総合診療医からの健康アドバイス

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科学的エビデンスに基づく個別化医療

2017-03-13 09:19:18 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。しびれる試合でした。昨日の WBC 二次リーグ日本の初戦はオランダ戦でした。6-6 のまま延長に入り、11 回の表、中田選手のヒットで二点差となり、裏のオランダの攻撃をしのいで勝利しました。終了時間は11 時半頃でした。長い試合。これこそ世界戦ですね。では本題へ。
 
 
 
 A子さんは、もともと健康で、高血圧なし、喫煙なし、耐糖能異常(糖尿病含む)なし、冠動脈疾患の家族歴なしで、よくウォーキングをやっている、ということでしたね。


そうすると、A子さんの実際の個別リスクは平均より低く、3%未満です。




 このように、個別リスクを考慮するのが個別化医療です。


 最近では、遺伝子を調べた上で医療を考えるものを個別化医療と呼ばれることがありますが、もともとEBMは科学的エビデンスに基づく個別化医療なのです。
 



 臨床研究論文での対象群のリスクが高めに出るのは、疫学データ解釈の前提が「算術平均mean 」で表されることによるバイアスです。


 リスクで横並びにして集団の分布をみた場合には、正規分布することは少ないです。


 横軸の目盛をリスクとして通常は、向かって右側がロングテールの左側(陽性の歪度の)偏りの分布となります。

 


 このリスク分布によるバイアスをLake Wobegon効果と呼びます。


 米国の中西部のLake Wobegon町の住民は「女性は強く、男性は美しく、子供たちの成績は全米平均以上」であり、平均で評価することのバイアスを示しています。


 これを式で示すと、
 

「中央値(順番で50%の値)<算術平均値」
 

 であり、大部分の人々(>50%)は元々のリスク(3%)より低くなるのです。


 Lake Wobegon町の住民は実際のこの町の人々は、大部分の女性は弱く、大部分の男性は美しくなく、子供たちの成績は全米よりよいということは無いのです。
 



 A子さんに対する、私のアドバイスは「飲まなくてもよい」ということです。


 しかしながら、最終的な判断は、このような「絶対的な」説明をA子さんにおこなったうえで、共同意思決定shared decision-makingを行うことです。


 治療方針の決定の際、選択肢をあげてあくまで患者に治療を賢く選んでもらうことが大切ですね。

 

久しぶりの晴れ間

 

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