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ヘレン・カルディコット博士 

2013-04-08 | 思索
皆様ありがとうございます。

私は 医師として、また 特に子供たちを診る立場の 小児科医であった という立場から、

本日は 福島の事故の 医療的な側面から 影響について お話を申し上げたいと 思っております。


福島は 人類の歴史上 最悪の産業事故です。

極めて深刻な事故で 3つの炉の メルトダウンがおこるという、

人類史上 初の 3連続の メルトダウン事故でした。

とにかく 莫大な量の 放射性物質が 放出されました。


そして ひとつ幸運だったことは 最初の数日間、 風が西から東へふいて、

つまり 太平洋へ向かって ふいていた ことです。

そのあと 風向きが 北西方向に変わり、 日本の 南の方向にまで向かって

放射性物質が 拡散していく ということが おきました。


そしてその間、 日本政府は 放射性物質の 拡散について SPEEDIというシステムをもっていて、

拡散の状態の 評価があったにもかかわらず、 パニックを避けるため というような理由で、

国民に 情報を与えることを しませんでした。

ですから 中には 最も放射線の高かった方向へ向かって 逃げた人が 出てしまいました。


私自身、 チェルノブイリ事故の推移を ずっと そのあとを追って 緊密に 見て きましたけれども、

その中で 私が言えるのは、 ロシア人の人たちというのは、 ロシアの国は 日本に比べると

もっと積極的に 人を移動させる、 避難させる ということに 取り組んだと思います。

国民を守るために そのような行動を ロシアの方が とったということを 私は感じます。


日本の政府も、 それから 東京電力も 理解していないことは、

子供たち というのは 放射性物質に対する 感受性が 大人の 10倍~20倍と あるということです。

放射線被曝に 由来する ガンにかかる リスク ということで、

子供の中でも 男の子と 女の子を 比べた場合には、 女の子の方が リスクは 2倍になります。

そして 成人と比べて 胎児と 比較してみると、

胎児の方が そのリスクは 1000倍~何千倍 というリスクの高さ になります。


そして 福島の 地域200万人の人がいて、 福島市という、福島市も 放射線が高いんですが、

その地域に 25万人の人口が住んでいます。


私は 日本政府が 子供たちを 線量の高い地域に 住まわせ続ける、住むことを許している

ということに 非常な驚きを 禁じ得ません。

チェルノブイリの場合は 同じレベルの汚染地域から ロシアは 子供たちを 避難させました。

私は 日本政府が、日本の国が、東京電力や 原子力産業から 強い影響を受けたり、

あるいは 場合によっては コントロールされるというような 状況にあることを 知っております。


そしてまた 政治家の皆さん というのは、 医療的な側面や 科学的なものに対しての 知識が

あまり 深いところまで お持ちでは ありません。

とくに 福島県、特に線量の高い地域にいる子供たち、妊婦、それから子供を産む、出産ができる年齢の方々、

そういった 方々が 高線量地域にいるということは、 医療的な側面から見て 非常に 極めて 深刻な問題です。


そして 子供たちは 一生、 生きていく今後の人生の中で ガンになる 可能性が 出てくるわけですが、

ガンというのは 潜伏する期間が 結構長くあるということが ヒロシマや ナガサキの経験から わかっています。

5年とか 17年とか そういった長い年月が かかります。


そして 当局の皆さんは 福島の 18歳以下の子供たち 8万人の 検査をした と聞いております。

とくに 甲状腺の 超音波検査をした ということでした。


そして この検査の中で 40%の子供に 甲状腺に 何らかの異常が 見つかった という結果が出ていますが、

このような数字というのは 小児科の見地からみますと 極めて ほんとうに まったく 希な話 であります。


子供たちの中には 必ず今後、甲状腺のガンに かかる子供が 出てくると思われますが、

すでに 12歳の男の子で 甲状腺ガンが 見つかっていますし、今1 6歳の女児が 検査を受けて

ガンの 可能性が 極めて高いと言われて、更に 検査をしていると きいております。

