原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

朝鮮語に移植された日本語

2015年04月21日 09時44分48秒 | 海外
私は朝鮮語を知らないし、韓国ドラマをほとんど見ないのでごく最近まで知らなかったことがある。偶然に見た韓国製ドラマのセリフに使われた「やくそく」という言葉に反応してしまった。字幕スーパーを見ると「約束」となっている。日本語と同じ言葉を韓国も使うのだな、と思った。同時に漢字の影響で中国由来の言葉なのかなと考えた。しかし、やくそくという発音は日本語そのもの。韓国では表音記号で漢字から成り立っているので中国由来は考えられない。まして中国語の約束に当たる漢字は約定しかない。明らかに約束は日本語由来なのだ。 . . . 本文を読む

モンタルチーノ!

2014年08月08日 10時00分00秒 | 海外
  この名を聞いて舌なめずりする人はワイン通。目を細める人はイタリアの歴史通。一度知るとなかなか忘れ難くなる味と町である。イタリアのDOCGとして世界的にられるワインであるが、キャンティなどに比べるとその歴史は意外に新しい。1800年代となって科学者でもあったクレメンテ・サンティがイタリア特産のブドウ、サンジョヴェーゼの品種を改良、新種のサンジョヴェーゼ・グロッソ(ブルネッロ)をつくりだしたところからワイン維新が起きる。クレメンテの孫にあたるビオンデ・サンテがワインを完成するのが1888年。今ではモンタルチーノの周辺に200を超えるブルネッロのワイン醸造所がある。もちろんビオンデ・サンティの醸造所(6代目)も健在である。 . . . 本文を読む

スコットランド魂を見よ。

2014年04月15日 08時53分12秒 | 海外
 明日、4月16日をスコットランドの人はある感慨をもって迎える。1746年のこの日、インヴァネス近くのカロデンと言う荒野で戦闘があった。ジャコバイト軍(反政府革命軍)による反乱である。1707年にイングランドはスコットランドを強引に合併、大英連合国(イギリス)に編入される。この合併に異議を唱え、イングランドからの独立を目指して立ち上がったのがボニープリンス・チャーリーとジャコバイトたちだった(独立を目指した最後の戦いとなる)。しかし戦いはジャコバイト軍の惨敗に終わる。多くのスコットランド人が惨殺され、奴隷とされる。この日を境にキルトとタータンの着用も禁じられる。スコットランド人にとって民族そのものを否定される日となったのである。 . . . 本文を読む

ヒットラーの遺産

2014年01月31日 10時05分49秒 | 海外
  もう二十年位前の話になるだろうか。モナコで取材(雑誌)があった。地中海をめぐるクラシックヨットのレースがあり、そのゴール(スタートはイタリア)がモナコであった。レースの後、観光局に紹介されたのがLASSE号のキャプテン。ドイツ人で印刷所を経営しているという。彼の持ち船は、その昔ヒットラーの所有であった。愛人であったエヴァ・ブラウンにプレゼントしたヨットである。その証拠の記述がプレートの横にある雑誌記事。これまで数多くのレースに登場しており、作り話ではない。その夜、船に招待され、ワインを飲みながら会食。別れ際に渡されたのが写真の記念プレート。こうしてヒットラーの遺産の一部がわが手に残った。 . . . 本文を読む

ついに野鳥からもウイルスを検出!

2013年04月19日 08時24分43秒 | 海外
  ボストンの爆弾テロに注目が集まり、あまりスポットが当たっていないが、4月17日付の新聞報道はドキリとさせられた。中国の鳥インフルで、ついに野生のハトからもウイルスが検出されていた。3月末の鳥インフル感染の情報公開から、着実に範囲が広がり、中国全体では感染者は一日経過するだけで78人から83人(死者16人)に増えていた。中国側は依然として人から人への感染はないとしているが、17日には院内感染の可能性を示唆する報道があった。人から人への感染はパンデミックにつながる重大な問題。いまだにすべての情報を公開しない中国、同時にWHOの怠慢な対応に不安が広がる。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑨―2・28事件

2013年03月01日 08時22分21秒 | 海外
 昨日は2月28日。台湾の人にとって忘れられない日であり、台湾史にとっても重要な2・28事件が起きた日であった。事件が発生して、今年で66年目となる。近年の台湾では国家的行事として追悼式典などが催されている。しかしこの事件は長い間(蒋介石の統治時代)隠されていた。事件は蒋介石の国民党と台湾人との軋轢が生んだもの。その根には日本があった。事件が明るみに出たのは、民主化が進んだ二十世紀後半となってから。それまで台湾の人は口にだすことさえ禁じられていたのである。日本人が詳細にこの事件を知ることになったのも、最近のことであった。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑧―日本を残そうとする台湾

2013年02月22日 08時09分29秒 | 海外
  今週の読売新聞(2月19日)の記事に注目した。「日本レトロ」台湾でブーム。日本の統治時代に建てられた日本家屋が台湾の歴史的建築物として評価され、民家やカフェなどに再利用されているとのこと。民間だけのブームではなく行政院(政府)も協力している、という。実は2000年頃から、台湾は日本ブームとなり、日本時代の古い民家や宿舎などが再利用される動きが目立っていた。そのまま観光施設となった建物もたくさんある。蒋介石の呪縛が解け、民主化運動の大きなきっかけとなった影の主役として、日本の存在があったことはたしかであった。 . . . 本文を読む

中国人の道徳心!?

