さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

新刊紹介『鷹のように帆を上げて』

2012-04-21 15:44:03 | 児童書
 卒業まであとわずかとなった3月、春にしては思いがけない雪が降った日の夕方、里央は大の仲よしの遥と寄ったペットショップで少し変わった鳥のヒナをみつけた。そして帰宅途中、遥と別れた里央の耳に突然ドーンという鈍い音が聞こえた。それが遥との永遠の別れとなってしまった。
 中学生となった里央は、下校途中にはあのヒナを見に毎日のように遥と通ったペットショップに足を向けた。そこで店の店長から、あの鳥は「ハリスホーク」という猛禽類のタカであると教えられた。
里央は「あのタカを買って飼育したい」を両親に打ち明けると、永い沈黙のあと以外にも買って飼育する許可がでた。そしてお父さんは、訓練次第ではタカは人間の言うとおりに空を飛ぶことも出来る賢い鳥で、日本では昔から「タカ匠」というタカの使い手がいて、自由に飛ばして狩りをさせている」と話してくれた。

・書名『鷹のように帆をあげて』 女子中学生鷹匠になる!

・作者 まはら三桃

・出版社 講談社  2012年1月初版 ¥1400+税

・グレード 小学校高学年~

 里央はきっと自分でタカを自由に飛ばすことができたら、どこまでも高く空を飛んで見えない風をつかまえて限りなく空に近づき、きっと遥にも見てもらえるかもしれない!と心の中で考えているのだろうか?

 本書の作者はこの作品を執筆するに当たり、実在する女子高生のタカ匠に会っていろいろアドバイスを受けたとのことです。 
 

日本刺繍

2012-04-03 10:09:32 | ひとこと
 「手は精神の出口です」

 神は手から出る時は労働と呼ばれて空間に向けてさまざまに、形あるものを
作ってゆきます。手こそは精神の出口です。
 この手の働きは、人の心の中のあこがれを具現化するものであって、そして
手のいとなみにより人は形成されてゆきます。

中略

 人間は、手によって作られたもので、おのれ自身の精神の程度を知ります。
つまり精神は手から出て作品となり、評価としてふたたび自分に戻るからです。

この言葉は日本刺繍 「紅会」の代表者である斎藤謦氏が1982年に書かれたものです。

この日本刺繍紅会の全国展(ーテーマ四季のいろどりー願いをこめて)が先ごろ
銀座で開催された。

この全国展には私の古くからの友人も毎年作品を出品されている。
紅会発足当時から出品しているので、かれこれ35年にもなるという。さすが
年季が入っているだけあり素晴らしい作品だ。

一言で35年といっても、一針一針根気よく絹の布地に美しい絹糸で刺繍をほどこし
作品に仕上げていくことは本当にすごいこと!

まさに継続は力なり・・感服しました。