民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

1:訴状

2008-08-27 14:26:06 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
            訴     状
                          平成20年8月20日
横浜地方裁判所 御中
                          原告 出羽やるか  
〒241-0005神奈川県横浜市00区0000丁目0番00号(送達場所)
                  原告 出羽 やるか
                     電話045(000)0000
                     FAX 045(000)0000
〒870-8501 大分市大手町3丁目1番1号
                  被告 大分県 代表者 知事  広瀬勝貞
国家賠償請求事件
  訴訟物の価額   10万円
  貼用印紙額    1000円
請求の趣旨
 1 被告は,原告に対し金3000万円の一部として10万円及びこれに対する
  訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。
請求の原因
第1 責任原因
   被告大分県は大分県警察を管理運営している。大分県玖珠警察署の警察官が,
  職務として,交通犯罪の捜査を行うにつき,故意または過失によって違法に原
  告に損害を加えたので,被告は,国家賠償法第1条に基づき,原告に生じた損
  害を賠償する責任がある。
第2 事案の概要
 1 交通事故の発生(甲第1号証)
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   平成11年10月7日午前10時55分ころ,大分県玖珠郡九重町大字湯
  坪県道別府一の宮線水分起点34.9㎞先付近道路(以下「本件道路」という。)
  において,原告が運転する原告所有の普通自動二輸車(1横浜あ6876,以
  下「原告車」という。)と,小野寺秀和(以下「小野寺」という。)が運転す
  る国(陸上自衛隊)所有の大型貨物自動車(33・1451,以下「本件大型
  トラック」という。)に牽引されたフル・トレーラ(80・2431,以下「本
  件トレーラ」といい,「本件大型トラック」と「本件トレーラ」とを併せて「自
  衛隊車」という。)が衝突ないし接触する交通事故が発生した(以下この交通
  事故を「本件事故」という。)。
 2 本件事故による原告の受傷,治療の経過(甲第2号証)
   原告は,平成11年10月7日事故後熊本赤十字病院(熊本市)に入院,手
  術を受け,術後安静・リハビリを施行,同10月30日転院となった。
 3 被害の届け出
   原告は,平成11年10月29日大分県玖珠警察署(以下「玖珠署」という)
  に,本件事故の見分官である玖珠署巡査部長間ノ瀬久太(以下「間ノ瀬巡査部
  長」という。)を訪ね本件事故について話を聞き(甲第3号証),平成11年1
  0月14日付け熊本赤十字病院の平山征吾医師作成の,約3ヶ月の加療を必要
  とする見込みとの内容の診断書(甲2)を提出した。
 4 本件事故の実況見分
   間ノ瀬巡査部長の話(甲3)によると,平成11年10月7日の発生日の午
  前11時50分玖珠署長者原駐在所巡査長早水満堯 (以下「早水巡査長」とい
  う)が臨場,その後遅れて,間ノ瀬巡査部長と玖珠署警部補堀部金丸(以下「堀
  部警部補」という)が到着,小野寺立会による実況見分が行われたという。
 5 転院後の治療の経過・症状固定(甲第4号証)(甲第5号証)
   原告は,平成11年11月1日000病院(横浜市)に転院,リハビリ,骨
  移植・再固定の手術・抜釘術を受けた。リハビリを続けたが,右手指の拘縮及
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  び握力の低下の改善認められず,平成13年4月24日症状固定となった。
 6 原告による国に対する損害賠償請求訴訟の提起,その結果
   原告は,平成13年7月23日に横浜地方裁判所に対し,自衛隊車の運
  行供用者である国を相手方(被告)として損害賠償請求訴訟(同庁平成13年
  (ワ)第2714号,以下「別件訴訟」という。)を提起したが(甲第6号証),
  同裁判所は平成14年8月30日に原告の請求を棄却する判決を言い渡した。
  原告は,上記判決に対し東京高等裁判所に控訴した(同庁平成14年(ネ)第5
  154号)が,同裁判所は,平成15年2月4日に控訴を棄却する判決を言い
  渡した。原告は,上記判決に対し最高裁判所に上告(同庁平成15年(オ)第9
  79号)をするとともに,上告受理の申立て(東京高等裁判所平成15年(ネ受)
