ブログ 〔情報リテラシー研究会〕

パソコン操作に関する記事

<197> クラウド・コンピューティング & サイバー空間

2009年07月01日 | ●その他

セザンヌ「カルタ遊びをする人々」 





「クラウド・コンピューティング」とは、ネットワークを通じてコンピューターの処理能力や記憶領域を利用する新しいITの利用形態です。
「クラウド(Cloud:雲)」とは、言はば「現実世界」に対しての「サイバー空間」を意味しております。



利用者は個々のパソコンに代わってインターネット上の 巨大なコンピュータ(インターネットにつながった多くのサーバ )が全ての処理を行ってくれると言うものです。利用者はクラウドの詳細を知る必要もなければ、その処理能力や記憶領域がなくなることも気にせずにそのサービスを受けることが出来ます。

各企業の膨大な情報をネット上の 巨大なコンピュータ「クラウド」が収集・処理し、その結果をそれぞれのパソコンに表示することになるため、各企業のコンピューターはハードディスクやソフトが「不要」と言うことになります。極端なことを言えば、インターネットにつながったモニターとキーボードがあれば良いことになります。

「クラウド・コンピューティング」を導入することによって、一般個人を始め、資金力の乏しい中小企業の場合も、低コストでスーパーコンピュータなみの高度な機能が利用できるようになります。また将来は電気・ガス・水道などと同じように、インフラの一つとして私たちの生活を支えることになるでしょう。

しかし、問題は情報漏洩です。膨大な情報が集まる「クラウド・コンピューティング」はハッカーにとって絶好の標的となるでしょうし、高度なセキュリティ対策が必要になるでしょう。

「クラウド・コンピューティング」が普及してくれば、人間社会の諸々の情報が特別な形で集中してしまうことにもなります。「クラウド・コンピューティング」は情報化社会の一つの転換点になると考えられます。ますますサイバーリテラシーの重要性が増してくるでしょう。

現在 Google より提供されている「Gmail」や「グーグル・ドキュメント」などが、「クラウド・コンピューティング」のさきがけと言えるのではないでしょうか。今後、各種の「クラウド」が加速度的に発表されていくことでしょう。


 


● クラウド・コンピューティングのサービスの1例

日本IBMは、ダイナミック・インフラストラクチャーを実現するサービスの一つとして、顧客が必要な時に必要なだけハードウェア資源をネットワーク経由で利用できるクラウド・コンピューティングのサービス拠点「IBMR Computing on Demandセンター(IBM CoDセンター)」を、幕張事業所 (千葉県・千葉市) 内に開設ししました。


<196> インターネットビジネスの諸形態について

2009年06月27日 | ●その他

デニッシュ:ローマの中庭 





インターネットビジネスの形態


1.コンテンツ型ビジネス


コンテンツを提供することで大量のアクセスを集めることを目的としたビジネスモデルである。まだ接続料金が定額制ではなかった時期に、インターネットのプロバイダ各社は接続料金で収益を上げるため、ユーザーを惹きつけるコンテンツづくりを競った。したがって、定額制が導入された後、このコンテンツ提供型のビジネスモデルは主役の座を降りることとなった。 
・・・ホームページの中身(コンテンツ)そのもの、並びにサービスで勝負する・・・


2.広告主導型ビジネス


インターネットが普及した結果、瞬時に大量のアクセスを集めることが可能になった。このビジネスの典型的なスタイルがポータルサイトである。多くのユーザーはWWWにアクセスする際、最初にポータルサイトにアクセスする。したがって、大量のアクセスを集められるポータルサイトは、巨額の広告収入を手にすることができる。ポータルサイトの代表的な例は、Yahoo!やGoogleなどのサーチエンジンである。日本のプロバイダ各社もポータルサイトの一角に入ろうとして、競争は激化している。




3.電子商取引


インターネットを使えば、双方向にコミュニケーションできる。この利点を生かして、メールマガジンで直接、消費者や取引先企業に広告し、ウェブサイトに誘導すれば、見込み客を集客でき、また商品やサービスを販売することもできる。また、従来のチラシや新聞、雑誌などの紙媒体、テレビなどのメディアよりも圧倒的な小予算で全国あるいは全世界を対象に宣伝できることから、中小企業がネットショッピングに参入したり、個人がインターネットで起業することが容易となった。そのため、マーケティング手法を駆使して儲けを大きく伸ばしている企業もある。その反面、先行投資してもなかなか資金を回収できないという企業も多い。


電子商取引で重要になるのはアクセス数と成約率である。どれだけの利益を得られるかは、アクセス数×成約率 という式で表される。成約率がゼロなら、利益はゼロである。アクセス数と成約率を上げるためには、適切なマーケティング戦略を取り入れ、実践することが欠かせない。


■ いろいろなネットビジネスの例


・ネットショップ
・アフィリエイト
・オークション
・在宅ワーク
・情報販売(PDFや冊子をダウンロード販売)
・eラーニング事業
・ホームページ作成の仕事
・インターネットでのサポート業務(プロバイダのサポート)
・出会い系仲介ビジネス
・リセールライト(再販権付き)ビジネス
・投稿ビジネス


■ インターネットビジネスの今後


電子商取引によって新たな流れが生まれている。コミュニティの形成である。人はどこかに所属したいという欲求をもっている。その場をサイト運営側が提供すると、顧客はコミュニティ化する。講演会やオフ会などで実際に顔を合わせることで、コミュニティの絆はより強固になる。いったんコミュニティができあがると、商品やサービスを次々と売ることもできる。このように顧客を囲い込み、強い絆で結ばれたコミュニティを形成することが、電子商取引で成功するための要となるといわれる。インターネットビジネスの将来は未知数だが、顧客によるコミュニティを形成できれば、ビジネスを継続できるものと考えられる。


