現代視覚文化研究会「げんしけん」

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地獄少女 第十一話「ちぎれた糸」

2005年12月18日 18時05分24秒 | アニメ・映像全般
 第十一話のストーリーは「【柴田 一】のかつての同僚で先鋭政治誌の編集長・【稲垣 隆史】は、汚職を暴くためにその政治家の家族を偽スキャンダルで崩壊させていた。全てを失った政治家の息子【片岡 雅哉】はその怨みを晴らすため、地獄少女から黒藁人形を受け取るのだった」という感じに物語は進みます。今回は若干の政治ネタを絡ませて「ジャーナリズム」と「マスコミ」に対する問題提起を考えさせる良い内容だと思います。偽のスキャンダル報道の裏側に居る人達を描き、テーマとして、表現したかった事としてアニメ劇中内から伝える事はできたと感じる。その伝えられる報道は真実なのか?嘘なのか?を巧みに表した。真実を暴く為には何をしても良いのか?それは「正義」で片付けて良いものなのか?を述べていた社会派アニメの真骨頂的な内容とも言えるでしょう。
 物語は、土砂降りの雨の中で殴られる【雅哉】から始まります。以前は友人関係だった【祐司】からお金を借りようとするが、逆に罵倒されてしまう。「金の切れ目が縁の切れ目」らしい・・・。その足でネットカフェに行き「地獄通信」にアクセスし【稲垣 隆史】の名を打ち込み、赤色の支配する世界で【閻魔 あい】から「黒藁人形」を受け取るが・・・【雅哉】は悩んでいた。【あい】との回想シーンが頭に浮ぶ「俺も地獄へ・・・」と地獄への恐怖感に襲われていた。その姿を見ていた【一目連】と【骨女】。「あれから、3日どう思う?」「さあねえ・・・」「どっちに賭ける?俺は糸を解かない方に・・・」「ばっか・・・遊びじゃないんだよ」と言ってしまう【骨女】。「シャレがわからねぇ、女だなぁ~ったく」「うん?」と振り返る「なっ・・・聞えちゃった?」と苦笑いの【一目連】。でも【一目連】と【骨女】のコンビ、意外と好きです。姉御肌と遊び人って組み合わせがね(笑)。この物語のもう一人の主役でもある【柴田親子】に移りますが、【一】は花を桶を持って「柴田家」の墓参りをしていた。「あれ?・・・つぐみか」と墓前にお菓子が供えてあった。「たまご・ボーロ」でしょうか?女の子らしくって好きですね。うーん【つぐみ】ちゃんも来ていたとなると「母親」の命日だと推測される。墓前で手を合わせていると【一】の携帯が鳴り出した・・・無視をしていたが出る事にする。ここから始まったと言っても過言ではない。一方【つぐみ】の方は以前【あい】に会った踏み切りに来ていた。【つぐみ】はまだ名前も知らないセーラー服の女の子が気になる様子。ピンクの洋服も可愛いのが、このシーンでの【つぐみ】はその少女らしからぬ冷たい感じの表情なのが印象的だった。【一】を電話で呼び出した人物が「第一公民社」の編集長【稲垣 隆史】。【一】も以前はこの会社で働いた。場面は「第一会議室」。【稲垣】を待つ【一】。そこへ「すまないな、忙しい所を」と【稲垣】が入って来る。「どうだ?久しぶりの古巣は?」と座る「あいかわらず、空気が重くて不愉快だよ・・・稲垣編集長」と皮肉を込めて言う。「お前も残ってたら、副編くらいにはなっていたよ」と笑う。「俺は、副編どまりか・・・」と雑誌をめくりながら「売れているらしいな、最近」と『平和党・片岡 洋三の金まみれ人生』の見出しを見る【一】「国民的慈善家の裏の顔、平和党・片岡 洋三の金まみれ人生・・・」と続けた。「お前なら、もっと良い記事が書けたか?」「戻らねぇぞ・・・」「そんなつもり呼んだんじゃない」とやっと本題に入る。「仕事を頼みたい・・・」と他の政治家をマークしてくれる依頼されるが・・・【稲垣】「あぁ・・・もし、現場が押えられない様ならば、適当にやっちまってくれ」との言葉に「作れってか・・・」と絶句する【一】。立ち上がり「俺は枯れてもジャーナリストだ見損なうな・・・インチキしたきゃ、自分で何とかしろ!」