渡辺竜王VSボナンザ

ちょっと古い話題なのだが、テレビで特集が組まれてたので見てみた
さすがNHKと思わせる完成度の作品のため、１時間３０分、じっくり見てしまった
プロ棋士のコメント、特に竜王のインタビューは核心をつく質問ばかりで面白かった
ボナンザとの対戦、当初竜王は拒否してたみたいだが
まぁ、いろんな事情があって受けたわけだが
これだけ公式の場でソフトと指すのは初めてのこと
もし負けたら？
多分そんな不安が大きかったでしょう
そこを引き受けた竜王の大きさは流石と思った
そして、ボナンザ対策も初心者にもわかるような丁寧な解説
ボナンザは角切りが有名である
ボナンザは攻めの棋風なので、攻められるのなら角銀交換も厭わない
竜王は、研究の結果、そこをつく作戦に出た
陣形もボナのための陣形、３２金と穴熊に囲ってた金の守り駒を４２に移動した
角打に控えての移動である
竜王は、角打ちが絶対来ると思って安心して席を立つ
だが！
いつものボナなら、そこで悪手の角打ちをはずなのだが
予定外の一手がきた
戻ってきた竜王はこの手を見て当惑した
そこから竜王の回路が少しずつズレていく
その状況をカメラは抑えていて、途中ぼやきも全て音声として録音されてた
中盤の指し回しに、強すぎるとポツリと出たときは驚いた
そして終盤に入り、竜王は最悪のシナリオと勝つシナリオ
その手をボナに任せたのである
結果はご存知の通り、ボナが負けたので、竜王が勝つ手をさしてしまったが
もし、竜王が予想してた手をさしていたらと思うと

全てを見終わったとき、こんなにギリギリの対局だとは思わなかった
最後まで飽きさせない展開
初心者にも、知ってる人にも見せる演出は素晴らしかった

個人的には、ボナの産みの親の保木さんのインタビューが豊富だったのが嬉しかった
このマシンスペックに頼らず化け物レベルのソフトを作り上げた作者にはどうしても興味を持ってしまう
簡単に紹介すると、保木さんは大学の研究員であり将棋関連の仕事の人ではない
しかも、将棋が強いわけではない
そんな人が、これだけのソフトを作ったことに改めて驚くし
なにより、将棋の知識が本当にないという場面が面白かった
一応対局者なのに形勢判断が全くわからない
なので、これはいいのか悪いのか戦ってるのにわからないという可笑しさｗ
投了は、こちらが手番のときにするのかとか
このギャップの違いにかなり楽しませてもらった

ちなみに、竜王が戦ったボナンザは普通のボナンザでは無いらしい
ボナンザは全幅検索、全ての可能性を探して指すのだが
これにある程度絞って検索する機能も追加したらしく
更にレベルアップした模様

まさか、こんなに早く、これだけのソフトが世に誕生するとは
将棋の将来も不安に見えてきた、ソフトの成長も楽しみである