現代視覚文化研究会「げんしけん」

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赤ずきん 『千年の友達』

2006年09月03日 18時18分58秒 | アニメ・映像全般
 『赤ずきん』第10話を観させて頂きました。今回は、眠り姫でもある【いばら】の真意がかなり描かれていると思います。寝ている時と目覚めている時の性格の差、まるで自分をセーブしているようにも感じ取れる言動と態度、【いばら】の真実とは・・・。もしかしたら、誰かを傷つけてしまったからなのかもしれない。そんな【いばら】に興味を持つ【草太】。【ヴァル】も【いばら】と心で交流し理解する。『男はもっと寡黙であるべきだ』と【いばら】は言う。そして、【ヘンゼル】と【グレーテル】よりも不気味な存在である【サンドリヨン】の腹心で凶悪な魔法使い【トゥルーデ】が出て来ます。暗闇で光る眼光が怖さを演出しております。

 【赤ずきん】たちは草原で【キュピ】を捜している。揺れる草むらにとび込むと、そこには【いばら】が寝ていた。もちろん【赤ずきん】たちは生きた棘の攻撃を受けてしまう。【いばら】は【ヴァル】を「未熟」と言う。【いばら】の言動と態度に苛立つ【ヴァル】。【いばら】と【ヴァル】のバトルが勃発しようとしていた。2人の間に止めに入る【赤ずきん】だった。
 【草太】は【いばら】の性格が気になる様子。【赤ずきん】たちに聞いてみるが【いばら】の事はよく知らない。いつも眠たそうな彼女の真実とは・・・。【草太】は【いばら】を追いかけ【いばら】に様々な質問をする。だが、【いばら】に一蹴されてしまう。寡黙な【いばら】は語ってくれない。
 夕方。【赤ずきん】たちは「ペンテ村」に到着する。そこで【リリ】という少女に出会う。麗しの三銃士とその他大勢は【リリ】の招きで夕食をごちそうになる。食卓のテーブルには、素朴ながらも多くのごちそうが並ぶ。大喜びの【赤ずきん】と【キュピ】。食べようとすると【ヴァル】が制止する。【ヴァル】はこの村を一回りし、この村の状況の貧困さを理解していた。生活に苦しみながらも、フェルナンド。エレメンタルクローバーの三銃士の為に用意してくれた夕食なのだ。【赤ずきん】も理解する。すると、村の人たちと一緒にこのごちそうを食べる事にする。すると、【リリ】がどこかに行くようだ。『千年蕾に水をあげに行く』と言う。千年間、蕾のままのユリ。【リリ】はかなり大切にしている。花が咲けば、村が豊かになり、幸せになると信じて「千年蕾」に語りかけていた。小さな村、戦火に苦しみ、作物も満足に収穫できない。その中でも【赤ずきん】たちをもてなす、優しさを持った村。全ての草花が消えた時も、その優しさを持つ事ができるのかと心情を吐露する【リリ】。「千年蕾」は最後の希望なのだ。
 【草太】が近づき「千年蕾」にコンタクトを試みるが『分からない・・・心閉ざしている・・・ただ・・・とっても、悲しそう』と言う。草木の事を理解できる【草太】でもお手上げだった。【草太】たちのやり取りをじっと見ている【いばら】の姿がとても印象的だった。
 サンドリヨン城。腹心【トゥルーデ】が戦況を報告していた。「ノースガルド」の騎士団を壊滅させる。暗黒魔法使い【トゥルーデ】が立っていた。結界が邪魔をし、魔力では見つける事はできない。その肉体労働は【ランダージョ】がやるのだった。険しい崖を登り村にたどり着く。
 その頃、村では昨晩の食事のお礼に【白雪】が「千年蕾」を得意の魔法で咲かせようとしていた。水差しに七色の魔法力が注がれる。その時【白雪】に寝ぼけた【いばら】がぶつかって来る。【白雪】は衣服が汚れ、気分を害し着替えに行ってしまう。【いばら】の行動は偶然ではなかった。【いばら】は気づいていた。「千年蕾」を目覚めさせていけないと分かっていた。【いばら】は「千年蕾」に語りかける。夜、その光景を見る【草太】と【リリ】。【いばら】は行ってしまう。【リリ】は両親を失った時も「千年蕾」が慰めてくれたと水をあげる。その蕾は悲しさを、そして咲きたくないと訴えていた。
 悪意。願いが叶う。【ランダージョ】がその悪意で咲かせようとする。目の前に【草太】と【赤ずきん】たち。【ランダージョ】の願いは叶うが咲いていなかった。戦う準備をしていない【ランダージョ】。その時だった。「千年蕾」が紫に、邪悪に輝きを増して行く。【いばら】は『だめ・・・』と言うが遅かった。【赤ずきん】たちの前に居たのはユリの怪物。しかし【ランダージョ】に加勢する訳でもないようだ。【ランダージョ】は夜空のお星様になりました(笑)。【ヴァル】は気付く。呪われた千年前の遺産。それが「千年蕾」なのだ。その凶暴な力は「三銃士」をも圧倒する。村中が大混乱になってしまう。村の人たちはたいまつを手にし「千年蕾」を排除しようとするが【リリ】が異形の姿になった「千年蕾」を必死に守ろうと前に出る。襲いかかる・・・いや、違った。咲かないように頑張った・・・怪物にならないように、千年間も頑張った。蕾でいれば、ずっと友達としていられるからと・・・。【リリ】に凄く感謝していた。【リリ】の想いはちゃんと伝わっていた。【ヴァル】は【いばら】が【草太】よりも早く「千年蕾」の事を分かっていた事に知る。しかし、【リリ】との心の交流の時間は短かった。理性のコントロールが効かなくなって行く「千年蕾」。襲いかかる。そこで【いばら】の出番。【いばら】の魔法力が「千年蕾」を苦しみから解放する。【いばら】は『ごめんね・・・』と呟いた。
 種子。村一面に白きユリの花が咲き乱れる。村に愛された千年間、決して怪物になる事はないのだから・・・。【いばら】が笑っているようにも見えた。村のひとたちも自然と笑顔になった。本当にみんなを幸せにするのだった。
 【草太】は【いばら】の背中を見ながら思う。
『いばらも千年蕾と同じなんじゃないかって、強すぎる力は、時に誰かを傷つけてしまう事もある。だから、眠っているんじゃないかな・・・』
【いばら】本人は、そんな自覚はないかもね(笑)。


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