平成17年(モ)第2411号 文書提出命令申立事件(基本事件 平成17年 (ワ)第3710号 国家賠償請求事件) 原告 出羽やるか 被告 国 文書提出命令の申立に対する意見書 平成18年2月3日 横浜地方裁判所第9民事部合議係 御中 被告指定代理人 宮 崎 雅 子 代 熊 谷 勇 人 代 清 宮 克 美 久保寺 勝 大 當 光 憲 代 小 田 昇 代 一1一 被告は,原告の平成17年129日付け文書提出命令の申立書(以下「本件申 立書」という。)に係る文書提出命令の申立て(以下「本件申立て」という。)に 対し,次のとおり意見を述べる。 なお,略称等は,基本事件の被告準備書面の例による。 第1 はじめに 1 本件申立ては,本件申立書「1 文書の表示」欄に記載された文書(以下 「本件各文書」という。)が民事訴訟法220条3号に該当するとして,その 提出を求めるものである。 2 しかし,本件申立てによれば,本件各文書により証すべき事実は,本件事故 の態様とされているところ,基本事件の争点は,浅香らが別件訴訟において証 拠のねつ造・改ざん等を行ったか否かであるから,要証事実との関係で本件各 文書を証拠として取り調べる必要性はない。加えて,本件事故態様については 別件訴訟において審理を尽くした上判示されているから,その意味でも本件申 立ては必要性が認められない。 その点をおくとしても,以下詳述するとおり,本件文書について文書提出命 令を発令するための要件を欠いている。 第2 本件文書の特定と存在について 1 本件申立書1項(1)「発生報告書(法定第1号)」及び同(2)「実況見分調書」 について 上記各文書については,基本事件における被告準備書面(1)で主張したとおり, 本件事故に関しては作成されていないから,存在しない。 2 本件申立書1項(1)「事故現場見取図」について 上記文書は,本件申立書2項によれば,規則に基づいて北熊本駐屯地業務隊 が作成した本件事故現場見取図と特定されるが,そのような文書は存在しない。 一2一 なお,防衛庁事務官が作成した事故現場見取図は存在するが,基本事件甲第 23号証として提出されている。 3 本件申立書項(3)「事故現場及び損害状況写真」について 上記文書は,本件申立書2項によれば,規則に基づいて北熊本駐屯地業務隊 が作成した文書と特定されるが,そのような文書は存在しない。 4 本件申立書項(4)「供述書」について 小野寺秀和及び片岡高房の各供述書に相当するものは,既に甲第25号証及 び第26号証として提出されており,それ以外に北熊本駐屯地業務隊が作成し た文書が存在するという趣旨であれば,そのような文書は存在しない。 5 本件申立書項(5)「車両運行指令書」について 上記文書は,保存期限が1年であり,既に廃棄したため,存在しない。 6 以上によれば,本件各文書は,存在しないか,本件申立ての必要性が認めら れない。 第3 結語 以上の次第で,本件中立ては,本件文書が存在しないか,本件申立ての必要 性がないので,理由がないことが明らかであるから,速やかに却下されるべき である。 一3一