ワフィネ・デ・日誌in花岡

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方言のこと

2017-04-18 15:09:20 | 日記
 最近向かいの席のH嬢と方言研究者になっていて、思わず口をついて出る方言に笑いこけつつ、実は標準語ではないかという疑問がわいたりすると、H嬢はスマホをチェックしています。
 美徳をあらわす「もったいない」をこちらの方言では「いたわしい」というのですが、「いたわしい」「いたわし」という言葉をよく考える、と時代劇で「おいたわしや」と身分の高い人の苦難をいうことばと重なって、これは古語ではないかと思いました。
 前回髪の毛のことを書きましたが、髪を梳るとか髪を梳くとか、無理して標準語を使って書きましたが、実はこちらでは髪の毛を梳くことを「とかす」といいます。これも「とく」というのは「解く」で絡まったものや糸をほどく古語ではないかと思っています。
 私が成人する頃まではまだ集落()が独立していて、その村の言葉や常識、生活習慣が人それぞれに染みこんでいるのを感じたものですが、交通の便が良くなって、町村合併が進んで、テレビから標準語が流れるようになると少しづづ個性が無くなって、みんな町の子のように振る舞うようになってしまいました。高校に入学したとき、在(周辺の村)からきた同級生たちの言葉が分かりませんでした。
 最近では、会議の後の懇親会で、特に男性ですが何かの拍子に自分の感情や痛みや驚きを表す方言が口をついて出ることがあり、お酒の席で男の人がひょいと口に出す言葉をH嬢と一緒に面白がって揶揄したり、真似したりするようになりました。
 最近のヒットは「あぽしい」と言う言葉で、喉が渇くでもない、つまるでもない、ひらい(これも方言)ような感じで、説明できないけれど、煎餅とかおかきとか食べてのどが潤っていない感じを「あぽしい」というのだそうで、面白くって何度も使って笑いこけました。
 方言は何とも微妙で標準語では表現できない肉体が伴う言語で、それが地域ごとに違っていて、肉体や感情が伴うからこそ、その言葉での表現でないとしっくりこなくて、なんとも面白おかしいのです。
 東京山手線で、美しい女性が電車が揺れて足を踏まれたトタンに、「イデ!」と言ったというエピソードを聞いたことがありますが、足を踏まれては「痛い」ではなくホントに痛くて「イデ!」なのです。笑いながら本当にいたかったんだなあと肉体の痛みまで思われるから同時にほほえんでしまうのです。