さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

新刊紹介『石を抱くエイリアン』

2014-07-26 09:02:28 | 児童書
 北関東のありふれた地方都市に住むありふれた町のありふれた中学校に通うありふれた女子中学生。
彼女の名前は八乙女市子。今は平成の時代なのに、名前はまるで昭和初期のように古めかしい。
ニックネームは姉さん。

この物語の中学生たちは、1995年にこの世に生を受け、2011年の春に中学校を卒業する。作者はこの
中学生たちが体験した衝撃的な事柄を読者に伝えたかったのかもしれない。その衝撃的なこととは・・・

・ 書名  『石を抱くエイリアン』

・ 作者  濱野京子

・ 出版社 偕成社  2014年3月初版  \1300∔税

・グレード 中学生~

 私は初めて耳にするような今どきの中学生の会話や、興味や関心ごとにやや戸惑いながらも読み進めて
いたが、彼女たちが秋の文化祭で、原発に関する研究発表をすることになったことに驚いた。しかもその
研究までの過程が凄い。

この中学生たちが生まれた1995年は1月に阪神淡路大震災が発生し、その年の3月には地下鉄サリン事件が
発生した。そして卒業する2011年3月には東日本大震災が発生し多くの犠牲者がでて、そのなかには市子の
級友もいた。

 作者が膨大な参考文献をひもどきながら書かれたこの一冊を、是非大人の方々にも読んでいただきたい
お勧めの一冊です。









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