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婚礼、葬礼、その他 津村記久子

著者の本は昨年来結構読んできたが、本書は、「著者のエッセイ集を読んだ後に初めて読む小説」ということで、これまでと違った読み方ができるかどうか気になりながら読むこととなった。表題作は、楽しみにしていた屋久島旅行、親しい友達の結婚式、会社の上司の家のお葬式の3つが同日に重なってしまうという不運な状況で、主人公が悪戦苦闘するさまを描いた小説だ。この作品、これまで読んだ著者の作品の中でも傑出した作品のような気がした。慌ただしい一日、一生懸命あれやこれやと考えて、時に意外な行動にでて、最終的には何となくその努力が報われたような結末。苦しいトンネルを抜けた後にちょっとだけ清々しい気分になれた主人公と自分を重ねて、読んでいる自分が何となく励まされたような気がした一冊だった。(「婚礼、葬礼、その他」 津村記久子、文春文庫)

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