歌舞伎見物のお供

歌舞伎の諸作品の解説です。これ読んで見に行けば、どなたでも混乱なく見られる、はず、です。

『鰯売恋曳網』 いわしうり こいのひきあみ

2009年01月27日 | 歌舞伎
古体なかんじのおおらかで華やかな舞台です。新作ですからわかりやすいです。
キレイにハッピーエンドにまとまっているので気楽に見てください。

平安末期から鎌倉にかけて、職業としての「遊女」がシステム的に完成したわけですが、いやそれまで売春がなかったというわけじゃなく、ええとこのお嬢さんだったり女官だったりした教養あふれるキレイなお姉さんと、りっぱなお座敷で高い金払って差しつ差されつしたあとエッチする、という、江戸の高級遊郭につながるシステムの話です。
はっきり元ネタの「御伽草子」に書いてありますが、
貴族の娘や女房たちならツテをたのめば誰でも何とかしてエッチはできるが、遊女はムリだ。大名クラスじゃないと相手にしてもらえない
だそうで、とにかくそのステイタスの高さは尋常じゃなかったようですよ。
なので、イワシ売りの主人公もお大名に化けないと恋しい遊女に会えなかったのです。

三島由紀夫が「俺が作れば新作でもこんなに古歌舞伎っぽくなるんだぜ」と言いたげに作った「新作」。戦後の上演。
このかたの、まだツヅやハタチだった玉三郎を「椿説弓張月」に抜擢した罪は重い。
あそこで天狗にならず、もう少し若いウチにまじめに修行していたら今より「は」少し上手になったんじゃないでしょうかあのかた。
↑余談

ていうか、「御伽草子」に入っているもとネタの「猿源氏草子」とこのお芝居とはずいぶん印象違いますよ。いやお芝居とは全然関係ないことですがー。

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