そして チェルノブイリの場合は、このガンが ではじめたのが 5年ぐらい経ってから だったんですが、

今現在 日本で これだけ 症状と言えるものが 出ている ということは、

この 日本の子供たちは 相当高い線量を 受けたのではないか ということが 言えると思います。

おそらく チェルノブイリよりも 高い線量の被曝を 受けた と考えられます。


医師としての 私の立場からみると、日本の政府というのは、日本の人たち、人間を守る ことよりも

東京電力を守る ことに がんばっているのではないか というふうに 見えてしまいます。


そして 高い線量の 地域にいる 特に子供たち、妊婦、それから 子供を産むことができる 若い女性なり、

子供を産める女性の方たち、こういった方たちを 移住させる、 そこから避難させるというのは

極めて重要なことだと 私は考えていまして、そこで その移住のための費用を

国の政府が きちんとまかなう、負担する ということは 非常に重要なことだと 私は思っています。


ですから 実際、非常に弱い立場にある、こういったような 子供や 妊婦さんや 若い女性、

そういった人たちよりも、実際、東京電力を 守るために 予算を使うということを しているのが、

今の 日本の 政治だと 思います。


そして 放射性元素というのは 食物の中に 蓄積します。

たとえば キノコ類、 ほうれん草、 お米、 お茶、 それから 魚。

放射性物質というのは、味は しません。 匂いも 全く しないし、 目に見えることも ありません。

ですから 福島からきた 汚染した 食品を 人が 口にしているわけですが、

残念ながら 日本には その 放射性を帯びた 食品を 食べることに 実質的に 規制がない というところです。


そして こういった 魚とか 食品とか 放射性物質がある食品、

たとえば セシウム137で 汚染された食品を 食べていると、何年か経った時に 悪性の脳腫瘍とか

筋肉腫とか その他のガンを 発症する、ガンになる という可能性が 出てきます。


そして例えば 福島県の学校や 幼稚園では、

放射能を帯びている 放射性物質が 入っているような食事を 子供に 与える というようなことをしています。

これは 医療的な見地から見ると「非道徳的」と言わざるを得ません。

福島からの食品、とにかく毎週すべて 検査をする必要が あります。

そして 検査の結果によっては 販売をして 口にするということが あってはいけない と考えております。


そして 魚ですが 太平洋の魚には 高い放射性レベルが 検知されています。

これは 放射性元素が 大量に 海に投棄され 放出されたからですが、

この 太平洋に放出された この放射性物質の 量というのは、 人類の過去の史上 最高の量です。


私は 400人の一般市民の方を前に 講演をさせていただきましたが、

そこで 私が感じたのは、そこに来られた 一般市民の皆さんが、一体どうしたらいいのかということを

必死で 知りたいと思っている、何が起きているかというのを

必死で 知りたいと思っていらっしゃる お気持ちでした。


福島の結果 どんな影響が起きて 日本に 今 なにが起きているのか ということを、

広く 一般の人に 知らせる責任が メディアにはある と思いますが、

今のところ 全体的にみて その責任は 果たされていないように 見えます。


そして この福島の事故、これは まだ終わってはいません。 まだ 続いているわけです。

そして いま 40年、時間をかけて、クリーンアップ、きれいにする といっていますけれども、

科学的に見て クリーンアップ、きれいにするということは できません。

これは 科学的に言って 不可能です。


セシウム137というのは 300年残ります。 そして 福島はじめ その周辺の汚染地域も 汚染されたままです。

食品の汚染も、そして 人が汚染を受けたものも、 300年 あるいはそれ以上の時間 続くわけです。

そして 国の政府は どうも 今回の この大災害というか 大事故が どれだけ長い時間が かかるものか

という現実を よく理解されていない と思います。


そして これから 疫学的に見ても 白血病や ガンや 先天性の形成異常とか そういったものが

今後70年間にわたって 次々出てくるであろう ということを 私は思います。

そのことを 実は 原子力産業も 知っている のではないかと 思います。

