司法試験を受けるまで/受けてから

純粋未修→ロースクール→受験前後の記録(回想)

問題集を「解く」「つぶす」「回す」ということ

2012年08月24日 19時08分34秒 | ロースクールでの勉強
(↑その三つを使い分けようという趣旨では別にありません)


(論文の)問題集を一冊買って、解こう(つぶそう、回そう)というときに、
実際に具体的にやっていることが何か、というのは、実は結構人によって違うんではないか、と思うことがあります。

問題を読んで論点がだいたい浮かべばOKなのか、
答案構成をしてみるのか、文章化した答案を書いてみるのか。
解説はざっと目を通すレベルなのか、参考文献や判例まで手を広げて読むのか、
基本書などの関連個所の復習を付随してやるのか。

問題集を解く目的は人によってそれぞれですし、その問題集のタイプにもよりますが、
個人的には、とにかく一冊の問題集を買ったら一周(各問題につき一度)は、
解説や基本書を参照してでも文章化した答案を書くことを強くおすすめします。
特に、純粋未習でスタートした人はどこかで、できれば早いうちに集中してこの練習をしておくのが絶対良いと思います。


私は、ローに入学して最初の中間試験(憲法)の答案が自分で思っていた以上に書けなくて、
悔しくて期末試験までの1~2か月間、憲法と民法の答案を1日1通とにかく書く(手書き)、
ということをやっていた時期があります。これで、期末試験の成績が中間試験に比べて相当上がりました。
(1年生前期のレベルで解ける事例っぽい問題集はあまりないので、予備校が出していた各ローの既習入試の過去問集を
使いました。参考答案のレベルはよくわからないけど問題自体は良問揃いなはずだ、と思って。)

多分、ローに入学した人(特に純粋未習でわざわざローに来た人)で、「勉強が嫌い」という人は
それほどたくさんはいないのではないか、と想像します。
や、わからないけど。でもまあ、勉強が嫌いでゼロから法律の勉強を最低でも3年間やろうと思う人はわりと少ないのじゃないか。

ただ、そこで想像されている「勉強」は、インプットです。大抵は、少なくとも最初は。で、みんなめっちゃインプットな勉強をします。
でも、そのインプットがアウトプットに上手く活かせないことって結構多い。
これは、「文章を書くこと」に対するもともとの得意不得意とか慣れの問題もありますが、
「法律の分野の文章(というか論文事例問題の答案)、及び考え方」の独特の文法というか作法というか、
それに則っていないために考えたことが読む人・採点する人にちゃんと伝わらない、ということがわりとあります。
なので、先生の解説を聞いて「自分も同じようなこと考えた!」と思っていても、
自分の答案のその部分には点はついてなくて、「?」と書かれて返ってくる、という事態が発生する。悔しい。
ぐるぐる考えて文章がまとまらず、時間切れになったり読みにくい答案になって終わる、という事態が発生する。めっちゃ悔しい。


この「独特の文法というか作法」を学ぼうと思ったら、自分で文章できちんと答案を書いてみて、
参考答案とか、できれば自分より高く評価される周りの人の答案を見せてもらって、それと比べてみる、というのがとても有効だと思います。
答案構成だけだと、「だいたい同じようなことを自分も考えたな、OK」で終わってしまう恐れがある。
その考えたことをどう表現すれば(それは大抵、法律の世界に既存の考え方のどれにどうひきつければ、ということですが)、
読んでいる人=法律の世界でずっと生きてきた人、に伝わりやすいのか?
そこの研究を怠ると、すごく勉強している割に成績が伸びない、ということになりがちです。


というわけで、問題集を解くときは、答案を書きましょう。時間制限なしの前提ならPCでも良いですが。
文章は生き物なので、答案構成どおりに進まないこともあります。答案構成ができても文章が書けないこともとてもよくあります。
そこらへんの呼吸を掴むためにも、ぜひ。