ヨダログ

囲碁棋士 依田紀基のブログ

棋道一筋に生きた杉内雅男先生

2017-11-24 | 日記

杉内雅男先生が亡くなられた。本当に残念に思う。囲碁界の宝として尊敬申し上げていた。

僕は2009年頃、棋士会長だった時代に、棋士会で杉内先生を最高齢競技者としてギネスブックに申請した事がある。

その理由は杉内先生の存在をもっと世間にアピールしたいと思ったから。

90歳を超えて若手棋士と渡り合う杉内先生の活躍を見たら、世の高齢の方々にどれほどの勇気を与えることが出来るだろうとの思いからだった。

聖路加病院名誉院長の日野原先生も凄いけれども、杉内先生は日野原先生に比肩すると思っていた。

日本棋院にはもっともっと、杉内先生がお元気なうちに世間にアピールしてほしい、そして世の中の人を勇気づける、そうあってほしいと思っていた。

ただ、これは難しい一面もあったかもしれない。なぜかと言えば、杉内先生は棋道一筋に生きているので俗世の事はほとんど興味がなかったと思うから。

それでも、世のため、人のため、囲碁界のためですと言って、杉内先生にお願いすればご負担のかからない範囲で世間にアピールすることが出来たかもしれないと思うと本当に残念に思う。

杉内先生は囲碁界の宝だった。97歳で亡くなられまで現役棋士として対局された。

持ち時間3時間の対局で1日対局相手と向き合って座っているだけでも大変なエネルギーを要する。

こんなこと他の誰ができる?いや、もう一人いた。それは奥さまの杉内寿子先生である。

寿子先生も又超人的に凄いと僕は思っている。寿先生にはぜひお身体に気をつけられてこれからも世の中の人を勇気づける存在でありますことを心から願う。

杉内雅男先生のご冥福をお祈りいたします。


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囲碁と悪女

2017-11-18 | 日記

昨日は溜池のインターコンチネンタルホテルで二回目の僕の著書「どん底名人」と友人の稲葉禄子さんの著書「囲碁と悪女」の出版記念パーティーを行いました。

一回目は昼に行い、今回は夜6時から行いました。前回同様、たくさんの方においでいただきましたが、どちらかと言えば僕が初めてお目にかかるが多かったと思うので稲葉さんの人脈の広さは本当に大したものだと思います。

僕は稲葉さんを「観音様」と言ってますが、これもひとえに稲葉さんの人間的魅力だと思います。

稲葉さんの魅力ですが、とてもサービス精神が旺盛なんです。人を楽しませるために身体を張ってます。

そして、心根がとても優しいんです。これが稲葉さんを観音様と言っている理由です。

本で読んだことですが、観音菩薩は将来、如来になるために修行しているらしいんです。

それで安心してたくさんの人が周りに集まってくるようにと、観音様はとてもおしゃれなんです。だから僕は稲葉さんを観音様と言ってます。

パーティーでは色々な出し物がありましたが、稲葉さんが「戦友」、「囲碁界のターミネーター」と言っている後藤俊午9段との掛け合いは本当に面白かった。後藤君は稲葉さんと、М1グランプリに出たいと壇上で言ってました。ギャラは500円でいいということなのでもし、お笑い関係の方がこれを読んでいたら、後藤君と稲葉さんをよろしくお願いします。

本題ですが、「囲碁と悪女」最高に面白いです。僕の友人は、これから碁を覚えようかどうしようかと思っている人が読むべきだと言ってました。

この本の中には僕のことも書いてくれているし、たくさんの人との交友録が書かれていて、それも又面白いのですが、僕は個人的には世界的ミュージシャンの、デイビットリーロスとの話が最高に面白く、ここを読むだけでもこの本を購入する価値があると思います。


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生涯で一番嬉しかったスピーチ

2017-11-12 | 日記

11月10日に溜池にあるインターコンチネンタルホテルのレストランの一室を借り切って角川書店さんから出版される

僕の「どん底名人」と稲葉禄子さんの「囲碁と悪女」の合同出版記念パーティーが行われて沢山の方に来ていただきました。

稲葉さんの友人でソプラノ歌手の土田彩花さんには美しい歌声を披露していただき、パーティーに花を添えていただきました。又、土田さんは2016年のミスワールドのファイナリストであり、大変な美人です。

僕がお聞きしたところ、碁はまだ打たれないとのことだったので、パーティーの後、稲葉さんが経営する囲碁サロン「ランカ」で囲碁のルールを覚えてもらいました。特に土田さんのような華のある方に碁をやってもらうと囲碁界の発展につながりますからね。その後、簡単なコツだけ教えて9路盤で土田さんの先で僕と対局したところ、ケイマの好きな土田さんの黒3目勝ちとなりました。

