やすらぎ通信

やすらぎの里で発行している通信です

やすらぎ通信 Vol.91 【食べ過ぎと脳内神経伝達物質】

2011年06月30日 | やすらぎ通信
【目次】

○食べ過ぎと脳内神経伝達物質
○やすらぎのレシピ 
「 梅ドレッシング、 夏みかんドレッシング 、
ゴマドレッシング、豆腐マヨネーズ」
○情報スクランブル
「ヨガ・瞑想リトリート」
「おすすめの書籍」
プレヨガであなたのヨガをはじめよう
減速して生きる ダウンシフターズ
○寄せ書きから
○編集後記




【食べ過ぎと脳内神経伝達物質】


震災以降、食事が乱れて、体重も増えてしまった。

ゲストの方から、そんなことをよく聞きます。

ストレスが多くなると、食べ過ぎてしまう。

昔からよく言われていることですが、
その原因は、脳内の神経伝達物質にあります。

脳の中には、たくさんの情報を伝達する、
神経伝達物質があります。

代表的なものに、快楽と関係する「ドーパミン」、
ストレスと関係する「ノルアドレナリン」、
感情を安定させる「セロトニン」の3つがあります。

人はストレスを感じると、その状況に対処するために
ノルアドレナリンを出して、臨戦態勢になって身構えます。

しかし、その働きが行き過ぎると、
心と身体に悪影響を与えるので、

ノルアドレナリンが過剰にならないように、
感情を安定させるセロトニンが調整しています。

ドーパミンは快楽報酬系の神経伝達物質で、
食欲や性欲など、本能的な快楽と密接な関係があります。

このドーパミンの働きも、セロトニンが調整して、
ドーパミンが暴走しないように、コントロールしているのです。

しかし、ストレスが長期間続くと、セロトニンがあちこちで使われて、
本来の感情を安定させるという、本来の働きができなくなります。

そうなると、気分が不安定になったり、
ノルアドレナリンやドーパミンの働きを抑制できなくなります。

イライラしたり、食べ過ぎてしまう、そして太る、
それがさらストレスになって、また食べ過ぎる・・・。

そんな悪循環の元になっているのは、
脳内の神経伝達物質のバランスの崩れです。

---------------------------------------------

「甘いものの依存とドーパミン」


甘いものがやめられない、食べたら止まらなくなる。

自分は、甘いものに依存しているって思う人、結構、多いと思います。


私たちが、いろんなことを学習するのは、
その後に得られる報酬を期待しているからです。

ほめられたり、認められたり、いい仕事につけたり、収入が増えたり。

金銭的なことだけではなく、
人の役に立てて嬉しいなんていう報酬もあります。

これは、ある行動をとって、それが、自分の生存に有利に働くようだと、
その行動を深く記憶するために、快楽を感じるようにできているからです。

この快楽を感じさせてくれるのが、脳内伝達物質のドーパミンです。

本来は、好ましい行動を強化するためにあるのですが、
今は、簡単にドーパミンを出せる手段があります。

それが、甘いものやアルコールです。

自然界では、あまりとりすぎることがなかった、
甘いものやアルコールは、簡単にドーパミンを出して、
快楽を与えてくれます。

特に、ストレスが多く、楽しいことがほとんどないような
生活を送っていると、日常生活で快楽と関係する
ドーパミンが出ることがほとんどありません。

そんなときに、甘いものをたくさん食べたり、
アルコールをたくさん飲むと、一時的にドーパミンが大量に出ます。

その快楽を脳が記憶してしまうと、
その快楽を味わいたいために、またやりたくなってしまうのです。

さらに、その快楽に依存的になり、
日常的にたくさんとり続けていると、
脳のドーパミン受容体が不活発になって、

さらに、たくさん飲んだり食べたりしないと、
ドーパミンがうまく作用しなくなってきます。

こうして、甘いものやアルコールに、
どんどん依存していくパターンができあがっていくのです。

このどんどん、エスカレートしていく、
欲求を抑えてくれるのがセロトニンです。

---------------------------------------------

「セロトニンとは」


セロトニンには感情を安定させて、
心を穏やかに保つ働きがあります。

また、ドーパミンの過剰な分泌を抑制して、
快楽の刺激に依存しやすいのをコントロールする働きもしています。

セロトニンが不足すると、感情が不安定になり、
ちょっとしたことで切れやすくなったり、
急に涙が出たりすることもあります。

セロトニンの不足とうつ病は深い関係があり、
