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父・金正日と私 金正男

北朝鮮の指導者・金正恩の長兄である金正男氏とのメールのやりとり、数回のインタビューを時系列にまとめた本書。数年前に単行本で出版されて話題になっていた本だが、文庫コーナーで見つけたので、この機会に読んでみることにした。北朝鮮の国情や自分の立場等を素直に語る金正男氏の印象は、外見的なイメージとは裏腹に、頭脳明晰で温和、かつバランス感覚に優れているというものだ。開明的な考えをもっていることもよく判るし、楽天的な性格であることも判る。周辺の色々な陰謀をみながら育ってきたためか、自分に対する危険を察知する能力にも長けているようにみえる。金正恩体制になって何かが変わるかと期待したのだが、最近になって北朝鮮の世界を敵に回すような挑発行動はますますエスカレートしているようだ。こうしたなかで読む本署は、現在の体制の本質を考える上でますます資料としての貴重さを高めているという気がする。目まぐるしく状況が変化する時事物の出版物において、こうした現象は結構稀有なことのように思える。本書の最後に語られている、金正男氏が中国の隠し玉で、現政権が崩壊した時に北朝鮮国内の混乱を収拾するために中国が同氏を保護しているという見方、本当にそうかどうかは判らないが、本書を読み通した後、強い説得力を感じるのは確かだ。(「父・金正日と私」 金正男)

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