と出て行こうとすると【稲垣】「カッコつけるな!調べはついているんだぞ、お前盗み撮りした写真を本人に売りつけているそうじゃないか・・・」と言う。【一】が振り向き「俺まで脅す気か?・・・落ちたな稲垣」と出て行く。この事を一番知られたくないのは【つぐみ】ちゃんだろうと思う。もし、【つぐみ】ちゃんが「盗み撮り」の事を知ったら、どれだけのショックを受けるか・・・しかし、生活の為には仕方のない事なのかしれないし、何よりも【つぐみ】ちゃんの笑顔を守りたいと【一】は思ってやっていると感じる。【稲垣】は、読者が見たくなる様な衝撃的な記事を求め、真実を暴く為には手段を選ばないやり方、その為には何をやっても良いとの考えで動いている事がアニメ劇中から理解できる。【一】が後味悪く古巣を出ようとして、運が悪い事に雨が降って来た。しかし、運命は【一】を逃がしてくれない。そこで警備員と言い合いになっている男性の姿があった。その警備員を殴ろうと殴ろうとして止めた【一】。雨の中、公園の屋根付きのベンチで2人での会話シーン。【一】「何がしたかったんだ?稲垣に用があったんだろ?俺も昔はあそこで働いていた」と話かける。「稲垣って、どんな奴だ?」とその男性は質問してくる。「嫌な奴だ・・・名前は?」「片岡・・・」「片岡・・・っ!あっ」と改めて見る【一】。「何だよ」「そうか、どっかで見た顔だと思った、お前、片岡 洋三のせがれか、収賄で捕まった平和党の・・・へえ~片岡失墜のきっかけになった、あのせがれかドラッグやってた」と言うと「あれは、でっち上げだ」と語気を強める【雅哉】。そして「俺は、ドラッグなっかやっていない、はめられたんだ!稲垣に・・・」と続けた。証拠品の押収の記事も稲垣の仕業だった。結局は、そのドラッグに関する記事は、すぐに小さく訂正記事が掲載されたが、もう遅く、その頃には議員の収賄事件が大きく報道され明るみになり、【雅哉】は全てを失った。「親父を追い込む為に、家族を利用した」と怒りをあらわにする【雅哉】。何もかも【稲垣】の計算通りに進んだ事となる。確かに父親は何かしらの犯罪をしていたかもしれないが、その家族までもバッシングの対象にしても良いのだろうか?この辺りは意見が分かれる所かもしれないですね。一瞬【雅哉】の言っている事が「逆恨み」との発言に捉える事もできますから・・・。話は進みます【一】「だから・・・殺そうとしたのか?そんな事をしても、お前が馬鹿を見るだけだぞ!」すると【雅哉】が「分かっているよ。だから、依頼したんだ・・・でも・・・」と言った。まさか、この時点でその「依頼」が「地獄通信」の事を指しているとは思えず、【一】は説教してしまう。「お前に何が分かる!」と逆ギレされてしまった。【雅哉】がその場を去った後、【一】「殺人依頼か・・・しかし、そんな金、今のあいつにある訳・・・まさか・・・」と「地獄通信」の事を視野に考え始めた。雨の中を歩く【雅哉】と見つめる【あい】。
 その頃、「柴田家」では【つぐみ】が【マスター】に教わりながら食事の支度していた。鍋をかき混ぜていると【つぐみ】がまたも何かを感じ取る。街中の繁華街の風景を見る事になる。その時、【一】は「あいつが本当に依頼したとすりゃ・・・」と【稲垣】を尾行していた。いきなり、携帯が鳴り驚く。もちろん、電話の相手は【つぐみ】だった。【一】「どうした?」「はじめちゃん、また見えた・・・」「何?本当か!今度はどこだ?」「わかんない・・・にぎやかな所・・・」「にぎやか・・・何か目印になるものは・・・スナックブルーサファイヤ・・・って事は、やっぱり」と後を追う。女性2名を連れた【稲垣】に【雅哉】が裏路地で襲い掛かるが、逆にやられてしまう。そこへ「おい、大丈夫か?」と駆け寄る【一】。そして「お前が依頼したのは、地獄少女か?」と質問する。そのやり取りを見ていた【一目連】と【骨女】「あいつ・・・」「邪魔だね・・・」と言う。ここで場面は「柴田家」に戻ります。部屋で布団に横になっている【つぐみ】。【マスター】「大丈夫かい?」