抗うつ剤のほとんどが、セロトニンの量を増やす作用があります。

甘いものなどに依存している人は、
セロトニンを増やすのが、依存から抜け出すポイントです。

---------------------------------------------

「セロトニンを増やす」


セロトニンが不足する原因は、不規則な生活、睡眠不足、運動不足です。


1、朝日を浴びる

できるだけ、太陽の光を浴びましょう。

日の光を浴びると、セロトニンの働きが活性化します。

特に、朝の光がセロトニンを増やす働きがあります。

できれば、短い時間でいいので、朝日を浴びながら、
お散歩ができたらいいですね。


2、質のいい睡眠

睡眠は、何時間寝たかよりも、
深さ、熟睡できているかどうかが大事です。

いい睡眠をとるためには、寝る前の1時間が大切です。

できれば12時までには寝たいですね。

そのためにも、11時になったら、
脳を興奮させることはやめて、リラックスの時間にしましょう。

僕の場合は、11時になったらお風呂に入る、
その後は、PCは使わない、仕事もしないようにしています。

さらに、寝る前に、足や骨盤などをゆっくり動かして、
頭に上った血液を下半身に下げて、鎮めるようにしましょう。


3、リズムのある運動

セロトニンを増やすには、リズムのある運動が効果的だといわれます。

これは、特別な運動ではなく、テンポよく歩くとか、
その場で足踏みする、軽いスクワット、
ゆっくりした腹式呼吸など簡単な運動で大丈夫です。

リズムのある運動を5分以上すると、効果があるので、
まずは、1日1回5~10分、
1ヶ月位して慣れてきたら、1日2回やってみましょう。

運動は続けないと、効果が実感できないので、
続けるためには、疲れるまでやらないのがポイントです。

---------------------------------------------

「食事でセロトニンを増やす」


セロトニンは脳内で作り出されますが、その時に必要な
材料の一つが「トリプトファン」と言う物質です。

トリプトファンは、体内では作ることができないので、
食事からとらなければいけません。

トリプトファンは、必須アミノ酸の一種で、
納豆、赤身魚、肉、ナッツなどに多く含まれています。

これらの食品は、たんぱく質や
アミノ酸の分解を補助する、ビタミンB6も多く含みます。

トリプトファンとビタミンB6がバランスよく取れていると、
セロトニンが効率よく合成されます。

一般的に、たんぱく質や良質な脂肪を含む食品は、
ホルモンや神経伝達物質の元になると言われているので、
意識的に摂るようにしたいですね。

---------------------------------------------

「よく噛む」


食事のときによく噛むようにすると、
リズムのある運動をしたのと同じ効果があり、
セロトニンを増やす効果があります。

よく、外国のスポーツ選手が、試合中にガムを噛んでいますね。

余計な緊張が取れて、リラックスでき、集中力がアップするからです。

また、よく噛むと脳の血流が多くなるので、
脳にたくさんの栄養と酸素を送ることができます。

よく噛む食事をしている学生は、
勉強の成績がいいというデータもあるようです。

パンやふわふわのお菓子などの柔らかい食べ物や飲み物は、
噛む必要がないので、どうしても噛む回数が減ってしまいます。

よく噛むためにも、噛みごたえのあるものを食べるようにしましょう。

玄米や、ナッツ、野菜、海草など、噛みごたえのある食品は、
食べ過ぎを抑える効果もあるので、一石二鳥です。

噛めば噛むほど、セロトニンがたくさん出て、
元気になれると思って、しっかり噛んで食べてください。

---------------------------------------------

「セロトニンとタッチング」


赤ちゃんが泣いていると、お母さんが、
抱いて、背中をトントンとしてあげますね。

しばらくすると、赤ちゃんは泣き止み、
安心した顔で、お母さんの腕に抱かれている。

あれには、ちゃんと科学的な根拠があったのです。

あの、抱いたり、トントンとしてあげることが、
セロトニンの分泌を増やして、不安をなくして、感情を安定させていたのです。

これは、赤ちゃんだけではなく、
大人でも同じ効果があることが、いろんな実験で実証されています。

例えば、震災の後の心のケアー。

どんな言葉より、抱きしめて、
背中をトントンとしてあげることが、どれだけ、その人の心を癒したか。