  第112号)をした。東京高裁は平成15年4月11日に上告受理申立てを却
  下する決定をしたので,原告が許可抗告の申立て(同庁平成15年(ラ許)第1
  28号)をしたが,東京高裁は平成15年5月6日に不許可の決定をした。そこ
  で,原告は,この不許可の決定に対し特別抗告の申立てをした(最高裁判所平
  成15年(ク)第568号)。最高裁判所は,平成15年9月12日に,上記の
  上告及び特別抗告に対し,上告を棄却する決定及び抗告を棄却する決定をした。
   最高裁は,東京高裁の明らかな判断遺脱を上告理由と認めず,上告受理の申
  立てに係る事件が民訴法318条1項の事件に当たるか否かを,東京高裁が判
  断し,当該事件が同項の事件に当たらないとして,同条5項,同法316条1
  項により,決定で上告受理の申立てを却下することを最高裁判所の判例(最高
  裁平成11年(許)第8号,平成11年3月9日決定)に反し許したのである。
 7 玖珠署の実況見分調書(甲第7号証
   原告は,平成13年9月3日,別件訴訟第一審裁判所に大分検察庁日田支部
  の所持する実況見分調書等の文書送付嘱託を申し立てた。裁判所は直には採用
  せず,平成14年1月28日第3回弁論期日になって採用し,調書は平成14
  年2月15日に到着した。
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   この実況見分調書(甲7)は,「被疑者出羽やるかに対する道路交通法違反被疑
  事件につき,本職は,下記のとおり実況見分をした。」とし,実況見分の日時は
  平成11年10月7日午後0時34分から午後1時20分まで,立会人小野寺
  で,平成13年9月27日付けで堀部警部補により作成されている。
   その他として,「本件事故の見分は,事故発生当時当署で勤務していた間ノ瀬
  巡査部長が本件事故の見分を実施したが,現在転勤していることから見分補助
  者である本職が本件事故現場に一緒に行っていてことから,実況見分調書を作
  成した。」,「本見分を明確にするため,本職が作成した交通事故見取図3枚及び
  本職が作成した写真16葉(甲第8号証)を調書末尾に添付することにした。」,
  「見分官間ノ瀬巡査部長,補助者堀部警部補及び早水巡査長」との記載がある。
 8 小野寺の道路交通法第70条(安全運転の義務)違反
   小野寺は,フル・トレーラを牽引した大型貨物自動車を運転して,雑草等が
  あり双方からの見通しが不良な,半径25メートルのカーブを通過する場合,
  カーブの手前でスピードを落とし他人に危害を及ぼさないような速度と方法で
  運転しなければならない義務があったのに,最高速度と指定された毎時40キ
  ロメートルのまま本件道路のヘヤピンカーブに侵入し,原告に危害を及ぼした。
 9 小野寺の刑法211条(業務上過失致死傷等)被疑事件
   小野寺は,業務上必要な注意を怠り,よって原告を傷害した。玖珠署は,小
  野寺に対する業務上過失致死傷等被疑事件の捜査を行わなければならない。
   原告は,平成11年10月29日玖珠署に,約3ヶ月の加療を必要とする見
  込みとの内容の診断書(甲2)を提出して被害を届けている(甲3)。
 10 犯罪捜査規範第104条(実況見分)
   玖珠署は,本件事故発生日の平成11年10月7日,小野寺の立会いを得て
  実況見分を行った。
   玖珠署はその結果を実況見分調書に正確に記載しておかなければならなかっ
  たが,平成13年9月27日まで実況見分調書の作成を放置した。
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 11 刑訴法第246条「全件送致主義」
  (1) 司法警察員は,犯罪の捜査をしたときは,この法律に特別の定のある場
   合を除いては、速やかに書類および証拠物とともに事件を検察官に送致しな
   ければならない。
  (2) 玖珠署は,遅くとも本件事故から4ヶ月が経過した平成12年2月10日
   迄になし得る捜査を行ったのであるから,事件を送致しなければならない。
  (3) 玖珠署は,原告に対する道路交通法違反被疑事件について,平成13年
   11月20日,日田区検察庁に送致した。本件に関して,原告に対する検察
   庁・裁判所からの呼び出しなどはなかった。
    大分合同新聞の報道(甲第9号証)によると,玖珠署が1999年(平成
   11年)3月から11月まで摘発した交通違反事件を検察庁に送致しておら
   ず,時効になっていた。
 12 原告による国に対する行政訴訟の提起,その結果
   原告は,平成16年6月14日に横浜地方裁判所に対し,神奈川県公安委員
  会を相手方(被告)として交通違反点数課点処分取消等請求訴訟(同庁平成1