福島に今、ガンに対応するための 非常に大きな 医療施設を 作ろうとしている と聞いています。


そしてまた 福島の 原子力発電所の 処理をするために 極めて高い線量のところで 作業しておられる

作業員の方々 についても、公に 記録が 人々に見える形で 残されていない 状態に 今 あります。

そして 高線量のところで 作業をする人たちの 放射線による被害の状態 というのは

きちんと 記録がなされ、それが 公の情報として 出されていかなければいけない と思いますが、それが

実際に可能になっていくかどうかは、この メディアによっているところが 非常に大きい と考えています。


そしてもう一つ、最も重要な点なんですが、日本の多くの人に 知っていただきたいことは、

もし 福島の地域で もう一度 マグニチュード7以上の、7を超えるような 大きな地震があった場合には、

福島原発の4号機、この建物が 崩壊する可能性が あるということで、

ここには 使用済み核燃料の 冷却用のプール がありますが、これが崩壊しますと、

チェルノブイリで起こった 10倍の放射性物質が さらに放出される ということが予想されている という点です。


そして もしそのようなことが起きた場合、日本という国の大半の部分が、もう終わってしまうということです。


それほどの大事であるにもかかわらず、多くの人が その現実に

はっきりと 気づいていない ということだと 思います。

そして 政治家の方は すでに、もし4号機に何かあって そういった 崩壊とかの事故があった場合には、

東京も 今度は 避難しなければいけなくなる というようなことを わかって言っていらっしゃいますが、

一体 3000万人の人を どうやって避難させるんでしょうか?


そして 日本の政府も それから 東京電力も、外国の企業からの助け、あるいは アメリカの NRCからの助けや

海外の専門家からの支援 を得ることを 認めていませんので、得ていない 状態にありますので、

4号機の補強する、強化をして 安全にするために ぜひ 協力を仰ぐべきだと 考えます。


今、日本だけ、東電だけで、いまこの対処をするのに、クレーンを設置して

中の使用済み燃料を 取り出すことができるようにするのに 2年かかるということを言っていますが、

その2年間、待っている間に 何が起きて もおかしくありません。


そして 最後に申し上げたいことは、がれきの問題です。

福島の地域から出た、放射能で汚染された地域から出た がれきについて、

これを 他の地域で焼却するということを 聞いています。

焼却する ということは、ダスト、灰が出るわけです。

そのようなことをして、広めるということは、これは犯罪的なこと だと思います。

私からは以上でございます。ありがとうございました。


追記
クリーンアップ=除染  ダスト=ばいじん 塵  という解釈が 妥当かと思います。

質疑応答はすべて文字おこしはできませんが、とりあえず簡単に以下。

「日本の医師は表に出てこないブラックアウト状態。水俣の時よりひどい。」

「被曝にビタミンCはききません医学的には。」 BY カルディコット医師


場所:衆議院第一議員会館 一階多目的ホール 2012年11月19日

会見者:ヘレン・カルディコット博士 
 
【ヘレン・カルディコット医学博士 プロフィール】

1938年、オーストラリア・メルボルン生まれ。
ハーバード大学の小児科でも教鞭をとり、2万3000人の医師を擁する

Physicians for Social Responsibility(社会的責任を果たす医師団)の創立会長となる。

その傘下組織「International Physicians for Prevention of Nuclear War (IPPNW)核戦争防止医師会議」は、

ノーベル平和賞を受賞。 自身もノーベル平和賞候補になった。

著書に「狂気の核武装大国アメリカ」(集英社新書)、
「Nuclear Power Is Not the Answer to Global Warming or Anything Else
(原子力は温暖化への解答ではない)」など。

また、スミソニアン博物館は、カルディコットを20世紀で一番影響力のある女性の一人と評している。


記者会見 (司会は木下黄太さん) 文字おこしはoldblue管理人
ジャンル:
環境
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