000人

1年の売り上げは

200円×80,000人×365日≒58億円 

42億円を返済に回すと残りは16億円

これだけあれば、運行経費はそこそこ賄える、かな?

(私は鉄道屋ではないので、どの程度の経費が必要か、詳細はわかりません)

 

京急線と東京モノレールの乗降客数

 

ところで、上の計算で想定した蒲蒲線の1日の乗降客数8万人を京急と東京モノレールの乗降客数と比べてみます。(元のデータが京急で2015年、東京モノレールで2013年と異なりますが、他に信頼性のある数字が無いのでそのまま比較します)

 

京急の羽田空港国際線ターミナル駅と羽田空港国内線ターミナル駅を合わせた1日の乗降客数は約103,899人(2015年度)

 

一方、東京モノレールの羽田空港第1ビル駅 ・羽田空港第2ビル駅 ・国際線ビル駅を合わせた1日の乗降客数は約66,225人(2013年度)。

 

8年前の2005年は69,993人と昔の方が多い。ここには載せていませんが毎年のデータを見ると漸減しています。(2005年当時は国際線ビル駅が無いので含まない)

 

参考までに、2013年度の浜松町駅の乗降客数は108,134人。浜松町駅の乗降客数と羽田空港全駅の乗降客数の差は、途中駅で乗降した人と仮定します。

 

これでわかることは、

・京急と東京モノレールの利用者の比率は、6割が京急、4割が東京モノレール

・京急の羽田空港全駅での乗降客は1日で10.4万人

・東京モノレールの羽田空港全駅での乗降客は1日で6.6万人

・東京モノレールの乗客数は漸減している

・浜松町から東京モノレールに乗降する人のうち、羽田空港を利用する人は6割

 

東京モノレールは、やはり不利ですね。起点となる浜松町は、山手線と京浜東北線が停車するが、東海道線や横須賀線は停車しないし、地下鉄の駅も少し離れているので不便。それに東京モノレールのホームに上がるのがしんどいし狭い。

 

それに比べて、新幹線、東海道線と横須賀線、山手線と京浜東北線が停車する品川駅や、東海道線と横須賀線、京浜東北線、横浜線が停車し、相鉄、横浜地下鉄の駅がある横浜駅で、JRから京急に乗り換えるのは比較的楽。(楽なのは、あくまで比較の話。ついでに、川崎駅でのJRと京急の乗り換えは止めた方が良い。結構離れている)

 

私が適当に想定した1日の乗降客数8万人は、京急と東京モノレールの中間くらいで、蒲蒲線には多すぎる。

 

仮に、蒲蒲線の1日の乗降客数を、東京モノレール羽田空港全駅での1日乗客数66.225人と想定すると、1年の売り上げは

200円×66,225人×365日≒48億円

42億円を返済に回すと、残りは6億円。

これは厳しいので、運賃を50円値上げして250円にすると

250円×66,225人×365日≒60億円

42億円を返済に回すと、残りは18億円

これで何とかなるかな?

 

じゃあ、蒲蒲線が東京モノレールの66,225人を達成できるかを考えると

・JR蒲田駅という京浜東北線しか停車しない駅で乗り換えてくれるか?

 浜松町とおなじくらい不便なので、あまり期待できない

 

・東横線を経由して蒲蒲線に直通するメトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線から乗客を集められるか

 JRの空港アクセス線ともろに競合するので、利便性による

 

・目黒線を経由して蒲蒲線に直通するメトロ南北線・都営三田線から乗客を集められるか

 メトロ南北線は、JR空港アクセス線とあまり競合しないので期待できる。(埼京線と重ならない地域なら)

 都営三田線は、三田駅で京急に直通する都営浅草線に乗り換えられるので期待薄。

 

・東急沿線から集客できるか

 東横線・目黒線は期待できるが、それ以外の線は乗り換えが多くなり期待薄。

 

・南蒲田駅から京急蒲田駅間150㍍の乗り換えがスムーズにできるか

 京急の協力が得られないと乗り換えが大変。

を考えると、難しいと思う。

 

大田区の試算

 

ところで、大田区作成の2015年1月の資料には、1日の乗降客数を4.2万人とさらに少なく想定しています。東京モノレールの66,225人より少ないのでこちらが妥当かもしれない。

これだと、運賃を250円にして

250円×42000人×365日≒38億円

これでやっていけるのかなあ? 

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(補足 2017.04.19

この4.2万人という数字は、東急蒲田地下駅の同一ホームで東急と京急線を乗り換えるという従来の大田区案が前提の数字のはずです。

蒲蒲線は実現しない!のまとめ その1」の2番目の図を参照。

 そうすると、南蒲田駅と京急蒲田駅で乗り換えることになる2017329日の新聞記事の案の場合は、乗り換えの手間と時間が余計にかかるので、4.2万人よりさらに少なくなるはずです。

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この乗降客数は、補助金が少なくとも1/2出るなら何とかなるという想定でしょうね。

仮に補助金が1/2出ると年間21億円を返済すれば良いので、残りは17億円。これで、何とかなる。

 

一方の東急はいくら儲かるか?

東急の1年間の売り上げの増加分は、蒲蒲線を利用する人の1/2が渋谷-蒲田間を利用すると仮定(ザックリし過ぎているかも?)して、渋谷-蒲田間が(目黒-蒲田間も)現在220円なので

220円×42,000人×0.5×365日≒17億円。

増収分がこれだけか、案外少ないなあ。東急は設備の改修が多いと思うので、これだけではねえ。

 

ここで、渋谷→羽田空港間の現在の運賃を、蒲蒲線経由と京急経由で比較して、どちらが得か計算します。JRの空港アクセス線の運賃は全く分からないのでやりません。

 

東急・蒲蒲線経由:

渋谷→(東急¥220)→東急蒲田→(蒲蒲線¥200と仮定)→南蒲田→(徒歩)→京急蒲田→(京急¥340)→羽田空港 :計¥780

 

JR・京急線経由:

渋谷→(JR¥170)→品川→(京急¥410)→羽田空港 :計¥580

 

蒲蒲線の運賃¥200の差が出ていますが、2つの運賃はビックリするような差ではない。空港線が¥340は高いと思うけど。

 

 

ここで、乗降客数のまとめ。

京浜急行の羽田全駅:10.4万人

蒲蒲線の私の適当な試算:8万人

東京モノレールの羽田全駅:6.6万人

蒲蒲線の大田区の試算:4.2万人

 

結論は、「その1」と同じで蒲蒲線は非常に厳しい。可能性があるとすれば、蒲蒲線の利便性を向上させて、競合になるJRの空港アクセス線に対して魅力あるような路線になるかどうかです。

 

(参考資料)

京急ハンドブック(2016~2017)

東京モノレールデータブック(2015~2016)

 

次回はJRの空港アクセス線について

 

2017.04.17

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