民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

8-2:被告準備書面(2)

2009-04-25 04:10:39 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
(8)本件交通事故の送致
  ア 玖珠警察署では、本件交通事故を保留扱いとしていたが、平
  成13年8月中旬頃、堀部警部補のもとに熊本にある自衛隊の
  警務隊から「出羽さんから交通事故の件で、国家賠償請求事件
   が提訴されました。」との電話連絡があった。
  イ 堀部警部補は、上記電話連絡によって、本件交通事故の当事
   者間において争いが生じ、民事裁判になったことを知った。堀
   部警部補は、その旨を上司である交通課長に報告するとともに、
   交通課長の指示により本件交通事故を基本書式で検察官に送
   致することとした。
  ウ そこで、堀部警部補は、原告の出頭を促すために、日時不明
   なるも平成13年8月下旬頃、原告宅に架電し、出頭を要請し
   たところ、原告は、
   「高齢であり、お金もないので玖珠警察署まで出頭できない。」
   と申し述べ、出頭する意思がないことを、再度明らかにした。
  エ 平成13年9月中旬頃、堀部警部補は交通課長とともに日田
   区検察庁の担当副検事のもとを訪ね、原告立会いの実況見分が
   実施できていないこと、原告の供述調書が作成できていないこ
   とを説明し、処理方法について相談を行ったところ、担当副検
   事は、「出羽さん立ち会いの実況見分が実施できていなくても
   構わないが、出羽さんの供述調書は作成して送致してほしい。」
   という旨の回答を得た。
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  オ 本来であれば、実況見分調書の作成は、見分官である間ノ瀬
   巡査部長が行うべきところ、間ノ瀬巡査部長は、平成13年5
   月1日付けで九州管区警察局高速道路福岡管理室に異動とな
   っていたことから、当該実況見分に補助者として立ち会った堀
   部警部補が、基本書式で実況見分調書を作成することとし、間
   ノ瀬巡査部長が平成11年10月8日に作成していた交通切符様
   式の実況見分調書及び堀部警部補自身が作成していた現場メ
   モ(図面)並びに事故当日に撮影した車両の損傷状況・道路状
   況の写真に基づき、平成13年9月27日付けの基本書式の実況
   見分調書を作成した。
  カ 平成13年10月23日、堀部警部補は、自衛隊車両の運転者
   であった小野寺と助手席に同乗していた片岡高房(以下「片岡」
   という。)両名に玖珠警察署までの任意出頭を求め、堀部警部
   補が小野寺の事情聴取を、同署交通謀の松原隆治巡査(以下「松
   原巡査」という。)が片岡の事情聴取に当たった。
   小野寺の供述は、概略以下のとおりであった。(甲第7号証
   参照)
    ・私が、炊事車をけん引した大型貨物自動車を運転し、助手
    席に同係の片岡高房さんが乗って、日出生台演習場に演習に
    行くため、県道別府一の宮線を小国方面から湯布院町方面に
    向けて時速約40キロメートルで進行していた。
    ・私は、事故現場の進路を今まで50回ぐらい通っており、
    道路状況は十分に分かっているので中央線を越えるような
    運転はしていない。
    ・カーブを進行していたときの㋐地点のとき対向から相手の
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    バイクが中央線より①地点を進行してきているのが見えた。
    そのとき、相手のバイクの速度は、私の車の速度より速く感
    じたので、相手のバイクの速度は‥時速50ノキロメートルと
    思った。
    ・私が、相手のバイクを認めて直ぐくらいの㋑地点に来たと
    き、相手のバイクは中央線寄りの②地点に来ており、相手の
    バイクのハンドルかぶれる感じに見え、私は、相手のバイク
    が中央線を越えてぶつかると感じ、相手のバイクを注視する
    とともにブレーキを掛けた。
    ・相手のバイクは、私の運転席を通り過ぎて行ったと思った
    ら、相手のバイクが中央線を越えて来てガチャンと音がして、
    ⓧ地点で炊事車の右タイヤ付近に相手のバイクの右前がぶ
    つかった。
    ・相手のバイクは、④地点の左側を下に倒れており、バイク
    の前は小国方面に向いていた。
    ・相手の人は、バイクのほぼ一緒付近の③地点に足がバイク
    にかかって倒れていた。
    片岡の供述は、概略以下のとおりであった。
    ・私が助手席に乗車し、小野寺さんが運転して、時速40キ
    ロメートルぐらいでカーブに入ったと思う。
    ・相手のオートバイの速度は、私達の車よりも速く時速約
    60キロ前後に見えた。
    ・私が、オートバイを見ていると中央線寄りを走ってきてい
    たオートバイが、カーブに入った瞬間に「ふらついた」のが
    見えた。なぜ、ふらついたのか分からないが、私は「危ない。
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    ぶつかるんじやないか。」と思い、そのオートバイを目で追
    った。
    ・助手席に乗っていた私の視界からオートバイが消えた次の
    瞬間、右後方から「ドン」という衝撃音が聞こえた。
    ・小野寺さんが、「現場の右カーブ中央線をはみ出していな
    い」ということについては、間違いないと思う。
    ・自衛隊の車両の左前すなわち助手席側には3個のミラーが
    付いており、車両と道路の左側との間隔を見ることができる
    が、私が対向のオートバイを見る前にこのミラーを見たとこ
    ろ、かなり左に寄っており、外側線沿いで外側線を踏むか踏
    まないかといったくらい、距離にして約10センチあるかな
    いかのところを走っていた。
    以上のような小野寺及び片岡の供述を基本書式の供述調書
   に録取し、両名に対して読み聞かせたところ、誤りのないこと
   を申し立て、調書末尾に署名押印した。
  キ 堀部警部補は、原告の事情聴取を実施するため、平成13年
   10月上旬、原告に電話連絡をとった。堀部警部補は、原告が
