さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

新刊紹介『のんびり村は大さわぎ!』

2016-09-18 15:21:18 | 児童書
 アッベは10歳の女の子。毎年夏休みになると、スウェーデンの
小さな村のママの故郷で、おじいちゃんとおばあちゃんと三人で
過ごす。
ところが、この年の夏休みはいつもとは大違い。何と宝くじのスクラッチが
大当たり!そこでママの長年の夢だった豪華客船クルーズでママと一緒に
世界を旅することになった。
でもアッペはそんな旅は退屈でしかたがない。そこでアッベはママの携帯電話
にあることを吹き込むことにした。その内容とは・・・

書名  『のんびり村は大さわぎ!』

著者  アンナレーナ・ヘードマン 杉原知子 絵

訳者  菱木晃子

出版社 徳間書店 2016年5月初版  ¥1400+税

グレード 小学校高学年~

 北欧スウェーデンを舞台にした活発な少女を主人公にしたとても楽しい
物語。日本とは異なる文化や伝統も触れて面白い。





新刊紹介『ねこがおおきくなりすぎた』

2016-09-13 13:20:05 | 児童書
 久しぶりに絵本の紹介です。
 ローマイヤーさんと奥さんは大きな家に二人で暮らしていました。一人息子が遠くに
行ってしまったのでとても寂しい毎日を過ごしていました。ある日ローマイヤーさんが
小さな猫を飼うことをおもいつきました。そこで、農家のローレンツさんのところに、
生まれた猫をもらってくれる人をさがしている話しを聞いて、早速もらいに行きました。

もらってきた猫にチビという名をつけて、それはそれは可愛がって世話をしましたが
チビは日増しに大きくなりすぎて・・・・


書名  『ねこがおおきくなりすぎた』

著者   ハンス・トラクスター 作・絵

訳者   杉山香織

出版社  徳間書店  2016年5月初版  1600+税

グレード 幼児~小学校低学年


小さな猫がどこまで大きくなるのでしょうか?とてもユーモラスな絵本ですが、この絵本の
ことはほとんど本当のことだそうです。驚きですね。ぜひ読んでみてください。

新刊紹介『世界一のランナー』

2016-05-12 15:38:23 | 児童書
 アフリカエチオピアの田舎に住む11歳の少年ソロモンは走ることがなにより大好き。毎朝学校までの片道8キロを
休まずに走って行く。帰りももちろん走って帰ってくる。それも裸足で・・
 ある日一緒に住んでいるおじいちゃんが突然、明日エチオピアの首都アディスアベバに行くぞと言った。お供に
指名されたのは、ソロモン。アディスアベバまではバスには乗らずに一日中歩いて行くという。おじいちゃんの
目的は一体何なのか?・・

・書名  『世界一のランナー』

・著者  エリザベス・レアード

・訳者  石谷尚子

・出版社 評論社  2016年1月初版  \1450+税

・グレード 小学校高学年~

 ソロモンはアディダスアベバでおもわぬ事件に遭遇するが、ソロモンはじいちゃんの声を聴きながら命がけで走った。
それは家族のために。
 本書はエルザベス・レアードらしい心打つ素晴らしい作品だ。

新刊紹介『ハルと歩いた』

2016-05-04 16:21:10 | 児童書
 12歳の陽太は一年前に東京から今は亡き母の故郷の奈良に父と二人で越してきた。
だからこの春卒業した学校にはたった一年間しか通学していなかった。

親しい友達も出来ず、仕事が忙しい父ともあまり話すこともなく、毎日が孤独だった。

そんな陽太に声をかけたホームレスの男性がいた。その男はフレンチブルドックを
繋いでいた綱を陽太にあずけた。そして飼い主を捜してくれるように頼むのだった。

さあ大変、早速飼い主探しが始まった。どうやって探したらいいの?・・・

・書名   『ハルと歩いた』

・作者    西田俊也

・出版社   徳間書店  2015年12月初版  \1500+税

・グレード  小学校高学年~

12歳の春を丁寧にみずみずしく描き、心に響く作品。また犬のことや奈良のこと等知らない
世界を本書を通して教えてくれた。

新刊紹介『星野道夫』アラスカのいのちを撮りつづけて

2016-03-10 10:56:13 | 児童書
 星野道夫さんを知っていますか?星野さんは大学生の時、神田の古本街でたまたま目に留まった「アラスカ」というタイトルの
写真集に強く引き付けられた。なかでもその中の一枚の写真が、後の星野道夫さんの運命を大きく変えることとなった。
その写真とは、アラスカのベーリング海峡に面したシシュマレフ村を映した一枚だ。
 今年2016年は、星野道夫さんがロシアのカムチャッカでヒグマに襲われ命を落としてから20年目にあたる年です。
この年にPHPより出版された本書には、若き日の星野道夫さんの数々のエピソードや、類いまれな探求心や冒険心、行動力で
アラスカを心から愛した星野道夫さんの生涯が描かれている。

 ・書名『星野道夫』アラスカのいのちを撮りつづけて

 ・著者 国松俊英

 ・出版社 PHP研究所 2016年2月初版 1400+税

 ・グレード 小学生高学年~

 アラスカのいのちを撮りつづけた星野道夫さんは、写真界の芥川賞と称される「木村伊兵衛賞」を受賞し、日本のみならず世界でも
高く評価され、20年たった今も色あせることなく私たちを魅了しつづけてくれる。