パーティーではたくさんの方に心温まるスピーチをいただきました。僕が特に感動し、嬉しく思ったのが花まる学習会代表の高濱正伸先生のスピーチでした。今までの生涯で一番嬉しかった言葉と言っても過言ではありません。

その前に高濱先生の話をしたいと思います。そのほうが、どうして僕が高濱先生のスピーチに感動して嬉しく思っているのかわかると思うからです。

高濱先生は非常に人間的魅力が高い方です。高濱先生に教わる子供は幸せだと思います。

なぜなら、高濱先生の魅力に引き込まれて高濱先生の言うことをききたいと子供が思ってしまうに違いないと思うからです。そして子供は高濱先生のような大人になりたいと思うに違いありません。

教育者に本当に必要なことはこういうことなんだなあと、高濱先生を見て思います。

高濱先生の本に書いてあったことですが、言葉にする力、考える力、想像する力、試す力、やり抜く力、の以上、5つの力を子供の内に身に着けさせることが、将来自立して生きていける大人に育てることに必要だとのことです。この5つの力は全て関連しあってます。

僕はこれを読んで「これ全部碁の上達のために必要なことではないか?」と思いました。例えば、言葉にする力というのは人に碁を教えるときや討論するとき必要です。「なぜなのか」説明する必要があるからです。又、言葉にすることで自分の考えを整理することができます。

だから人に指導をするというのは実は指導する側も勉強になるものなのです。花まる学習塾の教室の様子をネットで見ると学年が上の子が下の子に勉強を教えている光景を見ました。そして子供達の表情がいきいきしているのが印象的でしたね。

「想像する力」というのは碁の力そのものと言って過言ではありません。碁は全てをイメージでやっていると言えるからです。

「試す力」も碁の上達には必要です。既存の常識に自分なりの工夫や解釈を加えて新しいものを創り出す心構えが重要であり、それが一流への近道と僕は考えてきました。既存の打ち方と自分の考えた手のどちらが良いかわからなければ自分の考えた新しい手を試すべきと思います。

最後の「やり抜く力」ですが、「継続」と言い換えることもできると思います。

僕は碁が強くなるための方程式は継続×信念×ツキと思ってますが、継続して勉強することがなければ上達するわけないのは当然です。

劣等生の自分がかなり修正されてマシになったのは長年碁をやってきたおかげだとひそかに思ってましたが、

高濱先生の本を読んで意を強くしたわけです。

なお、僕がオール1の劣等生だったのは事実で、言っても信じない人も多いので、どん底名人に僕の中学3年の通知表を掲載しました。高濱先生は20年以上前から子供の教育には碁が良いと言っておられて、実際に学習塾では碁を取り入れているし、「ジュニア本因坊戦」という中学生までの子供を対象にした囲碁大会の協賛もしていただいてます。

壇上でスピーチに立った高濱先生に華やかで力強いオーラを感じました。マイクを握った高濱先生は、

「皆さんどん底名人読んでないでしょ?すごいですよ。ここ20年で一番の本です。麻雀放浪記、ドストエフスキーの賭博者。学校の勉強とは何なのかと突き付けていますよ。21世紀の教育は一つのことをやり抜く。これです。」

最後に静かに「惚れました」と言われて高濱先生は壇上を降りられました。最高に嬉しいひと時でした。

 

 


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どん底名人

2017-11-08 | 日記

僕が遺言と思って書き上げた自伝の書である「どん底名人」が角川書店さんからいよいよ発売する運びとなり感無量です。

棋譜は一切ありません。ですから碁を知らない人にも読んでもらいたいと思ってます。

発売日は11月10日ですが東京の書店が少し早く、早い所で今日の夜、9日には東京の書店に並ぶそうです。

 

僕は50歳を過ぎた頃、自分の足跡を残したいと考えるようになりました。

 

僕が今までの人生で何を掴んで、何を失い、どん底の中でどのようにのたうち回り行動してきたのかなどの軌跡を出来る限り正直に赤裸々に書いたつもりです。

 

馬鹿げたこともたくさんやってきました。本書を読んだ人は僕のあまりの馬鹿さ加減に呆れかえるかもしれません。

それでも自分は意志が弱いと自覚して僕なりに工夫してなんとか生きています。

 

どん底名人の出版を機に花まる学習会代表の高濱正伸先生と対談させていただく機会を得ました。

 

高濱先生は非常に話の引き出しが多く、話に引き込まれました。とても楽しく又、勉強させていただきました。

 

高濱先生からは本書を「オスのバイブル」「20年に一度の本」との過分な言葉をいただきました。

 

高濱先生は学校の勉強だけではなく、いかに子供が自立し、生命力の強い、どんな状況でも力強く生き抜く人間に育てるか、というところに重きを置いている方です。

その高濱先生から「オスのバイブル」と言っていただいたことは最高に嬉しいことでした。

本書を読んだ人が何か1つでも人生に役立つことがあれば無上の喜びです。


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