  6年(行ウ)第37号,以下「別件行政訴訟」という。)を提起したが,同裁判
  所は平成17年4月20日に原告の請求を棄却する判決を言い渡した。原告は,
  上記判決に対し東京高等裁判所に控訴した(同庁平成17年(行コ)第144号)
  が,同裁判所は,平成17年11月16日に控訴を棄却する判決を言い渡した。
  原告は,上記判決に対し最高裁判所に上告(同庁平成18年(行ツ)第38号)
  をした。最高裁判所は,平成19年7月5日に,上告を棄却する決定をした。
 13 原告による国に対する国家賠償請求訴訟の提起,その結果
   原告は,平成17年10月18日に横浜地方裁判所に対し,国を相手方(被
  告)として国家賠償請求訴訟(同庁平成17年(ワ)第3710号,以下「別
  件国賠訴訟」という。)を提起したが,同裁判所は平成18年11月10日に原
  告の請求を棄却する判決を言い渡した。原告は,上記判決に対し東京高等裁判所
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  に控訴した(同庁平成18年(ネ)第5934号)が,同裁判所は,平成20年
  3月25日に控訴を棄却する判決を言い渡した。原告は,上記判決に対し最高
  裁判所に上告(同庁平成20年(オ)第858号)をした。最高裁判所は,平成
  20年7月11日に,上告を棄却する決定をした。
 14 調査嘱託に対する玖珠署長の回答
   平成19年2月15日別件国賠訴訟控訴審の第1回口頭弁論期日に裁判長は
  「平成11年10月になされた実況見分の調書の作成日付が平成13年9月に
  なっているが,被控訴人はその理由を説明し,証拠があれば提出されたい」と
  釈明した。被控訴人国は本件事故に係る実況見分調書(甲7)の作成経緯を証
  するとして,調査嘱託を2回申立てた。1回目は,平成19年3月15日申立
  て,玖珠署長は平成19年3月26日付けで回答した(甲第10号証)。2回目
  は,平成19年8月14日申立て,玖珠署長は平成19年8月17日付けで回
  答した(甲第11号証)。
   玖珠署長の回答は,「当該実況見分調書の作成日時が異なった理由は,本件を
  一旦保留処分としていたところ,出羽から民事提訴がなされ,送致する必要性
  を生じたため,検事の指揮を受けた上で,事故当日の現場メモを基に実況見分
  調書を作成した経緯による。」,「実況見分調書に添付されている写真は,堀部警
  部補が平成11年10月7日事故現場で撮影した。写真のネガは現存している。
  堀部警部補が作成したとされている現場メモは現存していない。写真の他に,
  同調書作成の基となった資料等は存在しない。」である。
第3 玖珠署の違法行為
 1 玖珠署は,本件事故の発生日の平成11年10月7日実況見分を行ったが,
  平成13年9月27日まで実況見分調書(甲7)の作成を放置した。
 2 実況見分調書(甲7)の記載内容に真実でない部分がある。
 3 玖珠署が,実況見分時撮影したとする実況見分調書添付の写真(甲8)のほ
  とんどは事故当日写された写真ではない。
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 4 玖珠署は,人身事故の加害者である小野寺を業務上過失傷害の被疑者として
  送致しなかった。
第4 玖珠署の違法行為の結果
 1 玖珠署の違法行為により,本件事故に関する公判が開かれず,原告は公正な
  裁判を受ける権利を阻害された。
 2 玖珠署の違法行為により,本件事故による原告の損害を回復できなかった。
 3 原告は,長期間の訴訟をしいられ,精神的苦痛をうけた。
第5 原告の損害 総合計 金3000万円 
   原告に生じた損害は次のとおりである。
 1 別件訴訟敗訴による損害 金2557万8457円
 2 慰謝料 金442万1543円
第6 結論
    よって,原告は,被告に対し,損害賠償として金3000万円の一部として
   金10万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割
   合による遅延損害金の支払いを求める。
   その他,口頭弁論において必要に応じて準備書面で主張する。                                  
証拠方法
 証拠説明書に記載のとおり
 その他,口頭弁論において必要に応じ提出する。
附属書類
 1 訴状                        副本   1通
 2 証拠説明書(1) (甲第1号証~甲第11号証)   正副 各 1通
 3 上申書(平成20年8月20日付け)         正副 各 1通
                                  以上
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