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『鸚鵡貝』創刊号 (1983年2月)

2011年03月29日 23時24分07秒 | 彫刻家 後藤清一
『鸚鵡貝』創刊号 (1983年2月)



ご近所のAさんから書物を2冊戴いた話を書いた。
今回は『鸚鵡貝』創刊号にまつわる話を。

現在も月1回の俳句会を開いている「日めくり」の仲間が中心になって「同人誌を作ろう」との話がまとまった。
1983年2月に発行されたから、その1年前として31年前だ。
賛同者を募のり、内容は本人の書きたいことで自由、ページ数に応じてお金を支払う。と云うような次第となった。
金銭的には、さほど厳密にと云うことでもなかった、とは思うが。

表紙絵と文中のカットは画家の福地靖さんが、編集から印刷・刊行まで一切を大曽根克彦さん(当時、タウン誌の編集長で現在はフリーのライター)が担当する。
と云う下相談が出来たから実現したのだ。

目次のタイトルと作者は

●創作
 朽ちかけた墓標 藤井真琴
 夢の残り  内海冗
 白い花  大曽根克彦
 親しい関係 竹入大作
 栄螺浄土 福地玲子
 きつとショートしょーと 吉川ヨーコ
 壁 宮本哲三
●俳句
 急に汲汲 大野孝
 火の枝 枝川くれい
●短歌
 暗渠 小泉光代



●評伝
 後藤清一さんのこと 高橋洋一


●評論 
 「超え出る」ことへの私的序章 佐藤洋照
デッサン 武石とし子
ぬりゑ きしねみつたか

〈雑感往来〉として、大野孝・武石とし子・瀬田勝・ 佐藤洋照・藤井真琴・福地玲子・吉川洋子・大曽根克彦の各氏がエッセイを寄せている。

小説・俳句・短歌・評伝・評論・絵画・随筆と内容豊富な総合誌。
サブタイトルには「文学と美術の小宇宙誌」と銘打っている。

同人誌は3号まで、とも言われるが創刊号だけで終了したか、或いは2号も発行されたが、僕が参加しなかったのか。
定かなことはは失念した。





『後藤清一さんのこと』は彫刻家・後藤清一(1893-1984)さんの人と作品について纏めるきっかけとなった。
後藤さんはその1年後に亡くなられた。

『鸚鵡貝』創刊号の資料を基に取材を重ね『後藤清一・ひとつの象徴と造型』として1990年に刊行。
後藤清一さんの生涯と作品を概観できる278頁の本としてまとめることが出来た。

あれから21年を経過した。
後藤さんの作品は「静謐」な、と呼ばれることが多いが、静かさを秘めた中に大きな思いやりを感じさせる造型だ。

当時、茨城県内では木内克さんと並ぶ彫刻界の第一人者であったが、徐々に忘れ去られようとしていた。
最近、韓国の中央博物館で日本を代表する木彫作品として紹介された。
北鎌倉の東慶寺蔵「水月観音」と並んで『水月堂』に安置されている。
「誕生仏」の素晴らしさによって、再評価の機運が高まっている。

『鸚鵡貝』に参加したことにより、「後藤さんの人と作品」を多くの人に知ってもらうきっかけになったことは、大きな喜びだ。
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