【つぐみ】「うん・・・もう平気・・・マスターはお店に戻って、片付けまだでしょう?」「大丈夫だよ、お水を持って来て上げよう」と台所へ、「ありがとう・・・」と【あい】の顔を思い出しながら「あなたは・・・だ・れ・・」と呟く【つぐみ】も印象に残ります。【一】は【雅哉】から「地獄通信」へのアクセスの流れを聴いていた。「最初は、半信半疑だった・・・そんな奴いるはずないって、でも、居たんだ」と「黒藁人形」を見ながら言う。「どんな子だ?」「わからない・・・」「どこで会った?」「わからない・・・」と顔を背けるばかりだった。何かに怯える様な表情の【雅哉】。まだ聴きたい事がある【一】は「稲垣を殺してくれと依頼したのか?」と質問するが、無言だった。その2人のやり取りを【一目連】と【骨女】が見ている。【一】の疑問は、なぜ復讐を頼んだのに【雅哉】自身が動いているか?事だった。その答えも「黒藁人形」が出してくれた。その人形に目が行った【一】「それは?」「契約の印だよ、この糸を解けば契約が成立するんだ・・・」「糸・・・?」と見つめる。そして【一】は「まだ、間に合うんだな・・・よし、糸を解くな!稲垣に謝罪させる。稲垣が死んでも何も解決しない。奴のやった事を公にするんだ、俺が記事を書くだから、糸を解くな良いな」と言って【稲垣】を捜しに行く【一】。繁華街を歩きながら「地獄少女・・・お前が何者で、何の為にこんな事をしているのかは分からない。だが、これだけは言える。お前は・・・間違っている・・・」と思うのだった。【一】は今回の一件で「黒藁人形」での契約を知る事ができた、また一歩「地獄通信」と【あい】に進んだと言って良いだろう。その【稲垣】を捜して、バーを訪れるが遅かった。【あい】は既に『清めの行水』を行っていた・・・。それは「赤い糸」が解かれた事を意味する。そこに居たさっきの女性2名から【稲垣】がもう一人の女性と出て行ったを聞かされる【一】。【骨女】に誘われ【稲垣】は地獄へ・・・【一】もやって来るが間に合わなかった。今回の地獄は「ケーキ」ではなく「雑誌」と一体化した【稲垣】の姿が描かれる。しかも「写真欄」に閉じ込められている(笑)。「出せ!早くここから出せ!出せと言ってんだろ!おい!」と言っている。そこで【輪入道】【一目連】【骨女】からの問い掛けに「罪?何が罪だ。俺は闇隠れた真実を明らかにしただけだ!賞賛こそされ、罪人呼ばわりされるいわれはない!・・・暴かれた真実こそが正義だ!・・・そうだ!民衆が求めているのは、真実を言う名のセンセーショナルだ!俺は、その欲望を満たしてやっているんだ!俺は悪くない!」と・・・堕ちたジャーナリズムへ【あい】の決め台詞「イッペン、死ンデミル?」。【あい】の魅力的な赤い瞳で見られたら、仕方がないですね。【稲垣】は船上で無数の手により地獄へ流されて行った。
 最後は、【稲垣】を捜している最中に【雅哉】を見つけた【一】との会話が描かれる。【一】「糸を解いたのか・・・なぜ?」と問う。「地獄の刻印」を見せて「今更、全てが公になって何になる、壊れたものは元には戻らないんだ・・・あんただって家族はあるんだろ・・・わかるはずだ・・・」「片岡・・・」またも、雨が降って来るのだった。確かに、当事者の【雅哉】にしか分からない事があった。その中で、一番は「家族を失った」悲しみだと感じられた。その為に【雅哉】は必死に、どうにかしようと行動を起そうとしたが、どれも叶わず「地獄通信」にアクセスしたと思う。この【雅哉】の言葉は【一】にも痛かったはずです。その事象に対し、自分だけが傷つくならば良いが・・・周囲の人、しかも家族だったらと思うと言葉になりません。【一】にも大切な家族【つぐみ】ちゃんが居ます。食事の支度を終えて、テーブルで居眠りをして帰りを待つ可愛い女の子です。そんな少女にもしもの事があって離れる事になったら?とリアルな現実を含めて考える事ができ得る作品。


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