『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
since 2000.3.7

左和多里の手児にい行き逢ひ赤駒が足掻きを速み言問はず来ぬ。今日の出来心2017年6月15日(木)

2017年06月15日 08時46分39秒 | Weblog

左和多里(さわたり)の 手児(てご)にい行(ゆ)き逢ひ 赤駒が 足掻(あが)きを速(はや)み 言問(ことと)はず来ぬ【万葉集巻十四 3540】

訳)左和多里の少女に出逢ったが 赤駒の歩みが速いので 言葉をかけずに来てしまった

つい想像を膨らませてしまう面白さがあります。

根拠もなしに相手に強要することになる、東歌は、そういう危うさを孕んでいる、

としたうえで、この歌に関して、いただいた資料、面白かったので、書き写し。

***

【考】男性集団の戯笑歌

若者が左和多里の村近くで、評判の美女にばったり出合った。息をのむ美しさであった。

茫然とした若者は声をかけることができなかった。村に戻った若者は仲間にさっきのことを話した。

「俺な、左和多里の手児に会ったぜ」

「お前どうした。話したか」

「いや、それがな、馬の足が速くてさ。一言も声をかけられなかったんだ」

こんな話が村中の評判になった。

「馬の足が速くて物も言えなかった」というのが嘘だということはみんな見抜いていた。

それから後、村の若者たちは、夜ばいに失敗するとこう言ったものだ。

「馬の足が速くてね」と。

「男性集団の戯笑歌」とは全訳注の、この歌について注するところである。

***

太宰治の「お伽草紙」など、日本昔話を太宰流に、ユーモラスに展開し、

とっても面白いわけですが、

言えば、上の【考】も、そのようなもので、

一種のファンタジーと思ってもいいかもしれません。

「俺な、左和多里の手児に会ったぜ」など、

東歌だから、東国なまりを意識してるんでしょう。

そういうところも、面白い。

昔の日本映画みたいな言い回し。

三島由紀夫が主演した映画「からっ風野郎」の、

DVDで言いますと、チャプター15、

「オメェみたいな女、はじめてだい」など、思い出します。

「馬の足が速くてね」、使っていきたい。

待ち合わせにだいぶ早くついたよ。

馬の足が速くてね。

歌を歌っていて、間奏があるのに、忘れて、二番を歌い出した。

馬の足が速くてね。

散髪に行ったんだけど、短くなり過ぎたね。

馬の足が速くてね。

こういうことは、互いに了解があるから、良いので、

そうでない時に、こんなことを言っても、

びっくりされるだけですから、気を付けましょう。

写真は、1900でいいますと、96年。

ラフォーレ原宿の前にオープンステージがあって、

そこで、ラジオの収録のために歌っているところ。

「ボイジャーは還れない」を歌った覚えがある。

顎のラインが、ちょっとエルヴィスに似ているぞ。

馬の足が速くてね。

今日も良い一日でありますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司

ジャンル:
ウェブログ
コメント (3)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 馬柵越し麦食む駒のはつはつ... | トップ | Live in Cloverのころ。七夕... »
最近の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今日は万葉集前半の部だから 大丈夫?でしょうか (ムーンライト)
2017-06-15 11:27:51
万葉集巻14のその辺りから巻15巻16に入っても延々と逢いたくて逢えなくて悶々とする艶っぽい歌が続いていて
久保田くんがおばさま方に囲まれて講義を受けていらっしゃるところを思い浮かべると ちょっと可愛かったりかわいそうだったりしまーす。
私達は作詞家先生が作品を生み出す仕事机の引き出しの中を覗かせていただいているようでとても興味深いのですがね!
 (いまこ)
2017-06-15 12:38:45
洋ちゃんの顎
かっこいいですね(#^.^#)

洋ちゃんの耳
耳の形が馬っぽいですね。

一度だけ
競馬を見に行ったことがあります。

競馬ってカッコ良さそうだからみてみたい!
と言ったら

お世話になっている農家さんが
連れて行ってくれました。

速く走る馬のカッコいい姿を想像して
どきどきわくわくしながら
車で三時間ぐらいかけて競馬場につきました。

それが。。。。

ばんえい競馬でした。

想像とはだいぶ形がちがう馬が
ゆっくりまっすぐ走る競争を見ました。

馬の足がゆっくりでびっくりしました。

とても楽しかったです。
木曜会のよう (月の舟)
2017-06-15 13:07:21
馬に寄せる東歌、何だか微笑ましいですね。
女性集団の歌なんて、あるのでしょうか?
あのお方、イケメンね〜、手綱さばきも素敵〜とか。
いつも万葉人の心映え、感じさせて頂いてます。
久保田さんの万葉愛溢れる文章に、感化されて、
私も万葉集のファンになりつつあるのかもしれません。

顎のライン、確かにエルヴィスに似てるかも。
だから、「意味ないっス」がキマるのですね。本家の「冷たくしないで」に負けてないっスよ!

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。