   玖珠警察署に出頭することができないのであれば、自身が横浜
   に出向くことを伝え、原告が都合の良い日、出頭できる場所を
   尋ねたところ、原告は平成13年10月25日に神奈川県保土ケ
   谷警察署に出頭することを承諾した。
  ク 平成13年10月25日、堀部警部補と松原巡査は、保土ケ谷警
   察署に赴き、原告の事情聴取に当たった。
   はじめに、松原巡査が身上関係の供述調書を作成したが、原
   告は素直に同書面に署名押印をした。
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    次に、堀部警部補が、原告に対して自身が作成した平成13
   年9月27日付の実況見分調書を基に本件交通事故の発生状況
   を説明し、供述拒否権を告げて事情聴取を開始した。
    原告の供述は、概略以下のとおりであった。
    ・私は、事故の状況については、重傷を負ったため覚えてい
    ない。
    ・私が、覚えているのは、事故現場の手前に展望台があり、
    そこで後ろから来た車を先にやり過ごし、その場所で景色を
    眺めて休憩したのと、そこでバイクに乗って小国町方面に向
    けて出発したところまでは覚えている。
    ・自衛隊員の人がいたということと救急車に乗ったところを
    断片的に覚えているだけで、小国の病院に行ったことや熊本
    市の日赤病院に行ったことも覚えていない。
    ・私が、自衛隊の車両とぶつかった位置については、私が中
    央線を越えてないと思っているので、相手の大型トラックが
    中央線を越えて来てバイクと接触し転倒して、私が大きな怪
    我をした事故と思っている。
   以上のような原告の供述を基本書式の供述調書に録取し、原
   告に対して読み聞かせたところ、誤りのないことを申し立て、
   調書末尾に署名押印した。
   堀部警部補は、事情聴取の際、原告に対して実況見分調書に
   添付の写真を見せ、「これは事故の通報を受け、私と間ノ瀬巡査
   部長が現場に直行し、その当日に撮影したものです。」と話し、
   事故発生の原因について説明したが、原告からは何の反論もな
   く納得した様子であった。
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  ケ 本件交通事故の実況見分結果から、
    ・原告車両の右側ブレーキレバーが曲がり、炊事車の右タイ
    ヤフェンダーには、ブレーキレバーと同じくらいの高さの部
    分に接触痕が認められたこと
    ・自衛隊車両の進路上中央線から約43センチメートル入った
    所に約35センチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されて
    いたこと
    ・同地点から原告車両の進路上に向けて擦過痕が印象されて
    いたこと
    ・自衛隊車両の進路上には、上記のタイヤ痕以外には痕跡が
    なかったこと
   の事実が判明していたが、小野寺及び片岡の供述は、上記実況
   見分の結果と符合し、何の矛盾点もなかった。
    一方、原告の供述は、事故発生時の状況については、何の記
   憶もないというものであり、原告の「自衛隊車両が中央線を越
   えて来て、バイクと接触し転倒したと思う。」との供述には何の
   根拠も裏付けもないものであった。
    堀部警部補は、以上の捜査資料を基に本件交通事故の発生原
   因について検討した結果、本件交通事故は、原告が、湯布院町
   方面から小国町方面に向けて進行中、見通しの悪い下り坂のカ
   -ブを進行するに当たり、自車のハンドル、ブレーキの的確な
   操作を誤り、対向車線に進出させたため、対向から進行してき
   た小野寺運転の大型貨物自動車にけん引されたフルトレーラー
   の右側タイヤ及びタイヤ枠付近に自車前部を接触させたことに
   よって発生したものと認定した。
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  コ 玖珠警察署は、上記認定に基づき、平成13年11月16日、大
   分県警察本部長(交通部運転免許課経由)に対して、「自動車等
   運転者行政処分(交通違反等)報告書」により、原告の違反行
   為(道交法第70条、同法第119条第1項第9号)を報告した。
    また、玖珠警察署長は、平成13年11月20日に原告を道交法
   第70条、同法第119条第1項第9号違反として、関係書類を日
   田区検察庁に送致した。
2 原告の主張に対しての反論
 (1)  実況見分調書(甲7)中、「実況見分の日時、平成11年10
   月7日午後0時34分から午後1時20分まで」との記載は不実
   である、及び堀部警部補は本件実況見分をしていない。との主
   張について
    前述の1の(2)のイ(2頁)のとおり、平成11年10月7日午
   後0時34分から、間ノ瀬巡査部長が見分官、堀部警部補が補助
   者として実況見分を行い、1の(2)のエ(6頁)に述べたとおり、
   実況見分は同日午後1時20分に終了した。
 (2)  早水巡査長は、平成11年10月7日午前11時50分から実況
   見分を行い、交通切符様式の実況見分調書を作成した。との主
   張について
    前述の1の(4)(8頁)で述べたとおり、間ノ瀬巡査部長は
   平成11年10月8日、交通切符様式の実況見分調書を作成した
   ものである。
 (3)  間ノ瀬巡査部長は、平成11年10月29日以前には、本件トレ
   ーラー(炊事車)を見分していない。 との主張について
    前述の1の(2)のウの(カ)(4頁ないし5頁)で述べたとおり、
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   本件トレーラー(炊事車)を見分している。
 (4)  原告の実況見分調書添付の写真が、本件交通事故当日に撮影
   されてないとの主張について
    前述の1の(2)のイ(2頁)に述べたとおり、実況見分の補助
   者である玖珠警察署堀部警部補が、事故当日の実況見分時に撮
   影し、実況見分調書に添付したものである。
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