そうだBL読もう

BL作品の感想などを気の向くままに綴ります。

『仁義なき嫁 海風編』

2016-10-20 | 高月紅葉
久しぶりのブログ更新だし読書まとめをしようと思ってたんだけど、その前に三井好きとしてはぜひ仁義なき嫁の話をしたかった。
第二部文庫化おめでとうございます!




仁義なき嫁 海風編 (ラルーナ文庫) 文庫 – 2016/10/20

高月紅葉 (著), 高峰顕 (イラスト)


こおろぎ組の狂犬こと佐和紀が大滝組若頭補佐、岩下周平の『男嫁』になって一年と数ヶ月。
すったもんだの数々を経て、やっと甘い新婚生活…と思いきや、かつて佐和紀が暮らしていた長屋の少年、光が突然現れ、
闇金に拉致されてしまった父親を助け出して欲しいと泣きつかれた。
どうやら佐和紀絡みの黒幕がいるらしい。しばらく光は居候することになり、追い出される形となった周平。
ところが深夜、光が金目の物を物色する姿が…。 (Amazonより)





第二部(今作)からイラストレーターが高峰顕先生になったんですが三井が本当にかわいすぎて意味がわからない
もう三井大好きなのですっごく嬉しかった!本文の挿絵にも2回登場してくれたし(快挙)、あとがきの能天気な笑顔最高…天使だ…全私が泣いた
あと、高峰先生があとがきで「三井がお気に入り」とおっしゃっていたのがめちゃくちゃ嬉しかったし、三井がヤンキージャージ以外の服を着こなしてたのも嬉しかった!オカムラスキーはよく見かけるけどミツイスキーはレアだからなあ…。これを機に増えるといいな、ミツイスキー(俳句)
佐和紀と周平の眼鏡のデザインも繊細で意匠が凝らされているし、うーん皆おしゃれだ…すごい…。特に佐和紀のサングラスがお気に入りです。細身でかっこいい。佐和紀の鋭い目線もふっとほどけて揺らぐ表情も、色気があってとても良かったです。
高峰先生バージョンのキャラ達が見られて嬉しかったな。ありがとうございます。
今回石垣は表紙だけだったけど次巻で出てくるのかな…?次巻は新キャラも登場するしストーリーも好きなので楽しみだ~!

海風編は内容がわりとしんどいんだけど(というか仁義嫁は全体的に人間の狡さとかどうしようもない閉塞感とかの描写が容赦ない)、佐和紀のブレなさにとにかく救われる。
主人公が恋をして困惑したり怖気づいたり…という展開は恋愛小説の定石だけど、佐和紀はこの「惑い」の時期をさっさと踏み越えて恋を自信に変えていったからな…。周囲を巻き込んでどんどん奔放に魅惑的になっていく佐和紀が読んでいて痛快。
そして合間合間に覗く周平の甘さもまた良い。特に

「行ってきます。帰ってくるよ。と、それだけを言いに来た佐和紀の律義さが愛しい。」

という一文から溢れる柔らかな空気感がすごくて泣きそうになった。
周平と佐和紀の今の関係性を端的に表している言葉だと思ったんだよね。何というか…、二人の間にあった妙な遠慮や相手に対する幻想がなくなったんだな、と思った。自由に自然に寄り添ってるんだなーと…。
心に残って忘れられない文章でした。

このシリーズは読み進めるごとに周囲の大人たちの狡猾さや身勝手さが重くのしかかってきて(これは周囲がパワーアップしているというよりは、佐和紀が思考するようになって客観的に状況を認識し始めたせいだと思う)、松浦さんと仲違いした時も辛かったけど、今回の光とのやりとりもつらかったなあ…。
佐和紀を自分の理想にあてはめて糾弾する光は(本人の自覚なく)大人と同じことをしているんだよね。しかも、子どもだから駆け引きも保身もない。まっすぐに、都合の良い信頼を押し付けて見返りを引き出そうとするさまがつらかった。
これが大人相手なら力に力で対抗すればいいんだけど、光は力を持たない子どもで被害者でもあって、やるせないというか…感情の対処が難しかったな。特に光が駄目な親を必死で慕っているあたり胸をえぐられすぎて冷静になれなかった。
今までの佐和紀の相手は力や欲の所有者だったから完璧に相容れない存在だったけれど、光は全く違う角度からいきなり飛び込んできた刺客だった。まあ、この子が佐和紀に向かう欲望の一端をシンプルに提示してくれたおかげで、自分の中でシリーズの過去のエピソードもよりクリアになったんだけど…。
そんなわけで私が光という存在に困惑しまくってた一方、佐和紀は全然迷わなかったね(笑)こういうところが佐和紀の良さであり大人なんだな~と思うところだよなあ。被害者であることと間違いを犯すことを全くの別の問題として扱い、それぞれにきちんと向き合って。
まあ、佐和紀もまた光と同じように、相手に自分の理想を押し付けているとも言えるんだけど。その上力も持っているし(物理的な力も権力も)。変な話、海千山千の輩を相手にしてるよりよっぽどヤクザっぽかったな。でも、佐和紀の理想は光が欲しかった答えでもあるんだよね…。
私は…まあ、自分の家族が色々問題を抱えてたこともあって、家族の絆とかを全く信じていないので、光の人生が幸せなのかよくわからないんだけど…幸せであってほしいなと思った。佐和紀が一線を引いた向こうの世界に帰っていけるんだから、その世界の中での自分の幸せをつかんでほしい。光みたいな子が幸せになれるのが小説の良さだと思うので…。


と、何だか書いてるうちにしんみりしてきてしまった…うーん、まじか…。今回はかなり早売りで入手したので、人と感想を共有しないまま色々考えていたらどんどん煮詰まってきてしまった。
ニュアンスが毎回異なる色っぽいベッドシーンとか軽妙な台詞のやりとりとか大立ち回りとか、ほかにも語りたい要素たくさんあるんだけどな!個人的な趣味とトラウマによって三井と光に全て持っていかれてしまった感 というかこんなに好き勝手書いて大丈夫かな……(今更)
あっそれと言い忘れてたけど能見の軽口がすごく好きなので、今回も登場してくれて嬉しかった!彼を見ていると能天気も才能だなあと思う。三井と能見のお気楽コンビかわいい…三井お願いだからハゲないで… ※P203
能見が佐和紀を奥さんって呼ぶのが好きなんだよな。旦那じゃない人が「奥さん」呼びするのって微妙なニュアンスがあって良いよね~。えろい。BLではあまり見ないけど。

あと、軽妙な台詞といえば佐和ちゃんの偏りすぎたボキャブラリーがすごいツボなんだけど、今回も「ギブアンドテイク」が通じないのに「持ちつ持たれつ」で通じるのめっちゃ面白かった…普通逆だよ…さすがの周平も一拍間が空いたよ(そしてこの“間”が最高に笑える)
「おさんどん」も然り、絶妙に時代を感じる言葉遣いだよね。かわいいな~。
今まで佐和紀の言葉のチョイスはこおろぎ組からの名残だと思っていたんだけど、もしかして石垣が読ませてる時代小説も影響してるんじゃ?とふと思った。えーとどこかに記述ありましたっけ…(シリーズ読み返すフラグ)
とりあえず舎弟ズは佐和ちゃんに色んな本を読ませてもりもり語彙を増やしてあげてほしいですね!

他にも言いたいことは色々あるけどきりがないしただの羅列になりそうなので終わる!タカシちゃんかわいいよ~!ありがとうございました!
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