「西の谷緑地公園」を美しく!

「公園都市水戸」の街造りを考える人達と協働したいと思っています。

武石浩玻展「憧れの空に」@水戸市立博物館

2015年01月29日 22時57分11秒 | 博物館
武石浩玻展「憧れの空に」@水戸市立博物館
2月14日(日)~3月22日(日)



明日は、関東地方の平野部でも雪が降るかも、との天気予報。
春に向けて天候が不安定な時期、先駆けの梅の花がほころび始める。
梅祭りにお出で下さる皆様に、歓迎のイベントが組まれる。

水戸市立博物館では「あこがれの空へ 民間パイロットの先駆け・武石浩玻」展が開催される。
今から102年前、空を飛ぶことへの憧れを実践した武石浩玻(1884-1913)もその一人。

水戸中学校(現・水戸一高)を卒業後1903年に渡米。
カーチス飛行学校で操縦技術を学び、わずか3か月で卒業。
在留邦人の援助を得て飛行機を購入して帰国。
日本の航空界の黎明期に民間パイロットとして名をあげた。



しかし、1913年5月飛行会最終日「都市連絡飛行」において、着陸寸前に墜落28歳の生涯を閉じた。
1903年にライト兄弟が飛行機を発明してから10年後の出来事だった。

没後間もなく、水戸中学校長・菊地謙二郎らが発起人となって記念碑建設募金活動が行われた。7月に建碑費二千円が集まり、12月には水戸中学の西端、旧水戸城址・月見櫓跡の土塁の上に飛行服姿の銅像が建立された。

第二次大戦中は多くの銅像や梵鐘など金属製品の回収が行われたにも拘らず供出を免れた。飛行操縦士の像と云うことなのだろうが、まれな例だ。

水戸中学・水戸一高生に親しまれた「武石浩玻像」


この像を見れば、卒業生の多くは何らかの思いが連想される。



100年以上も同じ場所に立ち続けたが、2011年3月11日の東日本大震災の際に倒壊した.今では跡地に立ち入る人は少ない。





2011年10月、校舎前に移築された。

2月14日(日)から水戸市立博物館開催される「あこがれの空へ 民間パイロットの先駆け・武石浩玻」展。
どの様な展示内容になるか、心待ちにしている。
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児島虎次郎記念館・オリエント室@倉敷アイビースクエア

2015年01月29日 10時18分34秒 | 美術館
児島虎次郎記念館・オリエント室@倉敷アイビースクエア








大原美術館は想像以上の広さと広範囲なコレクションであったが、倉敷アイビースクエア内の「児島虎次郎記念館」内の「オリエント室」にも驚いた。

倉敷アイビースクエアは1889年(明治22年)に建設された倉敷紡績創業の旧工場で、1973年(昭和48年)に改修され、観光施設として再生された。
児島虎次郎記念館はその一部で、大原美術館の共通券で入場できる。


児島虎次郎(1881年– 1929年)は、1902年(明治35年)東京美術学校(現在の東京芸術大学)西洋画科選科に入学。
倉敷の実業家大原家の奨学生となる。のち、大原家当主となった1歳年上の大原孫三郎とは生涯親交を持ち、経済的援助を受け続けた。

かねてよりわが国には本格的な西洋絵画のコレクションや美術館がなく、西洋画を学ぶ人たちにとって極めて不便な状況であることを残念に思っていた児島は、その収集を孫三郎に進言する。

その結果、自身の留学と絵画買い付けのため数度ヨーロッパに渡りモネ、エル・グレコ、ゴーギャン、ロダンなどの作品を購入した。
その行きと帰りにエジプトに立ち寄りカイロ、ギザのピラミッドなどを訪れ、非常に感銘を受けた。1923年3月の復路では、カイロ、ギザのほかルクソールなどにも訪れている。 この時、児島は骨董店などをめぐり、エジプト古美術を収集した。
「児島虎次郎記念館・オリエント室」には、この時に購入されたエジプト・オリエント美術のコレクションが展示されていた。
現在は、世界中の国が文化財の持ち出しが禁止されている。
当時は、その様な状態でなかったから、購入した大量の品々を持ち出すことが出来た。



女神イシス、または女神ネフティス。木製・金彩:高さ34,5㎝。
プトレマイオス期(紀元前304年-紀元前30年)



猫・ブロンズ 高さ17㎝ エジプトファラオ時代の末期(紀元前663-525)


この収集品が後の大原美術館建設の礎を築いたが、児島虎次郎が将来した古代エジプトやペルシアの古物は当事国内最大のコレクション。
蒐集品から児島虎次郎の卓越した審美眼と学術的先見性が窺える。

素晴らしいコレクションだが、展示室内の照明や展示の什器等改良すべき点を感じたが、予算の面等で致し方ないのかもしれない。

とは言え、100年近く前に西欧の近代美術、中近東・エジプト美術、中国美術などに対する炯眼に驚くほかない。

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