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DB超未来ブルマ死後のVB小説

2016-10-14 | DB短編小説

★前書兼言い訳★未トラ編開始当初、Pixiv投稿しようかと思い一挙に携帯で打ち込んでたベジブル小説ですが、その後の未トラ編の内容と食い違い部分が出来た為投稿を中止した小説です。折角書いたので、今回、サイト掲載後こちらのBlogへ移転させて頂きましたが。読む前からのネタバレですが注釈として、最初入力してたのと異なるのはラスト部分で、ベジータがブルマが行くべき世界にはかつてのブルマの仲間が居ると言ってますが、本当はブルマが 行くべき世界には、ブルマと同じく【希望】に己の思いを託した娘が居ると言わせたかったんです。でも、その後、その娘(マイ)が生きてる事が発覚した為に一部内容変更しての掲載と相成りました。

【来世への希望】

 「行って!早く!トランクス!」

私は・・・ブラックの人間離れした力で襟首を捕まれ、それだけ叫ぶのが精一杯だった。
薄れゆく視界、身体に激痛が走る中、声に鳴らない絶叫と共に消えゆく意識の中、トランクスが呼ぶ声だけがハッキリと聞こえた。

「母さん!」

そして・・・眼の前が暗転する・・・。

 

「トランクス!」

私はそう叫びながら目を覚ました。

「ここは?」

何も見えない暗闇が自分の身を包んでいる。寒いとか熱いとか、怖いとか寂しいとか…この不可解な状況の温度差や感情を、自分が何も感じてないのに気付くと私は状況を悟った。

「そっか…私、死んだんだ…。人造人間の危機もを乗り越えれた私の強運も、遂に悟空ブラックを前に尽きたか!」

溜息をつき一人そう呟くと、ゆっくりと立ち上がる。
高い位置の視線からもう一度周りを見渡す。遥か彼方に白い光と赤い光が左右対象に小さく見えた。ここが死後の世界ならどちらに向かっても同じ。ならば女子色の赤へと歩き始めた時、一陣の風がその赤い光方向から吹き、誰かが私の左手を掴んだ。

「誰?」

暗闇の中の為、掴んでる手と腕の一部分迄しか見えないのだが…子供の手だ。だがフカフカな子供のその感触とは違う上に、見覚えのあるグローブをつけている。
顔が見えればと…自分の勘を確かめるべく、ある名を呼ぼうかと口を開きかけた時、その手の主が声を発した。

「あちら側は貴様が来るべき場所じゃない!」

その叱咤する声音は、自分の予測と違い明らかに子供の物。だが話し方は…

「何で貴様がこんな中間地点で留まったままかは知らんが、閻魔からの言い付けだ!俺様が行くべき場所に案内してやる!」

手を引かれ武空術みたいに上空を移動してるらしく、風景は闇ばかりで何も判らないが移動してる風を感じる事は出来、微かな花の香りが向う側から漂い始める。

「…君は誰?」

思わず口から出た質問。彼は何も答ない。
そんな事をわざわざ聞かなくても、私はこの子をよく知っている気がする。
白い光へ徐々に近づいていくと、不思議な事に掴んでる手が成長してるみたく、徐々に大人の物へと変化し、その手の温かみを感じ始めた。覚えのあるグローブに覚えのある握り方と感触。周りが明るくなるにつれ暗闇で隠れてた部分が、腕、足、腰、肩と、姿が徐々に明確になってきた…やっぱり!

「ベジータ!」

私は、その見覚えのある後ろ姿の名前を叫んだ。
名を呼ばれた彼は動きを止め、私の手を掴んだまま振り返る。

「己が行くべき死の世界では…そこでの善行により姿形が後退する。そして行かざるべき死の世界に近づくと時が戻る。だから…餓鬼の頃の姿では即座には解らなかった様だな」
「ベジータ!」

私は再び名を呼ぶと彼に抱き着いた。まさか死してベジータと会えるとは思ってなかった為、感動も一塩で自然と首に回した両腕に力が入る。彼は生前同様、感情あらわな私の行動に、躊躇いがちに抱き返してくれた。

