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囲碁棋士 依田紀基のブログ

記事のタイトルを入力してください(必須)不細工とコンプライアンス

2016-10-22 | 日記

10月27日号の週刊文春の竜王戦の記事について以前も書いたけど、

実は記事の中に少しカチンとくる記述があったんだよね。

普通はあまり感じる人は少ないかもしれないけど。

それは、「ソフトが強くなったことはもう数年前から分かっていたにもかかわらず、何も手を打っていなかった連盟側の責任は極めて大きい」

という一文です。確かに結果論からしたらその通りかもしれない。

でも、人工知能に、もはや人間は勝てないであろうという現状は囲碁界も将棋界と変わりはない。

しかし、囲碁界はこのことに対してまだ何か手を打っているわけではない。

確かに金属探知機などで検査をしたらこのような問題は起こらないかもしれない。

でも、僕個人としては、率先して推奨する気が起きない理由は、ただ一つ。

「不細工で恰好が悪いから」ということに尽きる。

おそらく、今まで将棋界もそうであったろうと思う。

そして現在の囲碁界も。

恰好が悪いことは誰も進んでやりたくないからね。

でも、将棋界もこのような問題が実際に起きてそんなこと言っていられなくなった、

組織防衛という観点から渋々、金属探知機で検査なんかやっているんだと思うよ。

木谷実先生や呉清源先生が生きていたら何と言われるだろう?と考えるよ。

僕は棋士会長を短い間務めていたことがあって、

コンプライアンスというものについて少し調べたことがある。

日本棋院にもコンプライアンスはあるからね。

組織でコンプライアンスと言えば、

例えば、今回の将棋界のような問題が起きると、信用が落ちて組織の存続が危なくなるので、

それを防止するような、制度作りというか、転ばぬ先の杖的なルール作りが、

組織のコンプライアンスというのが僕の理解です。

渡辺竜王も羽生さんもこの点を心配されていたみたいだしね。

だから対局前の金属探知機導入もコンプライアンスの一環と言えると思う。

でもね、何となく寂しさを感じるんだよ。囲碁界もそうなるとしたら。

木谷先生や呉清源先生などの先達はそんなレベルよりもはるか上の倫理観で碁を打っていた。

自分もそうありたい、そんな疑いをかけるなんて夢にも考え付かない。そんな存在でありたいと思うからね。

まあ、僕の感想でね。

僕は棋院から住んでいる所が近いこともあって、対局の時はスマホも持って行かないし、

なんでもいいんだけどね。

棋院でも金属探知機を導入してしばらくしたら慣れるかな。

飛行機乗るときだって、チェック無しじゃ、ハイジャックや爆弾テロ怖いしね。

まとまりのない文章ですみません。

 

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