余暇問題研究所ニュース

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琵琶湖沖島訪問

2009年03月18日 | yamazakiの日記
日本の伝統と自然に生きる沖ノ島
去る3月9日、近江八幡市でデイサービスと保育園を運営している社会福祉法人むべの里理事長マーレー寛子さんの案内で、琵琶湖沖島を訪れました。沖島は行政上、近江八幡市沖島町に属します。大きさは1.6平方キロの島で、堀切港から沖島港までの連絡船に乗り15分ほど。島の大半は湖岸に接する山です。

下船してすぐ気がつくことは、艇庫に係留されている消防艇でした。人口約450人、僅かな湖岸近くのなだらかな斜面に、120戸くらいの家が軒を接して建てられ、通路は家に挟まれた軒下がほとんど。民家の他に木造二階建ての古風で小さくて立派な小学校と、それに寄り添うようにして保育園・デイサービスとその前には唯一のフィールドがあります。その他公民館と神社、二つのお寺が公共的な施設といえます。日本では湖の小島に人が住む島は数少ないといわれますが、沖島はその一つといえます。そして自動車も走らない島です。しかし、現代の少子化・高齢化という社会現象は、この島にも降りかかっているようです。

たまたま中村さんという79歳のお年寄りに港近くの路上で会い、立ち話に、島のお話を聞くことができました。「この島は、かつては“沖ノ島”と言っていたが、明治5年以後沖島になった。本格的に人が住むようになったのは、保元・平冶の乱によって7人の源氏の落ち武者が住み着いた。私は源氏の末裔。島民は、1軒に1艘以上の漁船を持って漁業を営み、主にモロコ、鮒、鮎、エビなどを獲っている。私たちは魚が住めない水になることを憂いている。そのために水質保全に努力している。そして魚たちに命を与えられていることに(対して)、感謝の心を忘れないようにしている」と・・・。

私たちは、中村さんの水質保全と感謝の心という言葉を噛み締めながら“沖ノ島”を後にしました。

山崎律子