だけど、日本人はハグ(抱き合うこと)の習慣がないので、
いきなり、抱きしめられるのには、抵抗を持つ方も多いはずです。

そこで、タッチングです。

体のいろんなところを、指の腹でトントンと、軽く、たたくようにします。

これは、タッピングとも呼ばれ、自律神経の働きを調えたり、
セロトニンの分泌を増やす方法として、確立した治療にもなっています。

トントンする場所ですが、自分で気持ちよく感じるところでいいです。

僕は、肩と腰の辺りをトントンするのが、
気持ちいいので、ときどきやっています。

また、落ち込んだり、寂しいときは、何も言わずに、
好きな人に、抱きしめてもらえたらいいですね。

だけど、抱きしめてもらう人がいないという人は、
自分で自分を抱きしめてあげましょう。

胸の前で両手を交差させて、肩や二の腕の辺りをつかんで、
ぎゅっと、自分を抱きしめてあげます。

そのときに、「だいじょうぶ」「よく、がんばったね」って、
自分自身に言ってあげてもいいです。

また、誰か落ち込んでいるときは、
本人が嫌がらない範囲で、トントンしてあげましょう。

変な力みがなく、自然な気持ちで、タッチングしてあげると、
やってもらった相手だけではなく、やってあげた、
自分も気持ちが落ち着いてきますよ。

タッチングは、お互いの気が交流するので、
相手だけではなく、自分のセロトニンの分泌も増えます。

こんな時だからこそ、もっともっと、タッチングが必要な気がします。

みんなで、気軽にトントンしてみませんか。




【 やすらぎのレシピ 】

蒸し暑い日が多くなってきました。

こんなときは、しゃきっと冷たいサラダのような、
さっぱりしたものが食べたくなりますね。

そこで、今回はやすらぎの里で出している、
サラダのドレッシングと豆腐マヨネーズを紹介します。


「 梅ドレッシング 」


梅の酸味と、しその香りがさわやかなドレッシングです。

蒸し暑くて、食欲が落ち気味なときにおすすめです。

●材料

梅干小1個、しその葉2枚、昆布だし大さじ3、酢小さじ2、
みりん大さじ1.5、はちみつ小さじ1

●作り方

1、梅干の実をほぐす

2、しその葉をみじん切りにする

3、すべての材料を混ぜ合わせる

---------------------------------------------

「 夏みかんドレッシング 」


夏みかんを使った、さっぱりしたドレッシングです。

夏みかん以外でも、酸味のある柑橘類だったら、
どんなものでも大丈夫です。

●材料と作り方

だし汁75cc、醤油15cc、みりん15cc、
ポン酢25cc、夏みかん2個分の絞り汁を混ぜる

---------------------------------------------

「 ゴマドレッシング 」


ごまを使ったコクのあるドレッシング。

ごまの風味が生きている、
和風の和え物などにも使える、美味しいドレッシングです。

●材料と作り方

醤油大さじ3、みりん大さじ2、りんご酢大さじ2、
米酢大さじ2、みそ大さじ1、はちみつ大さじ1、
練りゴマ3/4カップ、すりゴマ1/3カップを混ぜ合わせる。

---------------------------------------------

「豆腐マヨネーズ」


油をほとんど使わず、豆腐で作ったマヨネーズです。
味もあっさりしていて、和風の和え物の感じで使えます。

●材料

豆腐1/2丁、菜種油大さじ2、米酢大さじ2
みりん大さじ1、塩小さじ1/2、コショウ少々

●作り方

1、豆腐を1~2分ゆでて、ざるにあげて30分水切りする。

2、ミキサーに調味料と豆腐を入れて、なめらかになるまで攪拌する。

3、ドロドロにして、冷蔵庫で保存する。




【 情報スクランブル 】


「ヨガ・瞑想リトリート」

毎回キャンセル待ちになる、ヨガ・瞑想リトリート。

次回は、10月22日(土)1泊2日でおこないます。

10月のリトリートのテーマは「呼吸を深める」
からだがだるくて、疲れやすい、緊張しやすく、呼吸も浅い。

呼吸は、代謝やリラックス、
内臓の働きを活発にするために、とっても大事なポイントです。

ただ、がんばって、長い呼吸をすればいいのではなく、
ゆったりした、気持ちのいい呼吸をしていたら、自然に
深い呼吸になっていた、そんな状態を目指していきます。

夏が終わって、涼しくなった伊豆高原で、
爽やかな空気を胸いっぱいに吸いこんでみませんか。

---------------------------------------------

「おすすめの書籍」


●プレヨガであなたのヨガをはじめよう
