ひまわりっ！ 其の四 盗みは忍びの恥ですもの

　私立志能備学園の廊下に、ある張り紙があった。【ひまわり】は書かれた文章をメモしている。その気になる内容は、五人組。【しきみ】は「くだらない」。【ゆすら】は御触書の内容が、五人の連帯責任だと理解していた。【あざみ】によると【ハヤト】の一般教養の授業の出席率が悪い為の緊急処置だと言う。
　もちろん【ひまわり】は【きしみ】【あざみ】【ゆすら】【ヒメジ】との五人組。【ハヤト】はこの件で教師としての立場を悪くしていた。その事を聞いた【ひまわり】は【ハヤト】が気になる様子。【ゆすら】は唯一の彼氏【米澤くん】がいる為【ひまわり】の気持ちが分かる。
　職員会議。【ハヤト】は【さす毛】先生たちから責められている。このまま改善が見られなければ、給料は３割カット。【やつがしら校長】は人間ドックにより学園を明日まで離れてしまう。そんな【ハヤト】を見て、さらに心配する【ひまわり】だった。【ハヤト】は、もし自分の給与が３割カットされた時の計算をすると赤字になってしまう。行き場のない怒りを「ある木」に向けて殴る。木の葉が舞うと、重量感がある物体が落ちて来た。何と【やつがしら校長】の身体の一部でもある人形が落ちて来た。【ひまわり】も驚くような状況。それは人形「与太郎」が壊れていたからだ。そこにタイミングが悪く【さす毛】先生たちが見つけ、【ハヤト】に「命の危機」などの脅かしをする。【やつがしら校長】が明朝に戻るまでに何とか直さなければ。【ハヤト】はこの山を下りてしまうのか？
　『俺に任しておけ！』と言い【ひまわり】の前から笑いながら去るが、内心では焦っていたと思われる。荷物をまとめて、退職届を出し、学園を去る事にする。
　【ひまわり】は【ハヤト】が学園を去ろうとしている事とは知らずに、「与太郎」をかついで学園に戻ろうとしていた。どうしても【ハヤト】のお役に立ちたいと考えていた。その時【ハヤト】の教職員証を拾う。
　結局直そうとするが、設計図がないとダメらしく、旧校舎に忍び込む事を決意する【ひまわり】。「与太郎」の設計図を求めて、地獄の忍術屋敷へ。物凄いダッシュで旧校舎に向うのだった。【しきみ】たちは関係ない立場を取ろうとするが、そこには「五人組」としての責任があった。
　【ひまわり】も分かっている。
『盗みは忍びの恥　忍者たる者　低俗なる犯罪に加担する事を禁ず』

　しかも、忍びとは思えない旧校舎の正門から侵入する【ひまわり】だった。【しきみ】たちも呆れてしまった。初めの正門前のトラップを突破したつもりの【ひまわり】。侵入者を知らせる仕掛けがあるとも知らずに入って行く。【筆乃子】先生は旧校舎のお風呂に入っていた（笑）。【しきみ】たちも校舎内に入る。【ひまわり】は自分の出し切れる力の範囲内でトラップを何とか超えて行く。例え痛い目にあっても、全ては【ハヤト】の為に・・・。
　一方、【ハヤト】は教職の仕事を辞めて、ハローワークに行くようだだったが、そんな【ハヤト】に「操」を危機が迫っていた。またも旧校舎内、毒水鉄砲のトラップにより、校舎内の見取り図を失っても【ハヤト】を想い、歩みを止めない【ひまわり】。そんな姿に【ゆすら】の共感していた。すると【ハヤト】の悲鳴？【ひまわり】は床が抜け、奈落の底へ。
　【ゆすら】と【あざみ】が急ぎ【ひまわり】を追う。すると校舎内に和室。【つきよ姫】がいた。もちろん、食事中ようだ。そこに遅れて【ひまわり】が降って来る。【ひまわり】は【つきよ姫】に汁物に映る森羅万象を見せて貰う。そこに映るのは、逆さに吊るされた【ハヤト】の姿。「操」を奪われるかもとの【あざみ】の言葉に慌てる。だが、今は【ハヤト】を信じて設計図を優先するのだった。
　【筆乃子】先生の筆を使用した術も【ハヤト】への想いが勝っていたようだ。【ひまわり】は巨大蚊取り線香のある部屋にたどり着く。そこでも【筆乃子】先生の術で蚊取り線香に火がつき、その上を必死に走る【ひまわり】。決してどんな状況になってもあきらめない。更に【筆乃子】先生は術をかけようとすると、どこからか「祭りのおはやし」が聞えて来る。【筆乃子】先生の祭り好きを利用した作戦が見事にはまる。【しきみ】と【ヒメジ】だった。
　【ひまわり】は、蚊取り線香に開いていた穴からどこかに行ってしまう。学園の外では蚊取り線香の香で気づく【さす毛】先生。【ひまわり】が落ちた所は、旧校舎の校長室前の庭だった。そこに【さす毛】先生が飛んで来る。【ひまわり】も気づかれないように「岩隠れの術」をする。どう見ても【ひまわり】のお尻にしか見えないが・・・あまりにも素人すぎて、逆に騙す事ができた。【ひまわり】は様々な困難、死に掛けたが先を急ぐのだった。【しきみ】たちは最後まで見守る事にする。
　校長室。設計図を手に入れるが【さす毛】先生に捕まってしまう。【ひまわり】は顔を幸いにも、先程「岩隠れの術」で使用したマントで顔を隠していた。その為に【さす毛】先生にも正体は分かっていない。そこに、火の玉が突き破り投げ込まれた。校長室は火の海になり、その混乱に乗じて【ひまわり】を【ヒメジ】が助けに入る。【ひまわり】たちはみんなで地下の洞窟を走り脱出をする。

　【ひまわり】は恋よりも忠義らしい・・・。

　聞える【ハヤト】の悲鳴を頼りにみんなで森に抜けるルートを探す。【ひまわり】たちは森にある井戸から出て来た。逆さに吊るされた【ハヤト】も助け、学園に戻ると、職員室に明かりが・・・何と【やつがしら校長】の人形が沢山あったのだ。どうやら【さす毛】先生たちにかつがれたようだ。
　【ひまわり】は【ハヤト】の汚名が晴れて喜んでいると気づく・・・退職届に。

　『ハヤト殿・・・これは、辞めるつもりだったのですか？そんな・・・』

と凄く残念そうな表情をする【ひまわり】。見兼ねた【ゆすら】が・・・。

　『ねえ！アンタ、落ちこぼれ忍者が、あの忍者屋敷でどんな目にあったのか分かる？忍びの禁も犯して・・・何度も命を落しかけた。でも、その度にこれをっ！ほらっ！』

と【ひまわり】の胸元から取り出したのは【ハヤト】の教職員証。見せる【ゆすら】・・・。

　『これをお守りにして戦ったのよ！女心をなめるんじゃないわよ！・・・ったく・・・』

その退職届は【モモ太】が食べてしまった。【ゆすら】は恋する女の子の味方なのだ。もしかしたら【ひまわり】の言いたい事を代弁したのかもしれないですね。

　忍者社会に慣れない【ハヤト】の叫び。

　『ぜっ・・・絶対、辞めてやる・・・辞めてやる！！！』