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クリシュナ物語の要約(32)「象のクヴァラヤーピーダの殺害」

2017-07-27 09:56:32 | 経典の言葉・聖者の言葉


 
(32)象のクヴァラヤーピーダの殺害


 その後、クリシュナとバララーマは、楽しくマトゥラーの町を歩き回った後、夜になると牛乳で炊いたご飯を食べ、翌日にカンサが企んでいることを知りながらも、楽しく夜を過ごしたのでした。

 一方カンサは、起きているときも、夢の中でも、差し迫る自分の死を示す様々な凶兆を見、恐怖と不安のために一睡もできなかったのでした。

 やがて夜が明けると、格闘技大会が始まるために、カンサ、大臣、格闘士たち、そして多くの観客たちが、続々と闘技場に集まってきました。ナンダをはじめとするヴラジャの牛飼いたちも、招待を受けて闘技場にやってきていました。

 そしてクリシュナとバララーマも、格闘技大会を見物するために、都へと入っていきました。
 二人が円形闘技場の入り口に到着したとき、そこには象のクヴァラヤーピーダが、二人を殺すために待ち構えているのが見えました。そこでクリシュナは、象の番人にこう言いました。

「ああ、象使いよ。直ちに僕たち二人を通すのだ! さもなくばおまえとその象を、すぐさまヤマ(死神)の世界に送ってやるぞ!」

 こう言われた象使いは激しく怒り、クヴァラヤーピーダをクリシュナめがけてけしかけました。クヴァラヤーピーダは突進し、長い鼻でクリシュナの身体を捕まえましたが、クリシュナは簡単にそこからすり抜けて、強烈な一撃をクヴァラヤーピーダに加えた後、さっとその象の足の間に身を隠しました。
 クリシュナを見失ったクヴァラヤーピーダは、ようやくクリシュナの姿を自分の足下に見つけると、再び長い鼻でクリシュナを捕まえましたが、クリシュナは再び脱出し、クヴァラヤーピーダのしっぽをつかむと、そのままクヴァラヤーピーダを引きずっていきました。クヴァラヤーピーダもまた、クリシュナを捕まえようと回転しました。このときのこのクリシュナと象の様子は、まるで子牛と戯れる子供のようでした。
 そして最後にはクリシュナは、象の鼻をつかんで大地に思い切りたたきつけると、その御足で象を踏みつけ、戯れるようにその牙を引き抜いて、クヴァラヤーピーダを絶滅させたのでした。

 クヴァラヤーピーダの牙を持ったまま、クリシュナは闘技場の中へと入っていきました。体中に象の体液と血液を浴びて、片方の肩には象の牙を掲げ、蓮華のようなお顔にはうっすらと汗がにじんだクリシュナの姿は、非常に魅力あふれて見えたのでした。

 バララーマとともに闘技場に入ってきたクリシュナの姿は、闘士の眼には雷電として映り、男性の目には男の中の最高者として映り、女性の目には愛の化身として映り、牛飼いたちには親族として映り、邪悪な王たちには自分の征服者として映り、両親には息子として映り、カンサ王には死として映り、愚か者の眼には非力で未熟な者のように映り、ヨーギーの眼には至高のブラフマンとして映り、そしてヴリシュニ族には最高の神として映ったのでした。

 観客席に座っていた都や地方の人々は、クリシュナとバララーマの姿を眼にすると、恍惚とした喜びに眼と顔は光り輝き、美しい二人の顔を、いくら見ても飽きませんでした。
 二人の御子の神々しい美しさを、彼らは眼で飲み干し、舌でなめつくし、鼻で吸い込み、腕で抱きしめて味わったのでした。

 そして人々は、自分たちがこの二人の御子について見たり聞いたりしてきたことを、次のように話し始めたのでした。

「この二人の兄弟は、ナーラーヤナ・シュリー・ハリが、ヴァスデーヴァの家に降誕された方々なのだそうだ。
 弟の方のクリシュナは、本当はデーヴァキーの息子だが、生まれてすぐにゴークラに連れて行かれて、今までナンダの家に身を隠していたそうだ。
 そしてあの子は、プータナーや竜巻の姿をしたトリナーヴァルタ、さらにシャンカキューダや悪魔ケーシー、デーヌカなどをすべて殺してしまい、二本のアルジュナの樹も根こそぎ倒してしまったそうだ。
 ヴラジャの牛とその番人たちは、この子のおかげで森の火事から助けられて、蛇のカーリヤもこの子によって成敗されたそうだ。そしてこの子は、偉大な山を片手で七日間も持ち上げて、インドラ神のプライドをくじき、ヴラジャを雨や嵐や稲妻から守ったそうだ。
 そしてほほえみを浮かべたあの子の顔を見て、ヴラジャの女性たちは大いに喜び、すべてを見通すようなまなざしに勇気づけられて、悲しみを容易に乗り越えていったそうだ。
 ヤドゥ族はすべての面であの子によって守られ、やがて世界に名だたる一族となり、繁栄と名声、栄光を手に入れるだろうと、賢者たちにそう宣言されたそうだ。
 そして横に立つ兄の方の、蓮華の眼をしたバララーマは、悪魔のプラランバや、子牛の姿でやってきた悪魔ヴァッツァカ、そして悪魔バカなどを、すべて殺してしまったそうだ!」




つづく
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