新刊紹介『ロンと海からきた漁師』

2016-02-05 11:16:10 | 児童書
 海べの町はずれに、父をなくした少年が魚をとって一人で暮らしていた。少年の名はロン。
ロンは魚の貯えが底をつきかけたので、父さんの言いつけを破り嵐の海に舟をだした。

嵐のなか、夢中で漁をするロンの釣り竿になにか大物がかかった。全身の力をこめて
やっと釣り上げたものとは・・・

 ・書名 『ロンと海からきた猟師』

 ・チェン・ジャンホン 作・絵 

 ・出版社 徳間書店  2015年6月初版  \2000+税

 ・グレード  小学校中学年~

 孤独な少年ロンと、息子を失った猟師の出会いが胸をうつ。しかしこれほどまでに
迫力のある絵本には、めったに出会うことはないだろう。

新刊紹介『岬のマヨイガ』

2016-01-13 13:41:41 | 児童書
 両親を同時に失くし親戚に預けられることになった少女と、夫の暴力から逃れてきた女性は
偶然東北の小さな狐崎の駅に降り立った。駅前の食堂で遅い昼食を取り終えたその時、大きな
地震に遭遇し、間もなく巨大な津波が襲ってきた。

見ず知らずの二人は手に手をとって地元の人について避難先に向かった。知らない土地での
不安な避難生活を変えたのは、不思議な一人の老婆だった。この老婆によって二人の運命は
・・・

・書名   『岬のマヨイガ』

・著者   柏葉幸子

・絵    さいとうゆきこ

・出版社  講談社  2015年9月初版  \1500+税

・グレード 小学校高学年~

 本書は 柏葉幸子さん、デビュー40周年記念作品で、「日常」と「不思議」を巧みなタッチで
描いている。また、作中の不思議な老婆の故郷である遠野の民話も随所に登場し、河童や狛犬等も違和感
なく描かれている。
 3・11を中心に据えた作品だが、なかなか読み応えのある作品だ。



新刊紹介『車夫』

2016-01-03 16:02:08 | 児童書
 ここ数年、外国から来日する外国人が急激に増加している。東京では浅草のあたり、特に雷門の仲見世あたりは日本人より外国人の
数がダントツに多いようにおもう。
雷門の横には、観光客を乗せて街中を観光する「人力車」がかなりの数が客待ちしている。

本書はそんな人力車の引き手の世界に飛び込んだ一人の少年を描いている。

高校を経済的理由で途中退学した少年吉瀬走(きつせ そう)は、ひょんなことで力車屋にスカウトされた。もともと走ることが
大好きだった走は人力車の車夫として働きはじめる。

走は車夫として走ることで、次第に成長していくが・・・

・出版社   小峰書店 2015年11月初版    \1500+税

・著者  いとう みく

・グレード 小学校高学年~

 本書は見かけても一度も乗ったことのない人力車、この引き手の車夫という世界がなかなか興味深く描かれている。また主人公の
走少年の成長も読んでいてすがすがしい。



新刊紹介『子どもたちへ、今こそ伝える戦争 』

2015-09-10 11:33:05 | 児童書
 今年は戦後70年、先月は様々なイベントが行われた。

児童書も、70年に焦点をあてた書籍が出版されている。その中で私が
一番お勧めしたい本がこの本だ。

それは、かつて戦争を体験した子どもの本の作家たち19人が、子どもの
目と心がとらえた戦争を、今を生きるこどもたちへ伝える一冊。

 ・ 書名  『子どもたちへ、今こそ伝える戦争 こどもの本の作家たち19人の真実』

 ・ 出版社 講談社  2015年7月初版  \1800+税

 ・ グレード 小学校高学年~ 

 この本の末尾には、子どもが十分理解できる様々な資料が丁寧に書かれている。

戦争を体験していない大人の方にも是非とも読んでいただきたいお勧めの一冊です。

新刊紹介『くろねこのロク空をとぶ』

2015-07-07 15:08:30 | 児童書
 ある町に 六軒の家の家族全員が飼い主というロクという名前のくろねこがいた。

なぜロクと呼ばれているかというと、六軒の家が一皿ずつごはんをくれて、この六皿を

すべて食べるとやっとお腹が一杯になるところからロクという名前がついた。さて
 
夏休み、ロクは六軒の家族と一緒にスコットランドの田舎にでかけた。早速森に探検に

でかけると、木の上から声が聞こえて飛び降りてきたのは・・・・


・ 書名  『くろねこのロク空をとぶ』

・ インガ・ムーア 作・絵

・ なかがわちひろ 訳

・ 出版社  徳間書店 2015年5月 初版  \1700+税

・ グレード 小学校中学年~

 ロクが森で様々な冒険をする様子が生き生きと描かれている。また、どのページも挿絵が
とても素晴らしい。夏休みが近い小学生にピッタリの一冊です。

 作者のインガ・ムーアは、2013年に徳間書店より出版された「ネコがすきな船長のおはなし」を
透明感あふれる絵が美しいおはなし絵本を描いて大変話題になった方です。