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知ってはいけない 矢部宏治

本書は、現在の日米関係に単純にアメリカ隷属という表現だけでは済まない歴史的な奥深い闇の部分があることを教えてくれる。どこからどこまでが著者の憶測なのかは判らないし、例えば日本合同委員会という組織に関する記述などは、当事者の意識がここに書かれた通りではない可能性の方が大きいだろう。しかし、本書の本領は、新事実の暴露ではなく、現在の日米関係に対する解釈だ。本書で示されたような解釈ができるということが示された以上、歴史的に放置されてきた問題をいつかは是正しなければいけないことだけは確かなようだ。陰謀論として何者かの存在や意思を糾弾するのではなく、これまで感じてきた違和感を頼りに、自分たちで変えられるものとして受け止めるのが正しい読み方だと感じた。(「知ってはいけない」 矢部宏治、講談社新書)

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