車の修理のために車を置いて、帰りは歩いて帰ってきた。
白樺が少々黄色くなり、日差しも秋もようです。
火曜日から病院で臨床見学実習をさせてもらい、新しい刺激をいただいております。
学生でもないので、実際に評価治療をしたりすることはないのですが、こちらの急性期病院の状況や、
言葉の使い方を実際に体験できる非常に重要な時間を過ごしています。
2日間整形外科チームを見させてもらいました。
僕が亀田で働いていたのはおおよそ10年前になるので、医学の進歩に僕が置いて行かれている事を実感しました。
ダーラナの病院では、脊椎、肩関節、股関節、膝関節、足関節、その他骨折等の手術患者さんが手術を受けているようです。
予定手術の場合、股関節の手術では、その日に手術して、その日に帰る事が出来るそうで。
膝関節は、手術当日に入院し、2日後に自宅退院できるそうです。
スピードの速さに驚かされました。
多くの症例で急性期のPT(理学療法士)は、術後翌日に1回だけ患者さんに会い、その後は術後の経過を3週後または、6週後に外来受診時に会うということになります。
手術の進歩に驚きですね。
また、整形外科には、脊椎外科受診前に手術適応かどうか評価する脊椎専門のPTがいます。
その方は、各地診療所から脊椎からくる症状で対応困難な患者さんが受診します。
医師の受診には非常に長い期間待たなければならないので、それを緩和するために仕事をしているそうで。
ダーラナ県中から患者さんが来ます。
昨日見学させてもらったのですが、腰椎ヘルニアの患者さんと、臀部の筋性疼痛の患者さんが受診していました。
外来でもPTは働いてまして、
肩関節外傷の患者さんを評価を見学させてもらいました。
スウェーデンでは、PTが肩関節滑液包に局所麻酔薬を注射し評価することが出来ることを知りました。
評価により肩峰下でのインピンジメントが疑われるとスクリーニングのために注射し痛みを一時的に緩和し確認します。
2年前から特別な教育を受けると、実施可能となったそうです。
僕が働いている病院では、MR撮影は頻繁にしません。コスト削減のため。
そのために、PTが評価を行いMR撮影の必要か否かを判断する仕事を担っているそうです。
手術適応と判断されれば、MR撮影を行い、保存療法を選択すればMRは撮りません。
脊椎専門のPTも肩関節外来のPTも、MR撮影の前に評価を行ってました。
参考にしている画像は、過去のMRやCTです。
あとは、超音波が診察室にあったら完璧かな?と思った次第です。
しかしながら、こちらの急性期のPTは、非常に医師に近い仕事をしている印象をうけました。
評価を行い、患者さんと今後の方針を決定する。
手術が必要な場合は、医師に報告し、患者さんは医師の受診となるわけです。
PTが治療を行うのは、急性期では少なく、
各地域にある診療所または、私立のPTが行うようです。
診療所の医師、PTの能力が低い場合に、臀部の筋性疼痛により脊椎外科を受診してしまったりすることがあるようです。
スウェーデンの医療の特徴として、
医師に受診するにはとにかく時間がかかります。
そのため、特殊な教育を受けた看護師や理学療法士などの職業が医師の業務の一部を担っています。
非常に興味深い。
来週は、外科チームの見学です。