2013年02月19日 08時21分49秒 | 海外
  先日、ロケットニュースが報じていた。「オランダ航空がわがまま中国人が騒いで離陸できず」「置き去りにして離陸強行」。いやはや、この国はまだこんなことをしているのか。これは北京空港での話である。もしオランダのスキポールなら、そのまま警察へ連行されたであろう。北京だから後の便で送られる程度で済んだ。理由は言葉の行き違いという話。だが、その時の乗客らの話では、6人の中国人が遅れてきた上に(ファーストクラス)、シートベルトをしない、携帯電話をやめないなどの行為があったらしい。そして乗務員とトラブル。彼らの道徳心はどうなっているのだろうか? . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑦―神に祀られた日本人

2013年02月01日 08時18分00秒 | 海外
  森川清治郎という名前を聞いてピンとくる人はそうはいないだろう。だが、台湾の中西部嘉義県では有名人。「義愛公」の名で神として祀られている日本人なのである。副瀬村にある富安宮にはいまも御神体として彼の彫像が祀られている。明治以降の日本は欧米にならって植民地政策をとり東南アジアに侵略したという前提で歴史が語られ、植民地の一つに挙げられる台湾(現中華民国)に多大な迷惑をかけたと主張する人がいる。彼らがどれほど真実をゆがめているか、すでに多くの人は気づき始めた。森川清治郎は当時の日本の、海外進出における真の姿を語っている。 . . . 本文を読む

ボウモアに残した心。

2012年11月16日 09時10分45秒 | 海外
  11月6日、ウイスキー好きにビックニュースが届けられた。英国が主催する国際品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で山崎18年と白州25年がウイスキー部門の最高賞を受賞。竹鶴正考がスコットランドでウイスキー造りを学んでから90年(竹鶴は山崎蒸留所の初代工場長。その後独立してニッカウヰスキーを創業)。日本のウイスキーが本場を超える日がついに来たかと感じた。サントリーは当初から本場スコットランドを目指していた。アイラ島のボウモア蒸留所が資金難に苦しみだした時、真っ先に援助の手を差し伸べ、最終的にはオーナーとなったことでも、それがよく分かる。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑥―八田與一物語(2)

2012年08月31日 08時04分20秒 | 海外
  台湾に貢献した日本人として、李登輝元総督も最初にその名をあげる八田與一はダム建設により台湾の華南平野を大穀倉地帯に変身させた功労者であった(前回までのあらすじ)。1930年に完成したダムは、いまだに現役で稼働している。清国が「化外の地」と例えた台湾の近代化に、日本がいかに尽力していたかが分かる。同じ植民地とした朝鮮半島でも日本は同様の政策をとっていた。にもかかわらず韓国や北朝鮮は反日教育を徹底し、日本に対する感謝など全くない。台湾の人とは真逆。その理由は国民性の問題なのかもしれない。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑥―八田與一物語(1)

2012年08月28日 07時32分52秒 | 海外
  蒋介石が亡くなった後、台湾の民主化を促進し、国民の選挙により初代総統となった李登輝さんが、自身の著書やインタビューに答えて、次のように幾度も語っている。 「台湾に寄与した日本人を上げるとしたら、嘉南大用水路を造り上げた八田與一技師の名が、いの一番に浮かぶ」 元総統が語る八田與一こそ、二十一世紀の現在に至るまで多くの台湾人に感謝されている日本人の一人。彼が建造したダムは、今も嘉南平野の中で燦然と生き続けている。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑤―芝山巌事件

2012年03月16日 07時54分34秒 | 海外
 台北市の北部に芝山と言う町がある。ここに芝山巌の森と言う丘山があり、頂上には恵濟宮の本殿と公園がある。市民の憩いの場でもある。台湾で初めての学校(芝山巌学堂)がこの芝山公園にあった。学校を創設したのは日本政府。台湾総督ができてわずか一カ月後の1895年(明治28年)6月のことである。その半年後の元旦(1896年)に事件が起きた。先生として派遣されていた6名の日本人が抗日テロにより殺害されたのである。六士先生として学校のすぐそばに手厚く葬られた。主導したのは台湾の人たちであった。後にここに芝山巌神社が建立(1930年)。以来、学問の聖地として台湾で教育に殉じた先生を祀る場所となった。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ④―本省人と外省人

2012年02月03日 08時11分50秒 | 海外
 先月14日台湾で総統を選ぶ選挙が行われた。国民党の馬英九氏が再選された。台湾初の女性総統の誕生が期待された民進党の蔡英文氏だが、善戦したにもかかわらず敗れてしまった。他国台湾の総統選挙であり、日本ではあまり大きな話題とならなかったが、この選挙に異常な介入をした中国という国のことを考えると、単に他国の選挙と傍観者を決めている事態ではないことを強く感じる。今後の日本にも大きく影響する選挙結果であったと思うからだ。中国の強力なバックアップを受けた馬総統は日本に対する態度も当然中国寄りになるはず。不安が募る。 . . . 本文を読む

中国の民は幸せなのだろうか?

2011年09月09日 09時00分20秒 | 海外
 まことに余計な心配であることは、十分に理解している。しかし、約一か月前(8月4日)にでた産経のニュースには驚かされた。「中国の精神障害者、がん上回る1億人超」というもの。出所は中国国営新華社通信である。だいたい、中国のデータ類の発表はいいかげんなものが多い。サーズや鳥インフルエンザ時の被害状況の報告はひどいものであった。隠ぺいそのものである。ところが、こうしたデータが国直轄の通信社から臆面もなく出てくる。なぜなのだろうか?事の真偽以上にそちらが気になる。だからこそ、中国の国民は本当に幸せなのだろうか、という思いが彷徨う。 . . . 本文を読む