・・・コミュニティの形成により、あらたな何かが生まれてくるかもしれない・・・


◎  SNS(Social Networking Service)    【例】 ミクシー (Mixi)
◎ セカンドライフ(Second Life)
◎ Twitter


■ ネットショップ運営に必要な知識


● HP作成に関する知識
● 広告宣伝に関する知識(含:ブログ)
● メルマガ発行に関する知識
● SEO(検索エンジン対策)に関する知識
● WEBマーケティング全般の基礎的な知識


<100> 100号記念記事 〔IT社会と倫理の崩壊〕

2007年07月07日 | ●その他

 


今回の記事は直接パソコン活用に関する記事ではありません。 パソコン活用が人々の間で浸透してくるとおのずと「情報リテラシー」も向上してきます。 そうなると人々のITに依存した生活が拡大してまいります。 そこで今考えなければならないのは倫理の問題ではないかと思います。
今回は、ブログ発行100回目の区切りとして、今後私たちが直面するであろう 〔IT社会と倫理の崩壊〕 について考えてみたいと思います。



----------------------------------------------



昨今、以前は想像だにできないような事件が老若男女を問わずして発生しており、私達はその倫理の欠如を嘆き又戸惑っております。言わば倫理の崩壊が急激な勢いで進んでいるように思われます。その状況を考えるに、特にわが国における場合は、大きく二つの側面から捉える必要があると思います。
一つには「第2次大戦で敗戦したこと」、二つには「IT社会の急激な浸透」が考えられます。



----------------------------------------



まず、一つ目の『敗戦に伴う倫理の崩壊』についてですが、(国破れて山河あり)と言いますが山河は残っても日本人の心は失せてしまいました。 一千数百年をかけ、単一民族として営々と育んできた 「倫理(道徳)」 が一瞬にして表舞台から消えてしまいました。これは敗戦国であればやむを得ないことでありますが、そのあとは戦勝国の価値観・倫理観が持ち込まれ、それに沿うべく生きていくことを余儀なくされました。



とは言うものの、長い間受け継がれてきたわが国特有の倫理観を、おいそれと心から消し去るような器用なことも出来ず、随所に他国の倫理観との矛盾を感じながら今に至っているのではないでしょうか。



「日本人らしさ」 と言う観点から、昨今日本古来からの倫理観を包含した新しい日本人の倫理を確立しようとする気風があるように感じます。最近良く 「戦後レジュームからの脱却」 という話を耳にしますが、まさに新しい日本の倫理観の確立こそが、 「戦後レジュームからの脱却」 の重要な一つのファクターとして捉えなければならないと考えます。




「倫理(道徳)」とは、法律のような外面的強制力を伴うものではなく、(一つの社会でその成員相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体)のことであり、「仲間と共に生きるために守るべき道」と一般に定義されております。ようは、倫理とはそれぞれの地域の民族によって、それぞれに培われてきた相互に生きるための社会規範と言えるでしょう。



-------------------------------------------



二つ目は『IT社会の急激な浸透に伴う倫理の崩壊』についてです。
私達は今、良かれ悪しかれITの影響を受けながら生きております。近い将来、まぎれも無く「ユギキタス社会」と呼ばれるコンピュータに囲まれた日常生活を送るようになることは必定です。 ようはIT社会にどっぷりと身を浸すことになるでしょう。



IT社会の進化は歴史の流れですからこれが逆戻りさせることは出来ません。一頃良く使われた言葉「IT革命」、私達は今産業革命にも匹敵する人類の新時代への変革 「IT革命」 の真っ只中にいると言えます。
社会が変革を遂げようとするとき、「倫理」 も大きな変化を余儀なくされます。



これから先私達は、「リアル世界」と「サイバー空間」とを行き来しながら生活することになります。そしてこの生活パターンはより広くより深く人々に浸透していきます。



本来人間は肉体を持ちリアルな生活をする生き物です。 IT社会の到来により、かって経験したことの無い「二感(視覚と聴覚)の生活」=「サイバー空間」を、生き方の一部に取り入れようとしております。過去数千年、倫理は「リアル世界」で培われてきました。 そこへ「サイバー空間」が入り込むことにより否応なしに倫理への変革を迫ろうとしているのです。 



私達はインターネットがもとになって生じた事件に直面して (この事件をどう考えたらいいものか!?) どぎまぎせざるを得ない状況に置かれることがあります。 IT技術が古い倫理を突き崩そうとしている実態を分析し、それに対応しなければなりません。



人間は「サイバー空間」で生きることは出来ません。例えば、サイバー空間の感覚をそのままリアル世界に持ちこんだ場合、コンピュータゲームをリアル世界で実現させるようなものとなり、社会は混乱し秩序を保つことが出来なくなります。現実世界もゲームの一部のような感覚に捕らわれたら、大変なことになります。



(デジタルが使えない! 私はデジタル難民だ!)と言っても生活することは出来ます。しかし、デジタルに浸りきってしまい、逆にアナログ難民になってしまったら生きていくことは出来ません。



「サイバー空間」に国境はありません。デジタルに振り回されることの無いよう、「リアル世界」にきちんと軸足を置き、その上で(「サイバー空間」は人間生活の補助的役目をするもの)という意識を全人類の共有の意識として認識し、そして新時代の倫理を確立することが急務と考えます。



(完)