松本 くら著 BABジャパン


伊豆高原で、ボディーワークの
個人セッションや、ヨガを教えている、松本さん。

ヨガを通して、自分の体と仲良くする方法が、
松本さんの優しい言葉で、語られています。

ヨガのポーズとかがたくさん載っているわけではありませんが、
ヨガの本質をここまで分かりやすく伝えている本は、他にないと思います。

ヨガに興味を持ち始めた方から、ヨガはやっているけど、
行き詰っている方、ヨガを教える立場になっている人たちまで、
いろんな人に読んで欲しい本です。

なんか、読んでいるだけで、肩の力が抜けて、リラックスしてきますよ。


●減速して生きる ダウンシフターズ
高坂 勝著  幻冬社


30歳まで大手小売店で働いていて、退職した後、
日本中を放浪して、その後に、池袋でオーガニックのバーを始めた著者。

これだけだと、よくありがちが話ですが、その働き方が、
今の閉塞した日本にヒントを与えてくれます。

日本人が高度成長以降、必死に働いて、物質的に豊になって、
大きなテレビやオール電化の住宅を建てて、

原発がたくさんないと電気が足りないような暮らしをして、
本当に日本人は、幸せになったんだろうか。

今こそ、そんな駆け足の暮らしを見直して、
減速して生きている、ダウンシフターズの人たちの生き方から、
大切なことを学ばなければいけないと思います。




【 寄せ書きから 】


やすらぎの里では来ていただいた方が、
お帰りの際に、寄せ書きを書いてもらっています。

滞在中の感想から感謝の声まで、
すべてスタッフみんなの活力になっています。

その中の一部をご紹介させていただきます。


  
今年もやすらぎの里に来ることができました。

毎年、変わらぬ笑顔で迎えてくださる先生、
スタッフのみなさんに心から感謝です。

忙殺の日々の中で、自分自身の体の声を聞き、
リセットできる唯一の場所です。

今年も本当にありがとうございました。

来年もまた必ず来ま~す。          50代 女性

---------------------------------------------                            
最初は辛かったけど、
最後は食べることのありがたさをすごく実感できました。

肌も少しきれいになれてよかったです。

スタッフのみなさん、
いつも明るく笑顔で接してくださって、
とても癒されました。            20代 女性
---------------------------------------------

初めての断食でしたが「やすらぎの里」を選んでよかった。

日々、美味な食事に、
多量のアルコールの私でしたが、少し改めようと思いました。

毎日、当たり前に食事をしていましたが、
あれほど素材に味があったこと、ひとつひとつ大切に、
美味しいと、何度も心から言えたこと。

これからも大切に、忘れないようにします。

先生、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。 30代 女性




「編集後記」


この時期になると、朝ヨガも夜ヨガも、
窓を開けてやるので、風を感じながら、
ヨガができて、すごく、気持ちいい。

朝は小鳥のさえずりを聞きながら、
夜は虫の鳴き声を聞きながらヨガをしてると、
自然との一体感がよく分かります。

あれをしなきゃ、これもあった、
あの人はどう思っているんだろう・・・。

そんな、頭の中のことは、少し置いといて、
呼吸と身体の感覚に意識を向けます。

しばらく、体を動かして、頭が空っぽになったとき、
体の余分な力が抜けてくるのが分かります。

ヨガとは、つながるということ。

自然の働き=命の働きとつながる。

自分の力ではなく、
自然の大きな力に生かされている。

それが、理屈ではなく、体の感覚として、分かる。

そんなことを体で感じてもらえたら嬉しいです。  大沢

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ロスアンジェスルからこんにちは。 (大湾節子)
2012-10-11 11:32:21
初めまして。

ロスアンジェスル在住、
『幻の旅路』のブログの大湾節子です。

40年も前の昔の話です。
留学当時、過食症に悩まされました。

その時のことを思い出してエッセイ風にブログに書いているのですが、こちらの記事を読んでとてもサ参考になりました。

易しい分かりやすい文章にとても好感が持てました。

他の記事も楽しみに拝見させていただきます。