「まさかあんたとあの世で会えるなんて!信じらんない!」
「…ああ」
「今迄あった事とか…私が此処に居る訳とか…話したい事は沢山あるのに…何から話して良いのか…」

急に悲しくなり霊体なのに涙が流れてくる。

「事情は閻魔から聞いた。俺の死後…お前は一人で大変な思いをし続けたな。でも安心しろ」

ベジータが私の肩を掴み、ユックリと私の体を放していく。

「お前の”希望”は…無事、過去の俺達とカカロットに出会ったそうだ」
「トランクスが?ちゃんと行けたのね!あれだけのエネルギーで過去に!」

私が嬉々として声を出すとベジータが頷く。

「お前は…その希望が事を好転させる迄、この光の向こう側で待ち続ければ良い」
「待つ?」
「そうだ。何もせず待ち続ける事がブルマ…此処でのお前の試練だ」

試練って…意味がよく解らないけどベジータが言うことなら、うん、信じて待ち続けてみてもいいかも。一人でないなら…

「あんたは…ベジータも一緒でしょ?」

私の問いにベジータが困惑した笑みを浮かべ、ユックリと頭を左右に振る。

「先程言った通り俺の姿は戻っている。故に…俺はこちら側には入る事の出来ない人間だ。一歩でも立ち入れば俺の御霊は…恐らく一瞬にして消える」
「えっ?」

つまり…あの世で一瞬にして存在全てがなくなる事もあるって事?私が意味不明な瞳を向けると、ベジータは静かに答えた。

「俺は行くべき場所を誤りそうになったお前を、この入口迄送り届けただけだ。お前が自分の意思で向かおうとした光は俺が居るべき世界…地獄の炎だ」

その言葉を聞いた時、全て理解出来た。私が向かう先は天国。ベジータが善行を行い前世の罪を償い続ける場所は地獄。私達が進むべき道は、やはりあの世でも違うのだ。

「そっか…あんたがさっき子供の姿だったのは…死後の地獄世界で、罪を償いながら善行を積んでた己が居るべき場所に近かったからなのね」
「ああ…俺とお前の流れる時は既に違う。お前は『希望』が奇跡を起こすのを天国で待ち続ければ良い」

『希望』とはトランクスの事だが…『奇跡』を待てなんて…ドラゴンボールもないあの世界で本当に起きるかは甚だ疑問だ。自分も生前、トランクスに幾度も言い聞かせていた単語ではあるが…実際言われると…途方もない事を簡単に言ってくれる物だと感じる。私に『希望』とか『奇跡』をと言われ続けたトランクスも…今の私と同じ心境だったのかもと思うと今更ながらに胸が痛む。
そして今、ベジータは私一人で再び時を待てと言っている。確かに再会さえしなければ、死後の世界のどんな試練も一人で堪えれたかもしれない。でも今は…一番会いたくて仕方ない人に会ってしまったのだ。今更一人なんて…

「もう…一人はい…」

『嫌だ』と言葉を発する前に、私は唇をベジータのそれで塞がられた。
数分間…懐かしい感触が互いを味わい、双方の想いが伝わり続ける。
暫くし、ゆっくりと唇を放したベジータは、漆黒な瞳で私の瞳を見据えた。

「お前は何処の星の者よりも美しく賢く…強い逞しい意思を貫く事の出来る俺の女だ」

私は久しぶりのベジータの眼差しと、生前にも聞いた事ない言葉に魅入られた様に、身動きも反論する事も出来ない。

「お前は一人ではない。あちらの世界では、姿形は後退してるが、お前のかつての仲間が居る。だから…トランクスが起こす奇跡を待てるな?」

相変わらずな否定を許さない様な言い聞かせ口調に私が頷くと、ベジータが口の端を上げ彼独特な笑みを作り、肩に触れていたベジータの手が私を後方に押しやった。と同時に私の身体が光りの中に吸い込まれていく。その不可思議な現象に抗う事等出来ず、ベジータの姿が徐々に遠のいていく。

「時間切れだ…ブルマ、お前も頑張れ…何時かまた…」

彼の最後の言葉を聞き終える前に私は神々しい光りに包まれ、一瞬にして闇が消え周りの眩しさに瞳を閉じた。

眩しさで閉じた瞳を開いた時、風景が綺麗な御花畑に一辺していた。

「…ここが…天国?」

穏やかな気候、香しい花の香り…遠くから人の笑い声が微かに聞こえるが、私が今立つ位置に他の霊体は見当たらない。
幸か不幸か…地球侵略に来たかつての戦闘民族サイヤ人の落とし子が…ブラックに滅ぼされ様としてる地球で、たった一人の戦士として未だ戦っている。

「私とベジータの子供が地球を救えば…あんたにしても、これ以上に誇らしい事はないわね!ベジータの言う通り…私達の希望が地球を救う奇跡を…大人しく此処で待つわ」

私はまだベジータの名残がある唇を指でなぞる。

「…地獄で善行を積んだベジータの魂が浄化されても…私の魂があんたを覚えていれば…何時か又、生まれ変わった時に必ず会えるわ」

最後のベジータの言葉を思い浮かべ自身に言い聞かす様に私は呟いた。
そう、誇らしい私達の息子が救った何百年先の地球の未来で…お互いの再会を果たすのを夢見ながら時を待つのも…このうえなくロマンチックかもと思いながら、私は人の声がする方向へ歩きだした。

ジャンル:
小説
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1 コメント

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Unknown (aomushi)
2016-10-19 08:34:24
素敵なお話ですね…!pixivにも投稿なさったらよいですのに、もったいない!最期に手を引いてくれたのがベジータで、最期に愛を感じることができて、良かったです。できれば未来ブルマには生き返ってほしい!切に願っています。

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