横ちゃんのきまま日記

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「フォイト栄養学」のウソ

2016年12月06日 | 日記
長尾 周格先生のFB投稿より

「フォイト栄養学」のウソ

先日とある人から「長尾先生、山田豊文って人、知っていますか?」と聞かれ、名前だけは聞いたことがありましたが、どんなことを言っているかは詳しく知らなかったので、「死ぬまで元気に生きるための七つの習慣」という本を買って読んでみました。そうしたらまあ、内容のひどいことひどいこと。ウソや間違いのオンパレードで、びっくりしてしまいました。

それでもこの人はなかなかの知名度があり、影響力もあるというのだから、放っておくわけにはいきません。この本の間違いをすべて挙げ、いちいち反論するのは大変ですから、一つだけ例を挙げて反論しておきましょう。一つでも大きなウソが書かれている本だということが分かれば、信憑性は全くなくなりますからね。

この本に書かれている「フォイト栄養学」というものですが、まずこんなものは存在しません。カール・フォイト(1831〜1908)はミュンヘン大学の教授で、「生化学」の研究者です。栄養学ではありません。そもそも、フォイトが生きていた時代には、まだ「栄養学」という学問自体がありませんでした。

フォイトは生化学者だったわけですが、生化学の父ともいえる偉大なる研究者と言えば、ユストゥス・フォン・リービッヒ(1803~1873)でしょう。リービッヒは人間の三大栄養素はタンパク質、脂質、炭水化物であることを発見しました。ここから生化学が発展していくことになります。フォイトはリービッヒの研究をさらに発展させたにすぎません。

栄養学は、1914年に日本人化学者の佐伯矩(さいきただす)によって創始された学問です。しかしながら現在の栄養学の源は、1928年にアメリカで誕生したアメリカ栄養学会です。この学会の創始メンバーというのは、元は製薬会社の研究員たちでした。彼らが栄養学者に鞍替えしたのには、当然ながら製薬会社の思惑があったからです。この初期の栄養学者に、脂肪悪玉論をでっち上げたアンセル・キーズなどがいます。

生化学と栄養学は、実は全くの別物です。そもそも栄養学は、生化学から発展してできたものですらありません。だから生化学の知見と栄養学の主張が噛み合わないのも当然なのです。生化学は化学から発展した、人間の生命活動を化学的に解明しようという学問です。これに対し栄養学は、製薬会社の利益となるような食事を理論づけるための学問です。当然ながら栄養学と生化学は対立します。だから「フォイト栄養学」なんてウソでたらめをでっちあげ、生化学を貶めようとするのです。

とまあ、栄養学や生化学の歴史をちょっとでも真面目に調べてみれば、こんなウソはすぐに見抜けます。このような明白なウソを堂々と語るような人間は、全く信用するに値しませんね。皆さんもペテン師に騙されないように、怪しい情報は鵜吞みにせず、自分で調べる習慣を身に付けましょうね。
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